石巻市サン・ファン・バウティスタパークのステージ脇にある階段を上り、左手に進むと館が見えてきます。
サン・ファン館の入館口
こちらが入館口。階段を下りていきます。
入館の受付です。こちらでチケットを購入します。
・一般(大学、各種校含む)…350円
・高校生以下…無料
※各種障がい者手帳を提示された方、及び身体・精神2級以上と療育手帳の介護者1名も入館料が免除されます。
サン・ファン・バウティスタ VR船内ツアー
現在復元船内は立ち入りできませんが、コンピューターグラフィックスによって再現されたサン・ファン・バウティスタの船の内部、上空からの映像が大型スクリーンでみられます。
VR船内ツアーは、館内見学前の鑑賞がオススメです。上映時間は約20分。
慶長使節展示室
展示室では、7年に及んだ慶長使節の足跡をくわしく紹介しています。
出帆から3か月で太平洋を越え、アカプルコ(現在のメキシコ)に到着した慶長使節。しかし上陸早々にメキシコ人との流血騒ぎが発生し、使節一行の刀を没収されるなど、様々なトラブルに見舞われたようです。
また訪問先の様子も紹介されており、1615年10月29日に行われたローマ入市式では、百発以上の祝砲がとどろき、ローマ市民から熱狂的な歓迎を受けたことなどが紹介されています。
また人形をつかったジオラマ展示もあり、写真上は伊達政宗がお忍びで船の建造現場(月浦)に訪れた場面を再現しています。
左から支倉常長(はせくらつねなが)、伊達政宗、ルイス・ソテロ(スペインの宣教師)、セバスティアン・ビスカイノ(スペイン側の答礼使)です。
支倉常長は伊達家の家臣であり、慶長使節の中心人物。彼については、記事の後半でご紹介します。
ロビー
老朽化の影響でサン・ファン・バウティスタ復元船の内部がみられません。そのため、ロビーには復元船に設置されていた見張台をはじめとした、さまざまな積載物が展示されています。
当時は海賊が多い時代だったため、船には緊急時用に大砲や槍を積んでいたそうです。
こちらは支倉常長らが使用した、ベッドと文机。ベッドは現代のものより一回り小さめで、航海中は揺れで落ちないよう足を「く」の字に曲げて寝ていたそうですよ。
食料は米、味噌、酒。ほかには鳥獣類や魚類を干物や塩漬けなどにし、長期保存に適した加工食品を積んでいたのではないかと推測されています。
積荷は交易品や贈答品も含めると、推定で1000梱余りだったとか。ちなみに船内にはトイレが無かったそうです。
またロビーでは、東日本大震災の記録をパネルや映像で紹介しています。
エスカレーター棟中段「野外広場」へ
館内を見学したあとは、外にある野外広場へ。標高差30mのエスカレーターで向かいます。
それにしても……な、長い!
エスカレーターを降りると、写真上の復元船と海がみえてきます。
「入館記念」と書かれた日付が入ったパネルが設置されており、記念撮影にピッタリ!
野外広場から、サン・ファン・バウティスタ号の復元船を間近でみることができます。
入り江に佇む帆船、前方には広大な太平洋。今から400年以上前、見知らぬ異国に向けて出帆するサン・ファン・バウティスタ号の姿が脳裏に浮かびます。
※平成28年4月より老朽化のため、復元船の乗船見学とドック棟への立ち入りを中止しています。
石巻市サン・ファン・バウティスタパーク
サン・ファン館に隣接しているのが石巻市サン・ファン・バウティスタパーク。
このパークは、支倉常長一行が訪ねたイタリア広場をイメージしたつくりになっているのが特徴です。
野外ステージを中心に、放射線状に設置された白いタイルとイタリア風の庭園が美しく、見事にマッチしています。
パークで、毎年5月に開催されているのが「サン・ファン祭り」。他にも毎年さまざまな野外イベントを開催しており、市民の憩いの場として親しまれています。
またサン・ファン館側の高台からは石巻の山々や太平洋を一望でき、高い位置からサン・ファン・バウティスタ号がみられるのも魅力です。
使節のキーマン「支倉常長」って何者?
慶長遣欧使節の中心人物として知られているのが、伊達家の家臣・支倉常長(はせくら つねなが)。
一体どのような人物で、なぜ彼は慶長遣欧使節に選ばれたのでしょうか?
最後に支倉常長の生涯を、ざっくり解説します。