【東松島・宮戸島】トンネルの先は”震洋”の秘密基地でした。

東松島市の宮戸島にある「鮫ヶ浦水曜日郵便局」は、水曜日のみ開く架空の郵便局。現在は閉局していますが、その姿を一目見ようと、実際に行ってきました。今回は郵便局へ至るアクセス方法や郵便局周辺をレポート。不気味なトンネル、海に続く線路、非日常な光景が待っています。

アイキャッチ画像出典:撮影 筆者
記事中画像:撮影  筆者

目的地は閉局した郵便局だった

宮戸島のビーチ

出典:PIXTA

日本三景で有名な松島の隣、東松島市にある宮戸島。”奥松島”とも呼ばれ、県内屈指の景勝地として知られているエリアです。

 

そんな宮戸島には、水曜日だけ開く架空の郵便局「鮫ヶ浦水曜日郵便局」がありました。※現在は閉局しています。

手紙

出典:pixabay

郵便局に集まってくるのは、どこかの誰かの水曜日の出来事が記された手紙。1枚1枚内容を確認し、個人情報を伏せたうえで無作法に交換し、投函した方へ送る。というプロジェクトが行われていました。

 

つまり手紙を出した人の元には、面識のない知らない誰かの水曜日の出来事が綴られた手紙が届くのです。

閉局した鮫ヶ浦水曜日の郵便局

2018年12月5日(水)に閉局しており、現在はポストもなく手紙を出すことはできません。しかし心強く惹かれていた筆者は、閉局した「鮫ヶ浦水曜日郵便局」を訪ねてみることにしました。

「あおみな」から自転車利用がおすすめ!

出発前にGoogleマップで道を確かめたところ、「宮戸市民センター(あおみな)」から徒歩45分(車は約8分)という距離でした。

 

車がないため徒歩を覚悟していたものの、宮戸市民センター(あおみな)でスポーツバイクをレンタルことを知り、自転車で向うことにしました。

 

【セルコホームあおみな内・奥松島遊覧船案内所】

住所:宮城県東松島市宮戸川原5番地1

利用時間:9:00~16:00(年中無休)

アクセス:JR仙石線「野蒜駅」から車もしくはタクシーで約10分

郵便局までの道のり

潜ケ浦を目指す

潜ケ浦の入り江

宮戸市民センター(あおみな)から緩やかな坂道を越えては下り……20分ほどで潜ケ浦(かつぎがうら)の入り江に到着しました。

潜ケ浦の小舟

せっかくなので入り江の方を散策。小舟が停泊していましたが、人影は一切ありません。

潜ケ浦と小舟

波もなく、無音。

潜ケ浦入り江の分岐点

分岐点に戻り、入り江の脇に続く道を進んでいきます。

不気味なトンネルに遭遇!

嵯峨見台へ続く道

1~2分で鬱蒼とした森の中へ。嵯峨見台の案内標識が立っていました。

突如現れるトンネル

大鮫に続く道

すると森に溶け込むように、ぽっかりと開いた穴がみえてきました。ト……トンネル……? 恐る恐る近づいてみます。

郵便局に続くトンネル

素掘りのトンネルです。思わず足を止めてしまいました。

 

しかしここを通らなければ、目的地に辿りつきません。意を決して、足を踏み出します(周りには人はいません)。

宮戸島 トンネル内部

8月中旬。外はジトっとしたうだるような暑さでしたが、トンネル内部は驚くほどヒンヤリ。街灯などは一切なく、昼夜問わず真っ暗なのでライトは必須です。

 

長さ50メートルくらいでしょうか。写真では分かりづらいですが、トンネル中間あたりが広間のようになっていました。

洞窟の先に見る光

出口が近づいてきました。美しい光景に怖さも吹っ飛び、カメラのシャッターを切ります。

 

これは鮫ヶ浦水曜日郵便局が閉局する前に、公式HPで表示されていた光景です(現在は閉局しているため表示されていません)。

トンネルをぬけると、そこには水曜日がありました。(出典:鮫ヶ浦水曜日郵便局

この先に鮫ヶ浦水曜日郵便局があります。

大鮫隧道に続く道

トンネルから出てきました。ホッと一息つきます(帰りも通らなくてはなりません)。このまま郵便局に向って一直線!

大鮫隧道周辺

ふと視線を左に向けると、トンネルと同じような穴がいくつもありました。中には小舟が置かれているようですが……。

トンネルから徒歩2分で鮫ヶ浦に到着

鮫ヶ浦水曜日郵便局

歩くこと1~2分、目的の入り江(鮫ヶ浦)に出てきました。右手にあるのが、目的の鮫ヶ浦水曜日郵便局です。

鮫ヶ浦水曜日郵便局

閉局しているため、ポストはありません。この場所にいろんな人の水曜日が集まっていたと思うと、なんだかロマンを感じます。

 

これで目的は達成しましたが、ふと気になるものが……。

鮫ヶ浦に続く線路

海へと続く線路です。かつては漁港だったことを考えると、陸から船を運ぶために使ったレールなのでしょうか?

海へ続く線路の正体は……?

鮫ヶ浦の線路

気になったので帰ってから調べてみると、驚くべき事実が判明。なんと郵便局のある鮫ヶ浦は、太平洋戦争時に震洋(しんよう)という特攻艇の秘密基地だったのです。

 

震洋は、小型ボードに爆薬を積んで体当たり攻撃を行った特攻兵器。戦局が悪化する中、船体には量産のしやすいべニア板が使われていたそうです。

20世紀の鮫ヶ浦

震洋はこの鮫ヶ浦だけでなく、米軍の本土上陸に備えて全国各地に配備されていました。その国内最後とされる146番目の部隊が、ここ宮戸島の鮫ヶ浦に置かれたのです。

震洋の格納庫

前述した横穴も、震洋を隠すためにつくられた格納庫の跡だったそう。

震洋の隠されたトンネル

トンネルの中間部が広間になっていたのは、もしかすると震洋を隠すための空間だったのかも知れませんね。

 

そのまま終戦を迎え、宮戸島から震洋が出撃することはありませんでした。しかし震洋の部隊全体の戦死者は、2500人以上にのぼるといわれています。

トンネルの先には、忘れてはならない歴史があった

鮫ヶ浦と基地

思わぬ形で、太平洋戦争の歴史と向き合うことになった今回の旅。終戦から半世紀以上、遠い過去の話のように思っていましたが、戦争を身近に感じた体験でした。

 

海へ続くレールは、今もなお色褪せることなく残っています。

 

 

宮戸島 トンネル
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GOGO MIYAGI 編集部
GOGO MIYAGI 編集部

GOGO MIYAGI!運営&記事編集担当。マグロとすんだ餅が好物。宮城にある神社や仏閣、景勝地、B級スポットの発掘に日々没頭中。読者の皆様にわかりやすく、ためになるような記事製作を心掛けています。