牡鹿半島ってどんな所?
宮城県北東部、石巻市と女川町に属している牡鹿半島(おしかはんとう)。太平洋に向かって南に伸びる約25kmの半島で、海岸部の多くが三陸復興国立公園に指定されています。
長年の波によって形成されたリアス式海岸が続き、大小さまざまな入り江が点在。「浜」と呼ばれる小さな漁村が30ほどあり、なかでも中心地として栄えているのが、半島先端部にある「鮎川浜(あゆかわ)」です。
観光に外せない「鮎川浜」
鮎川浜(あゆかわ)には鮎川港があり、金運のパワースポットで知られる「金華山」、東北のネコ島「田代島」、東北のハワイともいわれている「綱地島」といった、離島への玄関口となっています。
また周辺には民宿や2019年にオープンした観光施設「おしかホエールランド」があり、牡鹿半島を観光するうえで欠かせない場所です。
牡鹿半島の楽しみ方
牡鹿半島を観光する際、車もしくはタクシー、バイク、レンタルサイクルが足となります。路線バスが走っていますが運行本数が限られているほか、地元住民の生活に密着した仕様のためオススメできません。
■路線バスの時刻表(石巻駅ー鮎川港)※2020年7月1日時点の情報
「コバルトライン」を走ろう!
牡鹿半島を縦断するように県道225号線、通称「コバルトライン」が通っており、ドライブコースとして人気。
半島の突端に位置する「おしか御番所公園」は、太平洋と周辺の島々を一望できるビュースポットであり、ドライブデートの〆にもピッタリ。
また東日本大震災の復興支援を目的としたサイクリング大会『ツール・ド・東北』の舞台でもあり、ライダーにも知られたサイクリングコース。
半島周遊で約90km、アップダウンの多いワインディングロードで、中~上級者向けコースとして紹介されています。
レンタルサイクルについて
レンタルサイクルは石巻市、もしくは女川町に数カ所あります。レンタルサイクルはインターネットによる事前予約、もしくは貸し出し店舗窓口で当日申し込みです。
料金は1日1台3,000円台(時間制の場合は500円~)。「乗り捨てレンタル」に申し込めば、レンタルした店舗とは違う店舗に返却OK。
【石巻市】
■石巻観光情報案内所(石巻市役所1階)
8:30~17:00(年末年始休み)
■サン・ファンパーク
9:00~17:00(火曜定休※祝日除く)
■石巻市かわまち交流センター
9:00~17:00(不定休)
■北上観光物産交流センター
9:00~16:00(火曜定休※祝日除く)
■石巻グランドホテル
6:30~18:00(無休)
レンタルサイクルの予約・詳細ページはこちら
■川の上・百俵館
11:00~17:00(月曜定休)※8月中旬より貸出開始予定
【女川町】
■たびの情報館 ぷらっと
9:00~17:00(無休)
※電動アシスト自転車以外はかごが付いていないため、身軽な格好がオススメ。カバンはリュック、ナップサックなどが便利。
立ち寄りたい、牡鹿半島の観光スポット
続いては牡鹿半島内にある、観光スポットをご紹介します。石巻市の観光スポットについては、下記記事をご覧ください。
① 宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)
石巻市街から車でおよそ20分、牡鹿半島の北西部に位置する「宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)」。
慶長使節とは江戸時代、初代仙台藩藩主・伊達政宗が領内でのキリスト教布教を認める代わりに、ノビスパニア(現在のメキシコ)との直接貿易を求めてイスパニア(現在のスペイン)国王とローマ教皇のもとへ派遣した外交使節のこと。
サン・ファン館では慶長使節が乗船した「サン・ファン・バウティスタ」の復元船をメインに、慶長施設の歴史や15~17世紀の大航海時代の文化を紹介しています。
ジオラマやパネルを使った展示だけでなく、VRを使った復元船内ツアー、映像とアニメーションを交えたシアターの上映も実施。
【サン・ファン館の基本情報】
〒986-2135 宮城県石巻市渡波字大森30番地2
営業時間:
9:30~16:30※最終入館は閉館の30分前まで
定休日:
毎週火曜日※祝日はのぞく、年末年始
料金:
一般(大学生から)…350円
高校生以下…無料
アクセス:
<公共交通>
JR石巻駅より石巻線に乗車し「渡波駅」下車、徒歩約25分またはタクシー約5分
<車>
三陸自動車道 石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約30分
駐車場
無料/普通車300台、大型も可
② 尾崎神社・尾崎灯台
サン・ファン館から海岸沿いを進んだ先にある「尾崎(おざき)神社」と「尾崎灯台」。入り口に朱色の鳥居があり、そこから杉木立の中を数分歩くと朱色の社殿、尾崎神社がみえ、正面に石巻湾と白亜の尾崎灯台を望めます。
尾崎神社は佐須浜(さすはま)に住む須田家の先祖が、江戸時代の万治2年(1659)に、所有していた親船の航海安全を祈願して建立したといわれています。ご祭神は大海津見神(オオワダツミノカミ)。
【尾崎神社・尾崎灯台の基本情報】
所在地:
〒986-2135 宮城県石巻市渡波本網1
営業時間:
なし
定休日:
なし
料金:
なし
アクセス:
<公共交通>
JR石巻駅より石巻線に乗車し「渡波駅」下車、徒歩約66分またはタクシー約19分
サン・ファン館から徒歩約40分(車で約6分)
<車>
三陸自動車道 石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約30分
駐車場:
無料/数台
③ 月浦(南三陸金華山国定公園)
仙台藩の外交使節としてスペイン、ローマに向かった、伊達政宗の家臣・支倉常長(はせくらつねなが)。スペイン国王やローマ教皇と謁見し外交交渉を重ね、1620年に無事帰国しました。
そんな支倉常長と180名あまりの人たちが出帆した地が、ここ牡鹿半島の月浦なのです。
今から400年以上前、サン・ファン館にある復元船「サン・ファン・バウティスタ」(様式乾帆船)に乗り、支倉常長らはスペイン、ローマへ旅立った……そうと思うと、歴史のロマンを感じます。
入り江がみえる展望台には支倉常長の像や、慶長使節の航海図が建っています。
【月浦(南三陸金華山国定公園)の基本情報】
所在地:
〒986-2352 石巻市月浦
営業時間:
なし
定休日:
なし
料金:
なし
アクセス:
<車>
三陸自動車道 石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約40分
サン・ファン館から車で約17分
駐車場
無料/数台
④ ホエールタウンおしか(鮎川港)
鮎川浜にある「ホエールタウンおしか」。観光物産交流施設、牡鹿半島ビジターセンター、おしかホエールランドの3つの施設があります。
観光物産交流施設Cottu(こっつ)では地元グルメが味わえる飲食店や工芸品を扱うショップが並び、ビジターセンターでは牡鹿半島の情報発信やクラフト体験・セミナーなどを開催。
おしかホエールランドは牡鹿半島の文化である”捕鯨”をテーマとした施設で、マッコウクジラの骨格標本やクジラの捕獲・解体に使用されていた道具などが展示されています。
施設の正面には金華山や網地島、田代島へ向かうフェリー発着する観光桟橋があり、観光物産交流施設には各フェリー会社が入っています。
金華山へは約20分、網地島へは約15分、田代島へは約55分。あらかじめ運航ダイヤが決まっているため、詳しくは各社HPをご確認ください。
【ホエールタウンおしかの基本情報】
所在地:
〒986-2523 宮城県石巻市鮎川浜南43−1
営業時間:
・観光物産交流施設 Cottu(こっつ)…8:30~17:00
・牡鹿半島ビジターセンター…9:00~16:30
・おしかホエールラント…9:00~16:00
定休日:
・観光物産交流施設 Cottu(こっつ)…年中無休
・牡鹿半島ビジターセンター…水曜日、年末年始
・おしかホエールラント…水曜日(祝日の場合はその翌平日)
おしかホエールランドの入場料金:
大人400円、大学生・高校生300円、中学生・小学生200円、未就学児無料
アクセス:
三陸自動車道 石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約60分
<公共交通>
JR石巻駅よりミヤコーバス・鮎川線に乗車し約80分、「鮎川港」下車
JR渡波駅よりミヤコーバス・鮎川線に乗車し約60分
<車>
駐車場
無料/94台(2か所)
⑤ おしか御番所公園
御番所(ごばんしょ)という名前の通り、江戸時代には仙台藩が唐船(中国帆船)の襲来に備えて見張り台を設置されるほど、見晴らしのいい場所。
園内には展望棟があり、牡鹿半島を全景、金華山、網地島、田代島を一望できます。
また360度の絶景オーシャンビューだけでなく、夕陽を望める名所。行きと帰り、二度寄りたくなる場所です。
【おしか御番所公園の基本情報】
所在地:
〒986-2523 宮城県石巻市鮎川浜黒崎
営業時間:
なし
定休日:
なし
料金:
なし
アクセス:
<車>
三陸自動車道石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約60分
駐車場
無料/70台
御番所公園の詳細ページはこちら
⑥ 大六天駐車場
コバルトライン(県道225号線)の道中にある「大六天(だいろくてん)駐車場」。
駐車場からの見晴らしが良く、女川湾や原子力発電所のある五部浦湾を望めます。トイレはないため、ご注意ください
【大六天駐車場の基本情報】
所在地:
宮城県女川町県道牡鹿半島公園線(コバルトライン)
営業時間:
なし
定休日:
なし
料金:
なし
アクセス:
<車>
三陸自動車道石巻河南I.Cより牧山トンネル経由で約36分
駐車場
無料
⑦ 金華山
※奥州三大霊場に数えられ、”3年連続でお参りすれば一生お金に困らない”といわれている「黄金山(こがねやま)神社」が鎮座している離島、金華山(きんかさん)。
創建には奈良の産金伝説に由来しており、金運のパワースポットとして知られています。
島民は神社の関係者数名と、神の使いとされる猿や鹿のみ。島全体が黄金山神社の神域とされ、民家はもちろん商業施設は一切ありません。
毎週日曜日、鮎川港から定期船が出ています(1日1往復のみ)。もし定期船に乗り遅れてしまっても、海上タクシーがあるのでご安心ください。
【金華山の基本情報】
所在地:
〒986-2523 宮城県石巻市鮎川浜金華山5
営業時間:
なし
定期船のフェリー(鮎川港発)は毎週日曜日運航。※天候などで欠航になる場合あり
定休日:
なし
フェリー料金(往復):
大人2,500円、小人1,250円、幼児無料
※乗船券などの受け付けは「ホエールタウンおしか」内
アクセス:
鮎川港から「定期船ホエール」もしくは「海上タクシーくろしお」を利用し約20分
駐車場
無料/ホエールタウンおしかと共用
⑧ 田代島
東北のネコ島で有名な「田代島(たしろじま)」。島民よりもネコの数が多く、島内のいたるところにネコ、ネコ、ネコ!
島にはネコを祀る猫神社や、軽食や島限定グッズを販売している島の駅(田代島にゃんこ共和国)があるほか、昼食がとれるお店も少数あります。
また漫画家とコラボしたロッジが並ぶキャンプ場、民宿もあり島に一泊することも可能です。
ネコ好きにはたまらない理想郷、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【田代島の基本情報】
所在地:
宮城県石巻市田代島(牡鹿諸島)
営業時間:
なし
定休日:
なし
フェリーの料金(片道):
大人810円(仁斗田)、970円(大泊港)
※小学生は半額
※仁斗田、大泊港どちらでも可
アクセス:
鮎川港から「網地島ライン(石巻行き)」に乗船し約35~40分
駐車場
無料/ホエールタウンおしかと共用
⑨ 網地島
網地島(あじしま)は”東北のハワイ2と揶揄されるほど、透明度の高い海が魅力の離島です。
網地港近くにある「白浜海水浴場」は、宮城県屈指の海水浴場で知られています。
島内の見どころは、長渡港から徒歩20分の場所にある「ドワメキ崎の灯台(涛波岐埼灯台)」。
赤と白の縞模様の灯台で、フォトジェニックな写真が狙える場所です。
【網地島の基本情報】
所在地:
宮城県石巻市網地島
営業時間:
なし
定休日:
なし
フェリー料金:
大人470円
※小学生は半額
アクセス:
鮎川港から「網地島ライン(石巻行き)」に乗船し約10~15分
駐車場
無料/ホエールタウンおしかと共用
牡鹿半島を観光しよう!
牡鹿半島はドライブ、ツーリング、サイクリングに絶好のスポット。海と山、小さな漁港、リアス式海岸独特の地形など景色も面白く、「食」の部分では今となっては珍しい”クジラ”を味わえる飲食店もあり、一日たっぷり満喫できる場所です。
石巻市へきたら、ぜひ牡鹿半島まで足を伸ばしてみてください!