2022年も開催!「松島パークフェスティバル」
例年、松島町で開催される野外音楽祭「松島パークフェスティバル」。通称「松フェス」で親しまれ、2022年(令和4)で7回目の開催を迎えます。
演奏ステージは、日本三景の一つ松島。
プロ、アマ、ジャンル、年齢問わず、毎年全国から多彩なアーティストが出演し、松島を舞台に観客を盛り上げます。
町を挙げての大規模な音楽イベントですが、入場料などは一切かかりません。
たまたまその日松島観光に訪れ、聞こえてくる音楽に惹かれて松フェスに立ち寄る。そんな風に気軽に参加できる音楽祭です。
なぜ、松島パークフェスティバル?
松島パークフェスティバルという名前は、大正時代に建設され松島観光の礎「松島パークホテル」を参考にされたそうです。
また松島町への玄関口である「松島公園(グリーンパーク)」の活用も視野に入れ、そのような名称にされたんだとか。
略称で「松パフェ」とも呼ばれていた時期もありましたが、現在は通称「松フェス」で親しまれています。
松島パークフェスティバルは、なぜ始まったのか?
松島パークフェスティバル実行委員会が発足したのは、今から6年前の平成27年(2015)の1月。
実行委員長は松島町でホテルを経営する新田氏、副実行委員長にミュージシャンの佐藤氏が務め、2人を筆頭に「松島を音楽で元気にしたい」という想いを抱く有志が集まり、松フェスが誕生しました。
2015年、松島で起きた2つの出来事
松島フェスの歴史が幕を上げた、平成27年(2015)。この年は、松島で2つの大きな出来事がありました。
1つは昭和2年(1927)に開園し、88年間続いたマリンピア松島水族館の閉館。そして平成23年(2011)に発生した東日本大震災以降、4年3カ月もの期間不通となっていたJR仙石線の全線再開(高城町駅~矢本駅間の復旧)です。
宮城の元気を発信していく
実行委員は、この出来事に期待と不安を抱えながらも、これからの松島の「復興・発展」と共に成長して行ける音楽祭となることを願い、その第一歩を踏み出します。
仙石線全線再開を記念し、改めて松島から「宮城の元気」を発信!
また全国からお寄せいただいた支援に感謝の気持ちを伝えることができるようなイベントを開催したい!
そんな想いから、平成27年(2015)6月13日(前夜祭)と6月14日に、記念すべき第1回松島パークフェスティバルが開催されたのです。
この記事では、第1回目となる「松島パークフェスティバル2015」の前夜祭から、第6回の「松島パークフェスティバル2021」までの松フェスを振り返ってみようと思います。
第1回「松島パークフェスティバル 2015」
前夜祭
2015年6月13日(土)、閉館したマリンピア松島水族館跡地にて松島パークフェスティバル2015前夜祭が行われました。
この日に開催されたのは、宮城出身アーティストの幹miki、伊東洋平、CHEAP PURPLEやプロミュージシャンの坂本サトル、LINDBERG、岸田繁(くるり)、森重樹一(ZIGGY)による一夜限りのスペシャルライブ。
出店も多く、前夜祭フィナーレでは、ミュージシャンと参加者が一緒に遊覧船で松島湾内をクルージングするという企画もありました。(敬称略)
松島パークフェスティバル 2015
翌日の2015年6月14日(日)、花火の合図とともに第1回目となる「松島パークフェスティバル2015」がスタート!
ステージは全部で9ステージが設置され、出演者は総勢84組304名での開催でした。
じつは筆者、この日マリンピア松島水族館跡地ステージにて、某バンドのギターとして参加しました。
水族館内で鳴らす爆音はエコーがよく効いていて、まるで巨大なお風呂で演奏しているかのような気分になったのを、今でも覚えています。今は無き松島水族館ですが貴重な体験でした。
観光で松島を訪れた方々はもちろん、出演者、スタッフも全員が楽しみ、松島の街が音楽であふれた一日となったと思います。
第2回「松島パークフェスティバル 2016」
「松島パークフェスティバル2016」は、2016年5月22日(日)に開催されました。全12ステージ設置され、出演者・総勢117組450名が参加。
この年から高校生専用ステージが設置されました。その名も「松島パークフェスティバル2016 High School Stage」。
高校生のバンドパワーは、元気いっぱいで目を見張るものがありました。
松島パークフェスティバル2016ではスタンプラリーが開催され、クリアすると先着150名が無料で松島湾クルージング&ライブが行われるフィナーレステージに参加できました。
遊覧船は多くの参加者で盛り上がり、音楽に耳を傾けながら松島湾の景色も楽しむ、一夜限りの素敵なひと時を過ごせたことでしょう。
第3回「松島パークフェスティバル 2017」
前夜祭
2017年5月27日(土)「松島パークフェスティバル2017前夜祭」は、松島石田沢防災センターの特設ステージにて開催されました。
さとう宗幸、ティーナ・カリーナ、天地人、坂本サトル、伊東洋平のプロミュージシャンによるスペシャルライブが催され、大勢の観客で賑わいました。(敬称略)
「松島パークフェスティバル 2017」
翌日2017年5月28日(日)に、「松島パークフェスティバル2017」が開催されました。全13ステージで出演者・総勢157組520名が参加。
なかでもスペシャルゲスト、「とみやマーチングエコーズ」の大所帯マーチングバンドは圧巻でした!
3回目の開催となった「松島パークフェスティバル2017」は、日本三景松島がステージとなる音楽祭として、街歩きと音楽が楽しめる大規模なフェスとなっていきます。
第4回「松島パークフェスティバル 2018」
前夜祭
2018年5月26日(土)「松島パークフェスティバル2018前夜祭」は、2017年と同じ松島石田沢防災センターの特設会場にて開催。
ご当地アーティストによるライブが行われました。
「松島パークフェスティバル 2018」
2018年5月27日(日)「松島パークフェスティバル2018」も、昨年とほぼ同じ規模の総勢150組超えで開催。
スペシャルゲストにギタリストの吉川忠英、坂本サトル、柴田三兄弟他を迎えてスペシャルライブが行われました。
松フェス実行委員のスタッフと松島高校の生徒さんがミヤギテレビの「OH!バンデス」に出演。開催の一週間前から、松フェスの宣伝に力を入れられていました。(敬称略)
第5回「松島パークフェスティバル 2019」
前夜祭
2019年5月25日(土)「松島パークフェスティバル2019前夜祭」も、昨年と同じ松島石田沢防災センターの特設会場で開催。
恒例の松島湾ライブクルーズも行われ、坂本サトル、吉川忠英、大間仁世、ティーナ・カリーナによるスペシャルライブが行われました。(敬称略)
「松島パークフェスティバル 2019」
翌日2019年5月26日(日)「松島パークフェスティバル2019」は、全15ステージが設置され、昨年を上回る出演者で過去最大規模の開催となりました。
当時のポスター&フライヤーは、なんと!松島中学校美術部の生徒さん達が原画のデザインを担当。
本祭フィナーレでは、仙台出身のミュージシャン・稲垣潤一、他を迎えて瑞巌寺本堂でスペシャルライブが開催されました。(敬称略)
この頃には、松フェスは松島町を代表する一大イベントとなっていました。
また宮城県復興支援・伝承課が発行する広報紙「NOW IS.対談 in 松島」で実行委員長・新田氏と稲垣潤一氏との対談が「みやぎ復興情報ポータルサイト」に掲載されています。
「松島パークフェスティバル 2020」中止
第6回目の開催となる予定だった「松島パークフェスティバル2020」。当初、2020年5月23日~24日に開催を予定していました。
しかし、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、2020年の開催を8月22日〜8月23日に延期。その後、5月に実行委員会は開催中止を発表します。
既に松フェス2020予告編の動画やボランティア、出演者の募集及び出演決定通知の発送がすべて終わっていた状況でした。
筆者個人の意見としては、当時はやむを得ない状況でしたので、実行委員会は英断を下したと思っております。
実行委員長・新田氏の「また一から準備します。来年こそ松島でお会いしましょう!」の言葉に来年は、うちのバンドで参加したいと強く思った日でもありました。
第6回「松島パークフェスティバル 2021」
2021年10月17日(日)昨年は中止となり、2年ぶり第6回目の開催となる「松島パークフェスティバル2021」。ポスターは松島中学校美術部の生徒さんとのコラボ企画だったそうです。
今年の出演応募はとくに多かったようで、通常の出演枠が約70組のところ130組を超える応募があったとか。
しかし、実行委員会は新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため通常規模での開催は困難と判断。出演者の選出を抽選とします。
抽選状況はYouTubeで生配信され、厳正公平なる抽選が行われました。ちなみに筆者のバンドも応募しましたが抽選から外れています。
ステージは松島の限定地区に11ステージを設置。出演者は高校生12組を含む、99組での開催となりました。
「松島パークフェスティバル」2年ぶりの開催
筆者の個人的感想ですが、今回は例年通りの開催規模ではなかったものの大成功だったと思います。
ステージを特定の位置に限定し、入口ゲートを3カ所設け手指の消毒や密にならないよう注意するなど、徹底した新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止対策をしていました。
「松フェス」は自然と歴史ある風光明媚な日本三景松島の地で、出演者も訪れた人も参加者全員が楽しめる音楽祭です。
2年ぶりの開催は街全体が活気に満ち、元気を取り戻していくような感じがしました。
やはり音楽の力はすごい! 筆者自身、この日はいつもとは違った特別な一日となり来年も参加したいと強く思いました。
2021年の開催にあたり…松島パークフェスティバル実行委員会よりメッセージ
松フェス2021は2年6か月ぶりの開催、風雨の中の準備、新型コロナウィルス感染症の対策など、私たち実行委員会にとって少々不安な滑り出しとなりました。
しかし、来場者の皆さんは新型コロナウィルス感染症対策にとても協力的でした。そして、各ステージから元気の良いMCが発せられて演奏が始まった頃には、雨も上がっていました。
決して良いコンディションでは無かったのに、多くの出演者から「開催してくれてありがとう」、「みんなと久しぶりに会えた」、「寒かったけどとても楽しかった」など、有難い言葉があちこちから届けられました。
開催自体を疑問視する声も頂きましたが、実行委員会が半年以上に渡って開催に向けて準備してきた事が報われた瞬間でした。
また、私自身、自転車でパンフレットを運んだり、発電機に燃料補充したりと県立松島公園内を走り回っておりましたが、皆さんの沢山の笑顔に触れ、感極まりそうになりました。
音楽フェスは、出演者、来場者、そしてボランティアと私たち実行委員会が一体となって完成されるものだと改めて実感しました。
今年は行政はじめいつも以上に多くの方からサポート頂きました。
松フェスに関わって頂いたすべての皆様に心より感謝申し上げます。 そして、このようなメッセージを発する機会を作って頂いた「GOGO MIYAGI」編集部の皆様、本誌ライターであり音楽の先輩でもあるstingrayさんありがとうございます。
最後になりますが、新型コロナウィルス感染症により多くの方の命や健康が損われた事に心よりお見舞い申し上げます。
松島パークフェスティバル実行委員会
委員長 新田 一修
編集部後記
新型コロナウイルスの感染拡大により、これまで私たちが当たり前のように享受していた日常が一変しました。
不要不急の外出自粛、飲食店の時短営業、イベント開催の制限など、命を守るために日常の中の「楽しみ」を制限せざるを得ない、そんな日常が当たり前となりました。
そんな中、2年の月日を経て復活した「松島パークフェスティバル」。
来場者全員に、マスクや手指消毒用のアルコール用品などが、無料で配布されました。ステージ周辺での飲食は禁止され、もちろん販売なども一切ありません。
密にならないよう声掛けしている姿も、何度か目に留まりました。
また出演するアーティストからも「歓声の代わりに拍手を」と声がかかり、1曲が終わるごとに温かい拍手が鳴り響きました。
また音楽に合わせて体を揺らしたり腕を上げたり、声を出さずとも楽しもうとする観客の方々も印象的でしたね。
観客とアーティストがお互いに協力しながら、例年とは違う松フェスの音楽を楽しんでいる。そんな温かい雰囲気を感じました。
また来年、「松島パークフェスティバル」に参加できる日を心より楽しみにしております!
松フェスの最新情報は、下記のホームページをご確認ください。