栗原市ってどんなところ?
宮城県北西部に位置し、岩手県と秋田県に接している栗原市(くりはらし)。仙台市より広く、県内でもっとも広い面積を誇ります。
紅葉の名所で知られている栗駒山(くりこまやま)、ラムサール条約に登録されている伊豆沼や内沼などがあり、平成27年(2015)には市内全域をエリアとする「栗駒山麓ジオパーク」が※日本ジオパークに認定されました。
地球活動の痕跡が残る自然遺産がある場所のこと。日本ジオパークは全国43地域あり、うちユネスコ世界ジオパークに認定されているのは9地域です。
地球活動の痕跡を伝えるジオパーク
平成20年(2008)に起こった岩手・宮城内陸地震で、最大震度6強を観測した栗原市。多数の山地災害が発生しましたが、なかでも荒砥沢ダム(あらとざわ)上流地域で発生した大規模な地盤崩壊は、最大落差148mというすさまじいものでした。
地すべり跡は地球の活動、大地の変動を知る貴重なジオサイトとして保存されており、藍染湖ふれあい公園からみることができます。
今回はそんな栗原市にある観光名所をテーマ別にご紹介! まずは自然・景勝地からみていきましょう!
自然・景勝地4スポット
① 伊豆沼と内沼
東北最大の低地湖沼である、「伊豆沼(いずぬま)」と「内沼(うちぬま)」。東京ドーム83個分の広さを誇り、夏はハスの花畑、冬は渡り鳥たちの飛来地となります。
ハスの見ごろは例年7月中旬~8月下旬にかけて。開花中はハス祭りが開催され、ハスの花を鑑賞するための小型遊覧船が運航します。
※2020年の伊豆沼・内沼はすまつりは、7月20日~8月31日まで開催! 詳細ページはこちら。
一方冬の朝は、日の出とともに何万羽のマガンが一斉に飛び立つ「朝のとび立ち」がみられます。飛び立ちは日の出の20~30分前にはじまり、赤く染まる空を埋め尽くすかのような、黒い鳥の群れには圧巻です。
朝のとび立ちに聞こえる羽ばたき音は、環境省が選定した”日本の音風景100選”にも選ばれています。
アクセス:
・東北自動車道 築館I.Cから約15分
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車(タクシー)で約10分
駐車場:
登米市伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター(淡水魚館)無料/100台(伊豆沼)
栗原市サンクチュアリセンター(昆虫館)無料/35台(内沼)
② 栗駒山
日本一ともいわれる山岳紅葉で有名な「栗駒山(くりこまやま)」。標高は1,626m。『日本百名山』ではないものの、著者の深田久弥はあとがきで「栗駒山を百名山にいれるべきであったかもしれない」と述べています。
登山ルートは複数あり、宮城県側からは6か所。初心者向けなのは「いわかがみ平」を起点とする「中央コース(上り約90分、下り約70分)」と「東栗駒コース(上り約120分、下り約90分)」。
上りは東栗駒コース、下りは中央コースの組み合わせが人気。ほかにも湯浜コース(上級)、表掛コース(中級~上級)、裏掛コース(上級)、大地森(中級)コースがあります。
所在地:
いわかがみ平 栗駒レストハウス
アクセス(登山口いわかがみ平):
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で約70分
※「いわかがみ平」までは、ニッコウキスゲの見頃時期や紅葉時期に合わせた期間限定の特別運行バスが走る場合あり
・ 東北自動車道 築館I.Cから車で約70分
・ 東北自動車道 若柳金成I.Cから車で約65分
駐車場(いわかがみ平):
有料/100台※紅葉シーズンは臨時駐車場あり
③ 浅布渓谷
「浅布渓谷(あざぶけいこく)」は迫川(はさまがわ)の上流に形成された、約1.6km続く渓谷です。
メジャーな場所ではありませんが、浸食された岩や大小の滝がみられます。
敷地内には「不動の滝」と「四巻の滝」があり、落差はないものの、岩肌を滑るように流れ落ちる水流は見事なもの。
2つの滝は、数分で行き来できる距離にあります。新緑や紅葉の時期がオススメ。
④ 世界谷地原生花園
「世界谷地原生花園(せかいやちげんせいかえん)」は、栗駒山の南麓に広がる湿原(標高669~707m)。名前は広い(世界)・湿原(谷地)という意味です。
高山植物の宝庫であり、5月上旬にはミズバショウ、6月上旬からはワタスゲ、続いて6月下旬はニッコウキスゲ、9月にはエゾオヤマリンドウなど、数多くの花々が咲き誇ります。
駐車場から第一世界谷地(湿原)まで徒歩約15分、第二世界谷地までは徒歩25分。
湿原内には木道が設けられ、散策しながら植物観賞を楽しみます。
所在地:
〒989-5371 宮城県栗原市栗駒沼倉耕英南
アクセス:
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で55分
・ 東北自動車道 築館I.Cから車で約70分
・ 東北自動車道 若柳金成I.Cから車で約50分
駐車場:
無料/普通自動車60台、大型バス10台
史跡・観光施設5スポット
① 細倉マインパーク
細倉鉱山の跡地を利用したテーマパーク「細倉(ほそくら)マインパーク」。鉱山としての歴史は古く、史料によると16世紀に発見・採掘がはじまり、仙台藩一の鉛鉱山として発展しました。
かつて利用された坑道は観光用に整備されており、当時の作業現場を人形をつかって再現した展示などがあります。
また鉱山以外の要素もあり、細倉マインパークで誕生した生命体ホソキュリアンが案内する宇宙創成のゾーン、古代文明遺跡など、独特でミステリアスな展示が話題に。
映画のロケ地にも使用され、B級スポットのなかでも一目置かれている名所といえます。
所在地:
〒989-5402 宮城県栗原市鶯沢南郷柳沢2-3
開園時間:
[3月1日~11月30日]9:30~17:00
[12月1日~2月末日]9:30~16:00
休園日:
毎週火曜日、年末年始
料金:
観光坑道観覧…大人500円、中高生400円、小学生300円
砂金採り体験…大人・中高生500円、小学生400円
アクセス:
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で35分
・ 東北自動車道 築館I.Cから車で約45分
・ 東北自動車道 若柳金成I.Cから車で約30分
駐車場:
無料/500台
② 一迫山王史跡公園/あやめ園
一迫山王史跡公園(いちはさまさんのうしせきこうえん)は「山王囲遺跡(さんのうがこいいせき)」を保存するために、整備された公園です。
山王囲遺跡は、今から約2,500年前の縄文時代末期から弥生時代前期にかけて営まれていた、集落の遺跡です。再現された竪穴式住居をみることができます。
公園の一角にある「あやめ園」が有名で、アヤメやカキツバタ、ハナショウブなど約300品種22万株を植栽しています。例年6月中旬~7月上旬にかけて「山王史跡公園あやめ祭り」が開催され、さまざまな催し物が行われます。
※令和2年度(2020)の一迫山王史跡公園あやめ祭りは中止となりました。あやめ園は無料で開放しています。
所在地:
〒987-2308 宮城県栗原市一迫真坂
料金:
無料(あやめ祭り期間のみ有料)
開園時間:
8:30~17:00
休園期間:
12月29日~1月3日
アクセス:
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で25分
・ 東北自動車道 築館I.Cから車で約20分
・JR仙台駅さくら野仙台店前32番より東日本急行バス「一迫総合支所前」行きにて70分終点下車、徒歩約5分
駐車場:
無料/300台
③ 南くりこま高原 一迫ゆり園
200品種15万株におよぶ世界中のユリに、ヘメロカリス20品種2万株が咲き誇る、国内有数の花園「南くりこま高原 一迫(いちはさま)ゆり園」。
例年6月下旬~7月下旬の期間限定で開園しています。2020年は6月25日(木)~2020年7月26日(日)の予定です。
園内はペットの同伴可能で、車イスの無料貸し出しを実施しています。
所在地:
宮城県栗原市一迫真坂清水堰田
開園期間:
2020年6月25日~7月26日まで
開園時間:
8:30~17:00
料金:
一般670円、高校生・中学生・小学生310円
※山王史跡公園「あやめ園」との共通入園券あり(あやめ祭り開催期間のみ)
アクセス:
・東北自動車道 築館I.Cから車で約20分
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で約25分
・JR仙台駅さくら野仙台店前32番より東日本急行バス「一迫総合支所前」行きにて70分終点下車
駐車場:
無料/300台
④ くりはら田園鉄道公園/くりでんミュージアム
”くりでん”の愛称で親しまれていた、くりはら田園鉄道。もとは細倉鉱山から産出された鉱山物を運搬する路線として、大正7年(1918)に「栗原軌道」が設立されました。
閉山後は市民の足として活躍していましたが、2007年に廃線。拠点駅の旧若柳駅(わかやなぎ)を中心に、「くりはら田園鉄道公園」としてオープンしました。
園内は「くりでん芝生広場」「くりでんアトラクションゾーン(旧若柳駅)」「くりでんミュージアム」という3つのエリアで構成されています。
機関車庫・修繕庫には当時使用されていた車両や工作機械の展示もあり、鉄道ファンにはたまらない要素が盛りだくさん!
ミュージアム内には当時を知る貴重な資料や、くりでんが走る沿線を再現したジオラマ、運転シミュレーターやミニシアターなどがあり、子どもから大人まで楽しめる展示がいっぱいです。
所在地:
〒989-5501 宮城県栗原市若柳 川北塚ノ根17-1
開館時間(くりでんミュージアム):
10:00~17:00(最終16:00)
休館日(くりでんミュージアム):
毎週火曜日、年末年始
料金(くりでんミュージアム):
一般(高校生以上)510円、小中学生310円
アクセス:
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から市民バスに乗車し約15分、「若柳中町」下車徒歩約5分
・JR東北本線「石越駅」から市民バスに乗車し約10分、「若柳中町」で下車、徒歩約5分
・仙台駅から東日本急行または宮城交通バスに乗車し約80分、「若柳くりでん資料館前」下車徒歩約3分
・ 東北自動車道 若柳金成I.Cから車で約5分
駐車場:
無料/普通車30台、大型3台
⑤ 仙台藩花山村寒湯番所跡
仙台藩花山村寒湯番所跡(はなやまむらぬるゆばんしょあと)は、秋田県に通じる花山越え、秋田口の関所だった場所です。安土桃山時代から、約200年間利用されていました。
現在は表門と関所守の役宅が残っており、国の史跡として保存されています。
現存している表門はくぎを使わず、くさび止めしたケヤキ造りの四脚門。伊達家の紋を掲げています。屋根は本を伏せたような切妻造(きりづまづくり)に茅葺きという、シンプルな門です。
門の正面には関所守が常駐し、関所手形を確認する検断所の跡があります。関所遺構として残されているのは、全国的にも珍しい例。
所在地:
〒987-2511 宮城県栗原市本沢温湯12-1
開館日:
4月1日~11月末
開館時間:
9:00~16:30
観覧料:
一般210円、小中学生・高校生110円
アクセス:
・東北自動車道 築館I.Cから車で約45分
・JR東北新幹線「くりこま高原駅」から車で約50分
駐車場:
無料/30台
⑥ 孤雲屋敷(千葉周作ゆかりの家)
孤雲屋敷(こうんやしき)は、花山村にあった旧佐藤家の住宅を移築(補修・復元)したもので、佐藤家7代目当主・重太郎(号は狐雲)が住んでいました。
重太郎は学問に長けていたほか人徳も厚く、多くの人と交流をもっていた人物だったようです。
その中の一人に幕末の剣豪・千葉周作(ちばしゅうさく)の父とも親交があり、その縁もあって周作に学問を教えたともいわれています。
屋敷の建築年代は不明ですが、18世紀ころ江戸時代中期のものと推測されています。
屋敷内には周作に関する資料の展示や、実物大の手形、重太郎が周作に愛刀と贈るシーンを再現した人形などが展示されています。
所在地:
〒987-2512 宮城県栗原市花山草木沢原井田40-7
開館時間:
9:00~16:00
休館日:
毎週月火水曜日(祝日の時は次の日)、12月1日~3月31日
※令和元年12月1日~令和2年3月31日まで
料金:
一般210円、小・中・高校生110円
アクセス:
・東北自動車道 築館I.Cから車で約25分
駐車場:
無料/普通車30台
「楽天トラベル」で栗原市の宿・ホテルをさがす「Yahoo!トラベル」で栗原市の宿・ホテルをさがす「じゃらん」で栗原市の宿・ホテルをさがす
豊かな自然と歴史が残る「栗原市」
栗原市といえば栗駒山が有名ですが、縄文時代の遺跡跡や江戸時代に利用された仙台藩関所跡、大正から平成にかけて人々を運んだ”くりでん”、など歴史的な遺構も多く残されてます。
鳴子温泉郷も近いので、栗原市観光と合わせて旅行計画してみるのもいいですね!