宮城県の名物グルメや、お土産を紹介する企画がスタート!
第1弾は、県北部に位置する登米市で有名な「油麩」をご紹介します。
油麩ってなに?
フランスパンのような形状をしている「油麩(あぶらふ)」。読んで字のごとく、植物油で揚げた「麩(ふ)」のことを油麩と呼びます。
「麩」とは、小麦粉と水を練ることで生まれる”グルテン”を主な原料としている加工品です。写真上が麩で、お味噌汁やお吸い物などによく使われます。
グルテンというのは、小麦の中に含まれる栄養素の一つで、体をつくるのに必要なアミノ酸からできているたんぱく質です。
麩以外だと、パンや麺類、かまぼこにも使われています。
そんな麩を揚げたものが「油麩」なわけで、外も中もサクサク! ですが油麩も煮込めば柔らかくなり、モッチリした食感になります。
登米市の「油麩丼」が有名!
油麩は、主に宮城県北部と岩手県南部で食べられており、なかでも宮城県登米市(とめし)登米町(とよままち)で生まれた「油麩丼(あぶらふどん)」が有名。
油麩丼は、甘じょっぱい汁をたっぷり吸いこんだ油麩を卵でとじ、ご飯の上にのせた丼ぶりです。
肉が入っていないのに、コクが出ておいしい! 満腹感もあり、食べ応えのある一品です。
考案したのは、旅館の若女将
登米町といえば、江戸時代から明治時代の歴史的建築物が多く残っており、”みやぎ明治村”という観光地になっています。
また2021年度放送予定の、NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」のロケ地でもあり、今後ますます注目が集まる町です。
そんな登米町にある「海老紋旅館」の女将が、肉が苦手な人のために、カツ丼(もしくは親子丼)の代わりとして提供したのが、油麩丼のはじまりとされています。
海老紋は食事処「味処もん」を開店し、元祖「油麩丼」を食べることができますよ!
このお店以外にも、町内には油麩丼を提供するお店があり、各店独自のこだわりが詰まった油麩丼を提供しています。
その後、登米市の一般家庭に広まり、現在は、B級グルメの※愛Bリーグに宮城県初の正会員として登録されました。
※愛Bリーグ…地元で愛されるご当地グルメを地域資源として、さまざまな業種・職種の人々がボランティアでまちおこしに取り組む団体のネットワーク。地域活性化を目指す町おこしイベント「B-1グランプリ」を開催している。(出典:愛Bリーグ)
お家で作ろう!「油麩丼」のレシピ
油麩丼はご家庭でも簡単につくることができます。今回はとよま観光物産センター「遠山之里」で購入した、※鈴木麩屋さんの「あぶらふ麩」を使い、油麩丼をつくっみました。
※鈴木麩屋…明治三十二年創業。地元とよま、全国にもファンの多いあぶら麩です。
商品は少量生産で数に限りがあり、大人気のあぶら麩のためなかなか手に入りにくいことがあります。夏の時期はとくに入手困難になります。(出典:みやぎ明治村)
材料
・たまねぎ…1/4個
・卵…1個
・三つ葉…適量 ※筆者はネギを入れました。
☆調味料
・砂糖…大さじ1
・醤油…大さじ1
・みりん…大さじ1
・水…200ml
作り方
【1】油麩を約1.5cm幅の輪切りにします。
【2】玉ねぎをくし形に切りにします。
【3】鍋に☆調味料すべてを投入し、【1】【2】の油麩と玉ねぎを加えて弱火で煮る。油麩につゆが染み込み柔らかくなるまで、何回がひっくり返しながら煮ていきます。
【4】煮込んでいる間に、溶き卵をつくります。
【5】中心から外側へ、円を描くように溶き卵を流します。
【6】蓋をして、卵が半熟になるまで1~2分くらい煮ます。
【7】ご飯を器によそい、【6】をのせれば完成!
見た目は崩れてしまいましたが、油麩丼完成です! 「油麩丼のたれ」なんかも販売されており、より手軽に油麩丼がつくれます。
調べてみると、調味料にめんつゆを使ってもおいしいようです。
【内容量】
油麩…2本
【内容量】
油麩8切、タレ20cc×2 (2人前)
ちょこっと!油麩の歴史
麩は、中世のころ中国の禅僧によって日本へ伝わってきたとされています。
肉食を禁じられていた禅僧にとって、貴重なたんぱく質だった麩は、精進料理の主役でした。
さらに後年になると、保存のきく焼麩がつくられるようになり、江戸時代には一般庶民の口にも入るようになったそうです。
今では一年を通して市場に出ている油麩ですが、昔はお盆の精進料理の材料とするため、夏の間しか作られなかったそうです。
暑い時期に、肉の代わりとなる貴重な栄養源として、重宝されていました。
油麩丼を食べに、歴史の町「登米町」へいこう!
今回は宮城県北部が主産地である「油麩」を紹介しました。肉が入っていないのに、親子丼、かつ丼並みのコクがあり、しっかりお腹も満たされる「油麩丼」。
登米町は「みやぎ明治村」として観光地されており、仙台駅から高速バスでのアクセスも可能。「油麩丼」を食べに、宮城県へ行こう!
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