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女川ってどんなところ?
女川町(おながわちょう)は宮城県の北東部沿岸、太平洋に突き出す牡鹿半島(おしかはんとう)の付け根に位置する港町です。
仙台から電車で約90分、石巻線の終点「女川駅」が最寄り駅。駅前から続くテナント型の商業施設「シーパルピア女川」や、女川湾を一望できる見晴らしスポット「大六天駐車場」など、見どころは盛りだくさん!
この記事では、女川町をレンタルサイクルを利用して観光する、1日モデルコースをご紹介します。
観光に便利!レンタルサイクル
モデルコースの前に、観光の足レンタルサイクルについてご紹介。シーパルピア女川内にある「女川たびの情報館ぷらっと」で、自転車を借りることができます。
レンタルできるのは、ロードバイク、クロスバイク、電動アシスト付き自転車のいずれか。数に限りがあるため、予約しておくと安心です。
普段自転車に乗らない、もしくはロードバイク・クロスバイクの経験がなければ、電動アシスト付き自転車が断然オススメです(女川町は坂が多い)。
<レンタルサイクルの料金>
1台1時間500円~、最大1日だと3,000円(どの自転車も料金一律)。
コインロッカー、荷物預かり所あり!
また大きな荷物がある場合は、シーパルピア女川内にある「女川フューチャーセンターCamass」、もしくは「地元市場 ハマテラス」の入口に設置されたコインロッカーを利用すると便利。
コインロッカーに入らない荷物も、女川フューチャーセンターCamassで預かってくれます。※ただし営業時間内(9:00~19:00)に引き取る必要あり。
それでは女川町の観光モデルコースを時系列でご紹介します!
【10:00】女川駅に到着
女川駅に到着! 駅には自動改札機および自動精算機がありません。なのでSuicaやPASMOといったカードは使えません。もし仙台からICカードで入場した場合、駅で手動精算となります。
連休や土日は時間がかかるため、なるべく切符の購入がオススメです。※ICカードが使用できるのは、石巻駅まで。
レンタルサイクルを借りて、いざ出発!
「女川たびの情報館ぷらっと」へは、駅から徒歩4分ほど。シーパルピア女川の一角、海の見える国道398号の道路沿いにがあります。
目印となるのは、写真上の「きぼうの鐘」。震災前、駅前広場に設置されていた「カリヨンの鐘」だそう。震災記憶の伝承、復興の象徴として、女川町を見守り続けています。
レンタルサイクルを借りて、いざ出発! 上の地図は、前半のルートです。主に海沿いを走りながら、町内にある神社や見晴らしスポットを巡ります。筆者は経験者でないため、電動アシスト付き自転車をレンタルしました!
【10:03】山祗神社
シーパルピア女川から、国道398号(リアスブルーライン)を走りること約3分。左手に石造りの鳥居がみえてきます。
50段ほどの石段をあがると、「山祗神社(やまつみじんじゃ)」の社殿と、女川いのちの石碑が建っていました。
ご祭神は木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)。可憐らしい名前の通り、日本神話で最も美しい神様とされています。
女川いのちの石碑
「女川いのちの碑文」は、東日本大震災後に設置されたものです。
「町にある21の浜の、津波が襲ってきた高さの地点に石碑を建てる」というプロジェクトが立ち上がり、震災直後に女川第一中学校(現在の女川中学校)に入学した生徒と地元の人々が協力して制作したそうです。
石碑には「ここは、津波が到達した地点なので、絶対に移動させないでください。」と刻まれていました。
「え、ここまで津波がきたの!?」と驚くと共に、自然の脅威を感じたひと時でした。
ちょっとより道「熊野神社」
山祗神社からまた3分ほど走ると、またもや左手に石造りの鳥居が。扁額みると「熊野神社」と記されています。
震災時には、この鳥居を超える高さの津波が襲ったそうです。
高木が光を遮り、薄暗い参道。少し斜面が急な石段を上ると、黄色と水色のカラフルな社殿がみえてきました。
熊野神社の社殿です。創建は不明のようですが、相当古くからあるように感じます。
崎山展望公園を目指して、再びリアスブルーライン(国道398号)を走ります。「過去の震災浸水区間」の標識がみえました。
ちょっとより道「石浜」
「過去の震災浸水区間」を過ぎると、右手に脇道(石浜)が現れました。とりあえず曲がってみることに。
海がみえてきました!
波止場に到着! 漁船がいくつか停泊しており、釣り人の姿もチラホラ。
のぞき込んでみると、海底が透けてみえました。けっこう深いです。魚影も確認できました。
カレイやアイナメ、サバやカンパチなどが釣れるようですよ。
【11:00】崎山展望公園の近く
分岐点まで戻り、リアスブルーライン(国道398号)を走ります。崎山展望公園まではカーブが続く上り坂です。
途中に「女川湾戦没者慰霊塔」が建っています。
終戦6日前、日本海軍の防備隊基地があった女川は空襲を受け、艦艇7隻が撃沈。200名以上の方がなくなったそうです。
石浜の堤防から5分ほどで、「崎山(さきやま)展望公園」に到着。公園前は広さがあり、自転車を止めることができます。
震災の影響で公園は閉鎖されていますが、少し先に女川湾と外洋を見渡せる見晴らしスポット(青矢印)があるんです!
それがこちら! コバルトブルーの海と出島(いずしま)の影がみえます。
崎山展望公園はフェンスに囲まれており、入ることはできません。地割れの危険性があるため、閉鎖中とのこと(2020年12月3日現在)。
園内からは女川港や港町を望め、人気のビュースポットだったみたいです。
崎山展望公園の向かい側に、上にあがれる坂道がありました。とりあえず上ってみることに。
※写真上の通りフェンスなどないため、自己責任で判断してください。
視界を遮るものがなく、女川の美しく青い海を一望できます。
ただし景色に見惚れすぎると、足を踏み外し落下する危険もあります。
すぐ下は車がビュンビュン通る道路です。落下したら命に関わるため、足元には十分注意してください!
【11:30】女川市場食堂でランチ
景色を満喫したところで、シーパルピア女川方面へ戻り「女川市場食堂」を目指します。帰りは下り坂なので、ラクラク~。
走行中のよそ見は禁物なので、景色がみえたら自転車を止めて景色を楽しんでください。
道中に「女川町地方卸市場」があり、その3階に「女川 市場食堂」があります。
時間帯によっては、女川町地方卸市場が閉まっている場合もあります。その際は、市場の左側にある階段を上り立体駐車場の屋上へ。
屋上駐車場に入口があります。
こちらは女川市場食堂の入口。店内は半個室になっており、気兼ねなく食事を楽しめる空間でした。テラス席もあり、海をみながら食事もできますよ!
注文したのは「市場のはらこめし」。秋鮭と女川名産のホタテを使用した炊き込みご飯に、つやつや光るイクラがたっぷりのっています。税抜きで1,600円なり。
クジラの肉料理もありました。
■「女川 市場食堂」について
営業時間:
11:00~15:00(ラストオーダー14:00)
※夜営業はご予約制。夜営業の予約は0225-98-4556。
※日曜日は昼のみ営業。
定休日:
火・金・日曜(昼以外)
※女川魚市場の休業日は営業しません。
【13:00】旧女川交番とシーパルピア女川・ハマテラス
ランチを済ませ、再びシーパルピアへ。女川シーパルピアと海の間には広場があり、子供が遊べる遊具やベンチ、公衆トイレが設置されています。
そんな広場の一角にあるのが、東日本大震災遺構として保存している、「旧女川交番」です。
鉄筋コンクリート造りでしたが、引き波により交番の基礎部分の杭が引き抜かれ、横倒しになっています。津波の威力を目に見えて感じることができる遺構です。
当時の漂流物の残骸も、そのままの状態で保存されています。
平成23年(2011)3月11日14時46分、東日本大震災が発生。マグニチュード9.0、震度6弱。女川町の人口10,014人の約8.3%に相当する、827人の尊い命が犠牲となってしまいました。
シーパルピア女川・ハマテラスでお買い物
女川旧交番を見学した後は、シーパルピア女川へ。海鮮グルメだけでなく、洋食や焼き肉、ラーメン、カフェなど飲食店の種類も豊富!
土産物屋としては、女川でしか手に入らない木製の手工芸品、日本茶フレーバーティー専門店、宮城の素材をつかった手作り石鹸、ウニや牡蠣、ホヤやアワビなど採れたての海産物など、様々なものがあります。
名物となっているのが、「きらら女川」で販売している”さんまパン”。パン生地には女川港で水揚げされたさんまを骨ごと煮込み、ペースト状にしたものが練りこまれています。
独特の生臭さは感じません。しかしサンマの味はしっかりあります。どちらかというと甘いです。
税込260円。レンジで20秒温めるのが、オススメの食べ方だそうです。
個人的なオススメは、「onagawa fish house AURA」で販売されていた”牡鹿 塩チーズケーキ”。仙台で有名なチーズケーキ専門店「杜の都チーズケーキ工房 yuzuki」が手がけ、牡鹿半島でつくられている塩を練りこんでいます。
しっとりした食感。塩気のある程よい甘さで、後味もしつこくなく食べやすいです。スティックタイプで手も汚れにくく、おやつにオススメ。
1個180円(税抜き)。いや~おいしかった!
【14:00】コバルトラインへGO!
後半のルートです。行きとは反対方向、牡鹿半島を通るコバルトライン(県道225号)を走り、「大六天展望台(駐車場)」を目指します。
ファミリーマート女川中央店からスタート! シーパルピア女川の前を通る国道389号線を進み、長く緩やかな坂道を上っていきます。
大六天展望台にはトイレがないため、事前に済ませておきましょう。
しばらく走ると、左手に「女川いのちの石碑」と脇道がみえてきます。
ここまでシーパルピア女川から、約13分ほど。ひたすら坂道を上がり、すっかり海がみえなくなりました。
こんなところまで津波が迫ってきていたなんて、と驚くばかりです。
女川いのちの石碑があった脇道を進むと、分岐点にでます。ここを左折し、直進です。
【14:50】大六天展望台へGO
「ステイイン鈴家」を通り過ぎ、ほどなくすると写真上の標識がみえてきます。
写真上にみえる、緑色のトラックがいる場所が分岐点です。指示通り右折します。
ここから40分は、ほぼの上りです。平らな道はほとんどありません。またカーブの多いワインディングロードなので、下りも要注意。
車通りは少なく、広くて走りやすい道です。
前半は山の中。紅葉した山の風景や、女川湾と港町が望めたりします。
傾斜のきつい上り坂が続くので、無理せず休みながら進みましょう。経験がない方は、本当に電動アシスト付き自転車の方がいいです。
ちょっとより道「ビュースポット」
道中に脇道を発見。自転車を止められそうなスペースもあったので、立ち寄ってみることに。
ただしここも、フェンスなど落下防止の柵があるわけではないので、自己判断でお願いします。
おお! 絶景と遭遇しました。独特なリアス式海岸がよくわかる景色です。
大六天展望台(駐車場)に到着です! シーパルピア女川から1時間くらいかかりました。
女川湾と島景色が一望できます。左手には出島(いずしま)がみえますね。
正面にうっすらみえる山のような島は笠貝島、右側に3つ集まっているのは平島、江島、足島です。
出島や江島へは女川から船が出ており、渡ることができます。詳しくは下記のリンクをご確認ください。
女川町で一番美しい景色といっても過言ではない、ビュースポットでした。
【16:00】女川温泉ゆぽっぽ
シーパルピア女川まで戻ってきたら、自転車を返却し女川駅へ。駅舎1階にある券売機で入浴券を買い、2階にある「女川温泉ゆぽっぽ」で旅の疲れを癒します。
温泉は無色透明で、匂いもありません。湯ざわりも優しく、気持ちのいい温泉でした。
女川温泉は”美人の湯”といわれています。その理由は、温泉に含まれる成分。pH7.5以上のアルカリ性温泉は、肌の角質や毛穴の汚れをとりのぞく、石鹸のような働きをするそうです。
ただし入浴後は乾燥しやすいため、保湿を忘れずに行いましょう!
タオルはレンタルできます(有料)! お風呂上りに最高な、瓶のコーヒー牛乳もあるよ。
■「女川温泉ゆぽっぽ」について
営業時間:
9:00~21:00(最終入館は20:30まで)
定休日:
第3水曜日(第3水曜日が祝日の場合、翌日が休館日となります)
料金:
大人(中学生以上)500円小人(小学生)300円幼児(小学生未満)無料
※毎月26日と2月6日は「風呂の日」入浴料金半額です!
女川町・石巻市に泊まろう!
女川町を満喫するなら、町内もしくは石巻市に宿泊するのがオススメです。
1日は町内観光、2日目は女川港の観光桟橋から金運のパワースポットで知られる「金華山」へ向かうのもいいでしょう。(定期船は日曜日のみ、臨時で土曜もある)。
海とともにある町、女川
レンタルサイクルでめぐる、女川1日観光モデルコースをご紹介しました!
石巻・仙台方面の電車の運行本数は限られているため、時刻表を確認してから行動を開始しましょう。
16~17時台の電車にのると、石巻線の車窓から万石浦の夕日がみられるかもしれません。