「細倉マインパーク前駅」とは?
宮城県北部、栗原市にある「細倉(ほそくら)マインパーク前駅」 は、2007年(平成19)に廃線となった「くりはら田園鉄道」の終着駅です。
くりはら田園鉄道は「石越駅~細倉鉱山駅」を結んでいた単線ローカル線で、「くりでん」の愛称で親しまれていました。
駅がある栗原市細倉地区は、かつて鉛や亜鉛を産出する鉱山町として栄えた地域。鉱山の一部は「細倉マインパーク」として開放され、地元を代表する観光名所となっています。
\日本の廃駅を訪ねてみよう/
廃駅になるまでの歴史
前身は「細倉駅」
細倉マインパーク前駅は1990年(平成2)に開業しましたが、その前身となる「細倉駅」は1942年(昭和17)に開業。
細倉駅は、くりはら田園鉄道の前身にあたる「栗原電鉄」の駅で、旅客列車の終点でもありました。レールは、細倉駅の先にある貨物駅「細倉鉱山駅」まで伸びており、鉱石を運搬するために利用されていたようです。
しかし1987年(昭和62)に細倉鉱山が閉山すると、「細倉駅~細倉鉱山駅」間は廃線となります。
細倉マインパークとともに開業した駅
1990年に「細倉マインパーク」がオープンすると、細倉駅~細倉鉱山駅の廃線を活用して、細倉駅は鉱山側に200mほど移転。駅名も「細倉マインパーク駅前」と改名されました。
“元”細倉駅の駅舎は解体され、かつて駅があった場所には石碑が立っています。
2002年(平成14)には「東北の駅百選」にも選定され、レジャー施設の玄関口として利用されていましたが、くりはら田園鉄道の赤字経営が改善されず、2007年に廃線が決定。「細倉マインパーク前駅」は廃駅となりました。
駅舎は閉鎖されているものの、ホームや線路は現役の姿をほぼそのまま保っています。駐車場やトイレも整備されており、自由に見学することが可能です。
細倉マインパーク前駅を歩いてみる
「細倉マインパーク駅前」入り口。駐車場も広々としています。
駐車場に隣接するトイレ。障がい者トイレもあります。
鉱石輸送に使われた電気機関車
廃駅前から展示されている「ED20形電気機関車 2号機(赤い方)」と「ワフ7形緩急貨車(ワフ71)」。ED20形は、栗原電鉄時代に走行していた電気機関車で、貨物輸送の中心的な役割を担っていました。
ワフ71は1924年(大正13)に製造されたとされる木造の貨物貨車。両者とも、細倉鉱山から鉱物を運搬する貨物列車として利用されていました。
駅舎
細倉マインパーク駅前の駅舎です。
閉鎖されているため中には入れませんが、窓ガラス越しから中の様子を確認できます。
細倉マインパーク駅前を示す石碑。
ホーム
ホームにつながる連絡路。
屋根は剥がされていました。
ホームは、ほぼ当時のまま残されていました。1面1線の単式ホーム。
標識も残っています。
こちらは細倉鉱山駅方面。線路はここで途切れています。
こちらは石越駅方面。このすぐ先には、細倉マインパーク駅前の前身である細倉駅跡地があり、歩いていくことができます。
細倉マインパーク駅前の基本情報
住所:
宮城県栗原市鶯沢南郷柳沢2−3
アクセス:
【公共交通の場合】
JR東北本線「石越」駅より、栗原市民バス・くりはら田園線に乗車し約60分-「細倉」バス停下車-徒歩すぐ
【クルマの場合】
東北道「若柳金城」ICより約30分
駐車場:
15台程度/無料
廃線が残る栗原市
くりはら田園鉄道、通称「くりでん」。細倉マインパーク駅前に限らず、当時使われた線路は、ほぼそのままの形で残されているようです。
また廃駅跡には石碑が建っており、なかでも「旧若柳駅」は営業当時の車両が見られたり、「くりでんミュージアム」が併設しているため、なかなか見応えがあります。ぜひ併せて訪ねてみてくださいね!
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