鳴子温泉郷ってどんなところ?
宮城県を代表する温泉の名所「鳴子温泉郷(なるこおんせんきょう)」。多彩な泉質をもつ温泉地が集まっており、国内にある11種のうち9種の泉質が鳴子温泉郷にあります。
温泉地とは、温泉を提供する宿泊施設がある場所(一軒宿も含む)。温泉郷は、一定の範囲に複数の温泉地が集まっている場所のこと。
5つの温泉地を総称して「鳴子温泉郷」という
鳴子温泉郷は「鳴子温泉」、「東鳴子温泉」、「川渡(かわたび)温泉」、「中山平(なかやまだいら)温泉」、「鬼首(おにこうべ)温泉」の計5カ所の温泉地を総称したものです。
有名なのは、温泉郷の中心部にある鳴子温泉。鳴子温泉郷にある9種類のうち6種類の泉質があり、※”奥州の三名湯”の一つに数えられています。
それではさっそく鳴子温泉郷と周辺の観光スポットをご紹介します。
鳴子温泉郷にある10の観光スポット
① 買い物とグルメを楽しもう「鳴子温泉」
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」を起点に広がる、鳴子温泉。駅前には足湯(無料)が設置されており、周辺には宿や共同浴場、飲食店などが立ち並んでいます。
また”日本三大こけし発祥の地”でもある鳴子温泉。温泉街のあちらこちらに「こけし」の姿が! こけしと一緒に、記念撮影なんていかがでしょうか?
■「下駄手形」でお得に過ごす
駅へ着いたら、構内にある「鳴子観光・旅館案内センター」へ。鳴子温泉の観光情報がゲットできるほか、共同浴場や土産店で割引や特典を受けられる「下駄手形(1個100円)、宿泊せずとも旅館の温泉を巡れる「湯めぐりチケット」を購入できます。詳細ページはこちら。
② 温泉神を祀る「鳴子温泉神社」
鳴子温泉街にある「鳴子温泉神社(ゆのかみやしろ)」。平安時代に編纂された『続日本書紀』によると、温泉神社の創建は承和4年(837)。同年4月に鳴子温泉の鳥谷ヶ森にて、地面から突然温泉が噴出(火山活動が原因)。驚いた住民らはすぐさま朝廷に報告し、温泉神を祀ったと記されています。
住民らは噴出したお湯を「鳴声(なきご)の湯」と呼び、それが現在の「鳴子」という名の由来にもなりました。
■由緒ある延喜式内社
※延喜式神名帳に記された神社の中でも「温泉神社」として記載されているのは、鳴子温泉神社を含めて3か所のみ。温泉神を祀る神社の中でも格式の高い、由緒正しい神社なのです。
平安時代の延長5年(927年)にまとめられた『延喜式』の巻九・十のこと。当時「官社」とされていた全国神社の一覧表。格式のある神社の証。
参道脇には相撲の土俵があり、これは文治5年(1189)源頼朝が平泉に侵攻した際には(奥州合戦)には戦勝祈願に訪れ、家臣による相撲が奉納されたとのが由来となっています。鳴子相撲と呼ばれており、九州の「明鳥」、東京の「浅草」とともに日本の三大田舎相撲の一つです。
所在地:
〒989-6823 宮城県大崎市鳴子温泉湯元
拝観料:
なし
御朱印:
あり
アクセス:
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から徒歩約7~10分
③ 色が変化する「潟沼」
承和4年(837)の火山活動により鳴子温泉にお湯が噴出し、朝廷は湯神様を祀る「鳴子温泉神社」を創建しました。それと同時期に出現したと考えられているのが、「潟沼」です。潟沼は旧噴火口にできたカルデラ湖で、蔵王の御釜と同じようなエメラルドグリーンや濃い緑色など、天候によって水面の色が変化します。
また湖底から耐えず熱泉ガスや水蒸気が発生しているため、湖面が白濁にもなる不思議な湖です。
●湖畔トレッキングやボートを楽しもう
湖を一周する遊歩道が整備されており、40分ほどで一周できます。また貸しボートもあるため、水上から景色を楽しむのもオススメ。秋は湖を囲む木々が紅葉し、錦秋に染まる森と青い湖面の美しいコントラストを望めます。冬季(11月下旬~4月下旬)は積雪の関係で潟沼へ続く道が閉鎖され、アクセスできません。
潟沼のすぐ近くには珍しいクレー射撃場があるため、興味があればぜひ覗いてみてください。
【潟沼の基本情報】
所在地:
〒989-6823 宮城県大崎市鳴子湯元地内
アクセス:
<公共交通>
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から徒歩約40分
<車>
・JR陸羽東線「鳴子温泉駅」より約10分
・東北自動車道 古川I.Cより約45分
駐車場:
無料・約30台
④ 紅葉の名所「鳴子峡」
紅葉の名所で有名な「鳴子峡」。V型の深い峡谷で、ゴツゴツとした岩肌に茂る木々が、例年10月中旬~11月上旬にかけて紅葉します。峡谷にかかる「大深沢橋(おおふかざわばし)」から景色を望むのもいいですし、峡谷沿いを一周する大深沢橋遊歩道(全長約2.2km/所要時間約50分)を散策するのオススメです。
■車窓からも楽しもう!
またJR鳴子温泉駅から陸羽東線に乗り、車窓から鳴子峡の景色も楽しむのもまた一興(鳴子温泉駅~中山平温泉駅)。シーズン中は減速運転をしてくれるので、絶景をじっくりお楽しみいただけます。
所在地:
〒989-6100 宮城県大崎市鳴子温泉
料金:
なし
アクセス:
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から車で約10分
駐車場:
紅葉シーズン中は有料/253台(中山平駐車場)
⑤ 全国のこけしが集うミュージアム「日本こけし館」
東北発祥の伝統こけしは、全国で11系統(種類)あります。宮城県内には遠刈田(とおがった)、作並(さくなみ)、弥治郎(やじろう)、そして鳴子(なるこ)の4系統があり、鳴子系のこけしは首を回すとキュッキュッと音が鳴ります。
■自分だけの「こけし」を作っちゃおう!
鳴子温泉にある「日本こけし館」では、約5,000本もの伝統こけしを展示。こけしは系統によって顔の表情や胴体に描かれる模様、作りも異なります。こけしをじっくり観察して、地域によって違う表情や模様を比べてみるのも面白いですよ。
職人によるろくろ挽きの実演や、こけしの絵付け体験(1,100円/10名以上は要予約)なども行っています。旅行のお土産に、ぜひマイ・こけしを手に入れませんか?
【日本こけし館の基本情報】
所在地:
〒989-6827 宮城県大崎市鳴子温泉字尿前74-2
開館時間:
[4月1日~11月30日]
8:30~17:00
[12月1日~12月31日]
9:00~16:00
入館料:
大人:400円、中高校生:160円、小学生:120円
定休日:
1月1日~3月31日
アクセス:
<電車>
JR仙台駅から東北本線「石越行き」に乗車約43分、「小牛田駅」下車。JR陸羽東線「鳴子温泉行」に乗車約56分「鳴子温泉駅」で下車、徒歩約25分
<車>
東北自動車道 古川I.Cから約40分
駐車場:
無料・普通車20台
⑥ 花の祭典「川渡温泉河川敷の菜の花畑」
鳴子温泉郷の入口に位置する川渡温泉(かわたび)。複数の宿と1件の共同浴場からなる温泉地で、脚気(足がしびれたり、むくんだりする症状)によく効くことで知られています。そんな川渡温温泉を流れる江合川(えあいがわ)の河川敷には、春になると菜の花の絨毯が姿を現します。見頃は4月下旬。
■「おおさき鳴子温泉菜の花フェスティバル」に参加してみよう!
4月最終日曜日には、「おおさき鳴子温泉菜の花フェスティバル」を開催。大崎発祥のご当地グルメや、バイオ燃料で走るゴーカートなど、子どもも大人の楽しめる催し物が行われます。
【川渡温泉河川敷の菜の花畑の基本情報】
所在地:
〒989-6100 宮城県大崎市鳴子温泉川渡
見ごろ:
4月下旬頃
開催時間:
なし
※おおさき鳴子温泉菜の花フェスティバル2019年は9:30~15:00
料金:
なし
アクセス:
<電車>
JR陸羽東線「川渡温泉駅」下車
<車>
東北自動車道 古川I.Cから国道47号線 鳴子方面行きへ約40分
駐車場:
あり(河川敷駐車場)
※イベント開催日は臨時駐車場複数あり
川渡温泉旅館組合の公式HPはこちら
⑦ 温泉好き必見「鬼首かんけつ泉」
間欠泉(かんけつせん)をご存知でしょうか? 一定の周期で地中から地上へ熱湯を吹き出す温泉のことです。国内でもみられる場所は限られていますが、鳴子温泉郷の奥にある鬼首温泉(おにこうべ)でこの間欠泉をみられます。
間欠泉を見学できるのは、「鬼首かんけつ泉」という施設。園内には「弁天」と「雲竜」という二つの間欠泉があり、「弁天」は10分間隔で15mほど、「雲竜」は10~20分間隔で4~5mほどの温泉を噴出します。
■露天風呂、温泉卵作りコーナーもある!
間欠泉のほかにも、温泉の滝、足湯や手湯、露天風呂などがあるほか、温泉地の定番”温泉卵”をつくれるコーナーもちゃんとあります。
【鬼首かんけつ泉の基本情報】
所在地:
〒989-6941 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首吹上12
営業時間:
[4月下旬〜11月]
9:00〜16:30
[3月下旬~ 4月下旬]
10:00~15:00
休園日:
水曜日(GW、お盆、紅葉期間を除く)
※8月は、お盆期間(10日〜18日)を除く水曜日と木曜日休園
※12月~3月下旬は冬期休園
料金:
大人500円、小中学生200円、未就学児無料
アクセス:
<公共交通>
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から大崎市営バス鬼首線下りで30分、かんけつ泉下車、徒歩3分
<車>
・JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から車で約10分
・東北自動車道 古川I.Cより車で約50分
駐車場:
20台/無料
⑧ そうだ、地獄へいこう!「地獄谷遊歩道」
鬼首かんけつ泉のすぐ近くにある「地獄谷遊歩道」。地獄と聞くと荒涼とした風景を想像しますが、遊歩道の入り口は木々が生い茂る鬱蒼とした森。「なんだ、普通じゃないか。」そう思って足を進めていくと、突然視界を遮る白い湯気。
岩壁から湧き出た温泉が滝のように流れていたり、遊歩道の脇でがボコボコと泡ぶくが立つ”湯だまり”がみられたり、小規模な間欠泉(まんだら地獄)があったりと……なんとも異様な景観が広がっています。
■鬼首伝説が残る地獄谷
この地獄谷は「鬼首」という地名由来の伝説と、由縁ある場所。今から千年以上前の平安時代。大和政権(朝廷)は宮城県を含む東北地方を蝦夷(えみし)と呼び、支配下に置きたいと考えていました。そんな大和政権に反旗をひるがえしたのが、蝦夷の首領・大武丸。しかし蝦夷征夷のためやってきた坂上田村麻呂によって、斬首されてしまいます。その首がこの地に落ちたので「鬼首」と呼んだ、という伝説です。
戦場から逃げ延びた大武丸がこの地獄谷に入り、追手から逃れたのではないかと伝えられる「人追い地獄」と呼ばれる場所があり、昔は人を寄せつけないほど温泉が噴出したと言われています。
【地獄谷遊歩道の基本情報】
所在地:
〒989-6941 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首吹上16
営業時間:
なし
※冬季は積雪で自然閉鎖
料金:
無料
アクセス:
<電車>
東北新幹線 古川駅から陸羽東線に乗り換え「鳴子温泉駅」下車、大崎市営バス(鳴子温泉駅〜鬼首温泉 )に乗り、「かんけつ泉」下車徒歩2分
<車>
東北自動車道古川I.C→国道47号線・山形方面へ、鳴子温泉地域より国道108号で鬼首方面へ30分
駐車場:
無料/20台ほど
⑨ すだれ放流が美しい「鳴子ダム」
日本で初めて日本人の手だけでつくられた「鳴子ダム」。ダム天端(ダムの一番高い所、歩道になっている)を自由に散策できるほか、ダムの機能や鳴子ダムの歴史を学べる展示室、ダム湖を眺望できるテラスなどがあります。
また平日限定ですが、事前申し込み(1週間前)でダム操作施設などの見学が可能です。ダム見学に関する詳細・予約はこちら。
■ゴールデンウイーク、紅葉の時期がねらい目!
例年ゴールデンウイーク期間中に、雪解け水を利用した「すだれ放流」を実施。毎年多くの観光客が訪れるビックイベントです。またダムの堤体には鯉のぼりが飾られ、ダムの上を悠々と泳ぐ姿もみられます。
秋は鳴子ダム周辺の木々が紅葉し、青緑色のダム湖とのコントラストが素晴らしい
【鳴子ダムの基本情報】
所在地:
〒989-6806 宮城県大崎市鳴子温泉字岩渕2-8
営業時間:
8:00 ~17:00
料金:
なし
アクセス:
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」から約7分
東北自動車道 古川I.Cから約45分
駐車場:
無料・10台
⑩ 冬以外も楽しめる「オニコウベスキー場」
スキーと言えば”冬だけ”という印象も持たれる方も多いかもしれません。が、オニコウベスキー場は夏も楽しめるスキー場! ゴンドラに乗って標高1,100メートルの鍋倉山頂まで上ったり、釣り堀で釣った魚をその場で食べたり、ユニークな自転車に乗ったり、36ホールもあるパターゴルフ、プールの水面に浮かぶ透明な球体(アクアチューブ)に入りって水上を走る遊具など、子供から大人まで楽しめるアクティビティが充実しています。
■すぐ近くには吹上高原キャンプ場!日帰り温泉施設もあり
オニコウベスキー場から車で10分くらいの場所に「吹上高原キャンプ場」があります。一面芝生のフリーサイトですが、車両の乗り入れもOK。ほかにも電源付きのサイトや、愛犬家に嬉しいペットサイトもあります。日帰り温泉施設(すぱ鬼首の湯)も隣接しているため、初心者キャンパーにもオススメのキャンプ場です。
【オニコウベスキー場の基本情報】
所在地:
〒989-6941 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字小向原9-55
営業時間:
10:00~15:00
アクセス:
<車>
東北自動車道 古川I.Cから約50分
<公共交通>
JR陸羽東線「鳴子温泉駅」下車、 市営バス(鬼首線)に乗車し約40分「ペンション村」下車
駐車場:
無料・1,000台
<すぱ鬼首の湯>
営業時間:
[平日]10:00~18:00
[土・日]10:00~19:00
料金:
・1回大人600円、子ども(3歳~小学生)300円
・1日大人1,050円、子ども(3歳~小学生)500円
鳴子温泉グルメ「栗だんご」を食べよう!
老舗の餅店である「餅処 深瀬(ふかせ)」で売られている、鳴子温泉名物「栗だんご」。弾力あるモッチリした餅の中に、栗が丸ごとひとつ入っている贅沢な一品です。餅にかかっているのは、醤油風味のみたらしあん。甘じょっぱいみたらしあんをからめて、栗入りの餅をいただきましょう。
【餅処 深瀬の基本情報】
所在地:
大崎市鳴子温泉湯元24-2
営業時間:
8:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日:
不定休
アクセス:
JR鳴子温泉駅から徒歩約2分
駐車場:
なし
温泉郷ならではの観光スポットがたくさん!
千年以上の歴史をもつ鳴子温泉郷。温泉神社や間欠泉、地獄谷など、温泉に由縁のある観光スポットがあるのも鳴子温泉郷ならでは。足湯用のタオルを忘れずに!
紅葉の名所も多く、秋に足を運ぶのオススメです。冬季は道路が閉鎖される場所もあるため、事前に調べていきましょう。