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ヒーローに会いに、いざ石巻市へ
ヒーロー。それは子供のときの夢であり、大人になった今でも憧れてやまない永遠の存在……。
そんなヒーローを数多く生み出したマンガ家・石ノ森章太郎。
石巻市にある「石ノ森萬画館(いしのもりまんがかん)」は、『サイボーグ009』『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』など石ノ森作品の世界を体感できるミュージアムです。
特撮、アニメ、マンガの世界にどっぷり浸かる!
石ノ森作品の世界を立体的に再現した展示ルームや、オリジナルアニメの上映。
仮面ライダーなりきりアトラクションや、自分の絵がアニメーションになるマンガ・アニメ工房など! 子供から大人まで夢中になるコンテンツが目白押し。
石ノ森作品のファンはもちろん、マンガやアニメ好きであれば誰もが楽しめます!
年齢なんて関係ありません。
今回はそんな石ノ森萬画館の魅力を、石ノ森作品『がんばれロボコン』の主人公・ロボコンと一緒にご紹介していきます!


仙台から「マンガッタンライナー」に乗車しよう!
萬画館の最寄り駅である「石巻駅」は、仙台駅からJR仙石東北ラインでおよそ1時間。
石巻までは石ノ森作品のキャラクターがラッピングされた「マンガッタンライナー」が、不定期で走行しています。
ただし毎週日曜日、JR仙石線「あおば通駅」から発車し午前中に石巻へ到着する1便は「マンガッタンライナー」と決まっているので、その時間を狙っていきたいですね。


石巻駅からマンガロードを歩く!
駅のホームへ降り立った瞬間、すでに石ノ森作品のマンガワールド全開!


マンガロードを歩いて、石ノ森萬画館へ!
石巻駅から石ノ森萬画館までの道のりは「マンガロード」と呼ばれており、『サイボーグ009』や歴代『仮面ライダー』など石ノ森作品のキャラクターが出迎えてくれます。
石ノ森先生の出身地は宮城県登米市(旧登米郡中田町)ですが、少年時代によく石巻まで映画を観に来ていたそうで、大人になってからも静養のために度々石巻を訪れていました。
そういった縁もあり、石巻市に「石ノ森萬画館」が開館。登米市の方にも「石ノ森章太郎ふるさと記念館」があります。
萬画館までは、石巻駅から徒歩15分ほど。マンガロードは歩くだけでも楽しいので、あっという間に到着です!
ちなみに石ノ森萬画館の漢字が、なぜ「漫画」ではないのかというと、”漫画はあらゆるものを表現できる無限の可能性を秘めたメディアである”という、石ノ森先生が1989年に提唱した「萬画宣言」に由来するそうです。
エントランス(玄関口)には、マンガ家の手がずらり
正面玄関へ続く通路脇には、『ルパン3世』の作者モンキー・パンチ先生など、日本を代表する画家の手形がずらり。
巨匠たちの手形を通過すると、最後に石ノ森先生の手が! なんとこの手、東日本大震災の際に津波に襲われながらも、キズ一つつかなかった”奇跡の手”。


玄関前にはこんなものまで! トライドロンの後ろには……
ガラスを通り抜けるスカルマンの姿が!
【1階】ここでしかみれない!オリジナル映画を観賞しよう
エントランス(インフォメーション)
1階はエントランス、グッズショップ、オリジナルアニメが上映される映像ホールがあります。
2階の展示スペースを見学する場合は、エントランスにある自動券売機で観覧券を買いましょう!
入館料は大人840円(630円)、中高生520円(420円)、小学生210円(210円)、小学生未満は無料です。
※()内は常設展示のみの料金。企画展示を入れ替える時期は、常設展示のみの見学となります。


1階は赤を基調とした、サイボーグカラーで統一されています。写真手前が玄関口で、奥はグッズショップ「墨汁一滴」です。
グッズショップでは石ノ森作品とコラボしたお菓子、雑貨・文房具、衣類品、書籍などを販売。ここでしか手に入らないオリジナルグッズばかり!
石ノ森先生の作品年表と「トキワ荘」の模型
エントランスの脇にあるスロープをあがると、石ノ森ビオグラフィーがあります。石ノ森先生の作品年表をみながら「あの作品って、この時代につくられたんだ!」と会話も弾みそうですね。
年表パネルの隣には、トキワ荘の15分の1スケール模型が展示されています。
東京都豊島区南長崎にあったトキワ荘は、石ノ森先生をはじめ、手塚治虫、藤子不二雄(藤子・F・不二雄、藤子不二雄A)、赤塚不二夫、寺田ヒロオなど、のちのマンガ界を代表する巨匠たちが青春時代を過ごしたアパートです。
模型の部屋をのぞいてみると、山積みにされた本、床にばらまかれた原稿、ぼんやりとオレンジ色に光る豆電球など、トキワ荘の内部まで精巧に再現されています。


萬画館でしか観れない映像作品は必見「映像ホール」
1階から2階へと続いている螺旋状のスロープを上がっていくと、その途中に映像ホールがあります。
映像ホールでは毎時10分に『シージェッター海斗』、毎時40分に『龍神沼』『消えた赤ずきんちゃん』が交互に上映されます。上映時間は約15分。
オススメは『シージェッター海斗』。平成仮面ライダーの制作スタッフと、”ミスター仮面ライダー”高岩成二をはじめとする豪華キャストが集結したスペシャルムービーです。
スタイリッシュなアクション、迫力ある必殺技、ハラハラドキドキの展開に興奮すること間違いなし! 石巻のヒーロー、シージェッター海斗の活躍をぜひ劇場で。 ※観覧券が必要です。


2階へ続くらせん状のスロープも、宇宙船をイメージさせる内装となっています。
窓には、宇宙船の搭乗員であるキャラクターたちの姿が! 全員わかるかな?
1つだけ真っ暗な窓があるので、見つけたら床にある足跡の上に立って、窓の方をみてください。”あのヒーローキャラクター”が隠れていますよ!
【2階】ヒーローの世界にどっぷり浸る……
まずは萬画館のメインである、常設展示のある2階へ。ここでは『サイボーグ009』をはじめ、石ノ森ワールドが広がっています。
立体的に表現した『サイボーグ009』の世界
まずは代表作ともいえる『サイボーグ009』の世界へ。宿敵・ブラック・ゴースト(黒い幽霊団)の研究所をイメージした空間に、009をはじめとするサイボーグ戦士の姿が。
9人のサイボーグ戦士を造り出した、ギルモア博士。彼の手元にご注目!
劇場版やTVシリーズの宣伝映像も必見です!


歴代ライダーマスクが揃う!『仮面ライダー』の世界
『サイボーグ009』の世界を抜けると、今度は仮面ライダー1号が登場! そして周囲を囲むように並んでいるのは、昭和期に活躍した仮面ライダーたちのマスク。
マスクの近くに設置されているモニターには、各仮面ライダーのオープニングムービーが流れています。
その先には、平成仮面ライダーたちのマスクがズラリ! 現在放送中の『仮面ライダーゼロワン』のマスクもありました! 今後は、令和ライダーが続々と増えていくのでしょうね。
他には、仮面ライダー1号・2号の相棒、サイクロン号に乗れるアトラクションや、
仮面ライダーになりきって戦えるアクションも! ※遊ぶには、プリペイドカード(税込み500円)が必要です。
石ノ森先生の原画展示コーナー(撮影不可)
萬画館に所蔵されている、石ノ森先生の原画を展示しているコーナーもあります。展示は年に4回ほど入れ替えられ、筆者が訪れた際は『原始少年リュウ』など「週刊少年チャンピオン」に連載されていた作品の原画が展示されていました(第43期原画展示)。
臨場感ありすぎる!『人造人間キカイダー』の世界
原画コーナーを後にし、さまざまな仕掛けを楽しみながら進んでいくと、『人造人間キカイダー』の世界が待っています。
不完全な良心回路をもつロボット、キカイダー誕生の瞬間を再現。「僕は不完全なんだ……」善と悪の狭間で苦悩するジローの声が、かなりリアル。


姉さん、事件です!ドラマ化もされた『HOTEL』の世界
お次は打って変わって、『HOTEL』の世界へ。東京プラトンのフロントでは、赤川一平さんと倉田裕美さんがお出迎え。
フロントの隣には、ホテルマンの適性診断が受けられます。出題されるのは、作品や一般的なホテル業界に関する知識。
ホテル業界の中で自分がどの職種に向いているのか、わりとしっかり診断してくれます!


石巻のヒーロー!『シージェッター海斗』の世界
最後は、石巻のヒーロー『シージェッター海斗』の世界へ。シージェッター海斗のもととなった、『超神ビビューン』に登場する海の神・超神バシャーンのNG版、鉄魔人シャドルのラフスケッチも展示されています。
このコーナーのためだけに製作されたジオラマも必見! 腰を屈めてガラスケースを覗き込んでみてください。
【3階】気分はアニメーター?マルチメディア工房が楽しすぎる
3階は学習・体験ゾーンとなっています。アニメーションをつくれたり、音響や動画を編集できたりと、大人も子供も楽しめる要素が盛りだくさん!
写真右手の壁に展示されている、人気マンガ家先生から寄せられたイラスト色紙も見逃せません!
自分の描いた絵が、アニメーションに!
「アニメにしようコーナ!」で、筆者もアニメーション作りに挑戦。見本の上に紙を敷いて、鉛筆で下書きを済ませたあとは色鉛筆で色を塗るだけ! 3~5枚ほど描きます(選んだ見本によって枚数は異なります)。
見慣れないセットに、気分はもはやマンガ家。 1時間半以上かけて完成させた5枚の絵を、カウンターに常駐しているスタッフの方に渡します。
完成したアニメーションがこちら! 自分の絵が動き出した瞬間、思わず声を上げました。


マンガや映画が見放題!
およそ6,000冊のマンガや本が並ぶ、図書ライブラリー。石ノ森作品をはじめ、最近のマンガ作品までもがラインナップに加わっています。
3階は観覧券が不要なため、開館時間内であればいつでも利用できるのが魅力。他にもDVDの貸し出しも無料で行っており、観賞スペースでみられます。
【3階】コックピットのような展望カフェ
作業後のひと休みに立ち寄りたいのは、同じく3階にある展望喫茶「BLUE ZONE(ブルーゾーン)」。
パスタやクジラの漬け丼といった食事はもちろん、パフェやソフトクリームといったスイーツもあります。
作品をモチーフにしたオリジナルメニューはもちろん、特別企画展開催中は限定のコラボメニューも登場します。
宇宙船のコックピットをイメージした内装は、どこか近未来を思わせるようなつくり。窓から見える石巻も必見です!
雄大な北上川を眺めながら、優雅なティータイムを満喫します。


石ノ森萬画館へのアクセスと駐車場について
石巻市までのアクセス
<電車(仙台・小牛田・古川)>
① 仙台駅からJR仙石線に乗り約80分、「石巻駅」下車徒歩約15分
② 仙台駅からJR仙石東北ライン(特別快速もしくは快速)に乗り約52~60分、「石巻駅」下車
③ 仙台駅からJR東北本線(快速もしくは各駅)に乗り約35~40分、「小牛田駅」で下車。小牛田駅からJR石巻線に乗り、「石巻」下車
④ 古川駅からJR陸羽東線に乗り約10分、小牛田駅で下車。小牛田駅からJR石巻線に乗り、「石巻駅」下車
<高速バス>
仙台駅西口前の高速バス乗り場(エデン前21番のりば)から、宮城交通バス「石巻行き」に乗り約70分「石巻駅」下車
片道820円。車内で現金もしくは交通系ICカードで支払い。※予約制でなく、乗車定員制。
<車>
・仙台方面から……
三陸自動車道経由で約60分、石巻河南I.Cから石巻市街地方面へ約10分
・大崎(古川)方面から……
国道108号線経由で約60分
石巻駅からのアクセス
最寄りのJR仙石線「石巻駅」からは、マンガロード経由で徒歩約15分。ほぼ一本なのと、目印にキャラクターのモニュメントがあるので道はわかりやすいです。
改札を出てそのまま直進すると、『サイボーグ009』の主人公・009=島村ジョーが現れるので、彼の脇道を通り左折します。
『サイボーグ009』の007=グレード・ブリテンの横を通り過ぎ、
『サイボーグ009』の006=張々湖(ちゃん ちゃんこ)を横目に、直進。
石巻最初の百貨店だった、「旧観慶丸商店」がみえてきます。横断歩道を渡り、そのまま直進しましょう。
すると水色の橋「西内海橋」がみえてきます。橋を渡った先に石ノ森萬画館がありますよ!
駐車場について
いしのまき元気いちばの正面にある、市営駐車場「石巻市かわまち立体駐車場」なら、誰でも2時間駐車無料で利用できます。ここから石ノ森萬画館までは、徒歩約2~3分ほど。
石ノ森萬画館指定の駐車場(石巻市かわまち立体駐車場は除く)を利用する場合、観覧券(もしくは年間パスポート)を提示すれば、1時間分の駐車サービス券がもらえます。
指定駐車場の情報は、石ノ森萬画館の公式HPをご確認ください。
石ノ森萬画館に行って、マンガの世界へトリップしよう!
いかがでしたか? 石ノ森萬画の体験レポートをロボコンと一緒にご紹介しました。石ノ森萬画館の近くには地元グルメを満喫できる食事処も多いので、そちらも忘れずチェックしてくださいね!
筆者の個人的オススメは、マンガロード沿いにあるラーメン屋「大王(ターワン)」。濃厚なのにアッサリとした「みそタンメン」のスープが堪りません。


今回取材させていただいたのは「石ノ森萬画館」
【住所】
〒986-0823 宮城県石巻市中瀬2-7
【開館時間】
[3~11月] 9:00~18:00(チケット販売は、17:30まで)
[12月~2月]9:00~17:00(チケット販売は、16:30まで)
【定休日】
[3~11月]第3火曜日
[12月~2月] 火曜日
【観覧料】
・通常観覧料
大人840円(630円)、中高生520円(420円)、小学生210円(210円)、小学生未満は無料
※()内は企画展示入れ替え時期で、常設展示のみの見学の料金
・年間パスポート
大人2,100円、中高生1,050円、小学生520円
【電話番号】
0225-96-5055
※火曜日が休日の場合、その翌日が休館日。
※ゴールデンウィーク期間中、夏休み(7月下旬~8月25日)、冬休み期間&元日は休まず開館。
※大晦日は15:00閉館。また、石巻川開き祭り(毎年7月31日~8/1)は打上花火会場となるため16:00閉館。
©石森プロ ©石森プロ・東映 ©石森プロ/街づくりまんぼう
※本記事の情報は、2019年10月に撮影・執筆したものです。最新の情報は現地へお問い合わせください。
石巻市に泊まろう!
今回ご紹介した「石ノ森萬画館」だけでなく、石巻市内には見どころが盛りだくさん! 東北の猫島で知られる「田代島」、絶景ドライブが楽しめる「牡鹿半島」、政宗公の命で欧州へ旅立った慶長遣欧使節の史料館「サン・ファン館」などがあります。
市内にはリーズナブルな価格で宿泊できるホテルが多数あるので、ぜひチェックしてみてください!
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