石巻の日和山公園ってどんなところ?
JR石巻駅から徒歩約20分、標高60mほどの小高い丘に広がる「日和山公園(ひよりやまこうえん)」。
頂上には「鹿島御児神社(かしまみこじんじゃ)」が鎮座し、鳥居越しから雄大な太平洋をのぞめます。
東日本大震災では、命の山となった
日和山公園の存在が大きく取り上げられたのは、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」。
津波から逃れるため、多くの人々が避難した「命の山」なのです。
以下、写真上の文章を引用いたします。
2011年3月11日の東日本大震災時、数えきれない人が避難した命の山となりました。
そして避難してきた人々は、降りしきる雪の中、信じられない光景を目にします。
高さ6mを超える大津波が、目の前の街並みや車を押し流し、同時に発生した津波火災によって燃え上がる街の景色です。
園内には、震災前の石巻を移した写真が展示されており、現在の景色と見比べることができます。
この地区は津波と火災の延焼により、500名もの方々が犠牲になられた場所です。
亡くなられた方々への追悼、震災の記憶と教訓の後世への伝承のため、「石巻南浜津波復興祈念公園」が建設されます。
訪問日の2019年はまだ建設途中でしたが、「石巻南浜津波復興祈念公園」は2021年3月28日(日)開園する予定です。
写真中央を流れている、旧北上川の中州に建つ白いドーム状の建物は、石ノ森萬画館(いしのもりまんがかん)。
『仮面ライダー』や『サイボーグ009』でおなじみ、漫画家・石ノ森章太郎ワールドにどっぷりつかれるミュージアムです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
あの松尾芭蕉も足を運んだ!
こちらは日和山公園に建つ、江戸時代の俳人・松尾芭蕉と弟子の曾良(そら)の像です。
代表作『※おくのほそ道』の道中で、芭蕉と曾良は石巻を訪ねています。
「平泉を目指していた芭蕉と曾良は、道を誤り石巻というところへ出た。金華山がみえる海を見渡してみると、数百の船が湾内に集まり、土地を争うように家がひしめき合い、炊事の煙が立ち上っている。」
と、石巻の活気ある様子を『おくのほそ道』で記しています。
また弟子の曾良が書いた『曾良旅日記』では、日和山に上り石巻の海を見渡した、とも記されています。
※おくのほそ道…俳人・松尾芭蕉による紀行文。
江戸から旅立ち、奥州、北陸道をめぐった旅行記であり、紀行作品の代表的な存在。
日和山公園の楽しみ方
そんな日和山公園での過ごし方をご紹介します。
石巻市街と海を眺める
まずは松尾芭蕉も眺めたという、石巻の海景色を楽しみましょう!
冒頭でご紹介した震災前の風景写真が、公園を囲む柵に展示されています。ぜひ見比べてみてください。
また日和山公園は、400本の桜が咲き誇る石巻の花見名所でもあります。
開花シーズン中の夜は例年ライトアップが行われ、夜桜と石巻の夜景を同時に観賞できるのも魅力です。
鹿島御児神社を参拝しよう!
日和山の頂上に鎮座する「鹿島御児神社(かしまみこじんじゃ)」を参拝しましょう!
※延喜式神明帳に名を連ね、平安の朝廷からも重要視された由緒ある古社です。
※延喜式神明帳(えんぎしきじんみょうちょう)……延長5年(927)にまとめられた『延喜式(平安時代の宮中における年間行事や制度をまとめた実務規定)』の巻九・十のこと。
当時「官社」に指定された全国の神社一覧(全2,861社)。
ご祭神は、武甕槌命(たかみかづちのみこと)と鹿島天足別命(かしま あまたりわけのみこと)の二柱。
武神の親子神です。
ご利益は、職業繁栄、安産、悪疫除け、鬼門除け、海上安全守護、交通安全。
八幡神社や稲荷神社なども鎮座しています。
また御朱印をいただけます。右のネコスタンプは、鹿島御児神社の看板ネコ・シャム夫くん。
訪問した際は会えませんでしたが、人懐っこい性格なんだそうです。
シュークリームで一息つこう
日和山公園の前にある「工房 かざみどり」。
シュークリーム専門店で、TVで雑誌などで取りあげられている人気店です。
定番のカスタードから、ずんだや抹茶など、およそ6~10種類ほど(日によって変わります)。
なかでも一番人気は「レアチーズ」。
サクッとした生地に、フランス産の高級高級クリームチーズがたっぷり!
またブルーベリーが添えられており、ほどよい酸味もある上品な味です。
テイクアウトして日和山公園(ベンチは複数ある)で食べるのもよし、店内もいただけます。
日和山公園へのアクセス
JR石巻駅から徒歩で向かう(約20分)
仙台から石巻まで、仙石東北ラインで約60分。石巻駅から日和山公園までは、徒歩20分ほど。
日和山公園は標高56mの「山」ですが、公園として整備されているた山道はありません。
階段をのぼりきると、日和山公園の入口がみえてきます。
こちらの階段を上がると…
鳥居の建つ広場にでます! ここからの眺望がとくに素晴らしいです。
車で向かう
日和山公園の駐車場まで、JR石巻駅から7分ほどで着きます。
ただし駐車場へ至る道幅が狭いのと、駐車台数は27台と限りがあります(無料)。
とくに桜シーズンは周辺道路も混雑するため、「石巻市かわまち立体駐車」を利用するのも手です。
石巻市かわまち立体駐車から日和山公園へは、徒歩15分ほど。
8:00~18:00までの入場で2時間無料、以降30分150円です。
眺望名所、そして命の山