こちらの中座敷は番所で検問を行った境目守の部屋だったようです。
右手の廊下に回ると奥にはさらに部屋がありました。
そしてさらに進むと隠し部屋と書かれた立て札と階段が! 隠し部屋なんてわくわくしてしまいますね。
急な階段を上ると板張りの部屋が。 2階にあたりますがここでも天井が高く、広々としていました。
座敷を裏手から回って入口に戻ると、囲炉裏の向こう側には土間がありました。
その先にも部屋があったので覗いてみると……。
ここは駈落者(かけおちもの)の調べ室。
駈落者とは重税や犯罪などを理由に行方をくらました人を指します。ここでは番所を通って他藩に逃げる人を取り調べしていたのでしょう。
ここに展示してあったのがこちらの高札。高札とは古くから明治時代初期にかけて法令を板面に記し掲示して民衆に周知させたものです。
この高札は1868年(明治元)3月に会津藩討伐と東北の鎮圧を目的に設置した機関「奥羽鎮撫総督府(おううちんぶそうとくふ)」の九条道孝が仙台藩に命じて掲げさせたもので、キリスト教の信仰を禁止すると書かれています。150年以上前のものですが、まだうっすら字が残っているのがわかります。
役宅を出て右手には馬屋跡、正面には検断所が。ここに関所守が常駐し、関所手形を調べていたのだそう。
ここで寒湯番所の見学はおわりです。
【仙台藩花山村寒湯番所跡の基本情報】
住所:
宮城県栗原市本沢温湯12‐1
開館時間:
4月~11月 9:00~16:30
休館日:
12月~3月は閉館
入館料:
一般 210円
小中高生 110円
アクセス:
【公共交通の場合】
JR東北新幹線「くりこま高原」駅よりタクシー約50分
【クルマの場合】
東北自動車道「築館」IC または「若柳金成」ICより約50分
駐車場:
隣にある「花山温泉 温湯山荘」の駐車場(無料)利用可
隣に建つ「花山温泉 温湯山荘」で一息
寒湯番所の隣には、藩政時代にも湯宿として栄えた「花山温泉 温湯山荘」があります。
花山温泉の名湯は、肌がしっとりすべすべになる「美肌の湯」としても知られています。
泉質は低張性弱アルカリ高温泉で、神経痛、筋肉痛、慢性皮膚病、慢性婦人病、リウマチなどに効果があるといわれています。
宿泊施設ですが、日帰り入浴も可能です。
【花山温泉 温湯山荘 の基本情報】
住所:
宮城県栗原市花山字本沢温湯15‐1
日帰り入浴可能時間:
10:00~18:00
※火曜は11:00~18:00
※日帰り休憩室の利用は10:00~15:00まで
日帰り入浴料:
大人 550円
小学生 300円
アクセス:
【公共交通の場合】
JR東北新幹線「くりこま高原」駅よりタクシー約50分
【クルマの場合】
東北自動車道「築館」IC または「若柳金成」ICより約50分
駐車場:
あり/無料
公式HP:
江戸時代の面影が残る仙台藩花山村寒湯番所跡
貴重な建築物として残る仙台藩花山村寒湯番所跡。役人の当時の生活を垣間見ることのできる施設になっています。新緑の季節に伺いましたが、秋は紅葉も見事なスポット! 見ごたえたっぷりなのでぜひ足を運んでみてください。