GOGO MIYAGI! > 歴史・史跡 > 「国宝 瑞巌寺」春の特別ツアー2022の体験レポートをお届け!

「国宝 瑞巌寺」春の特別ツアー2022の体験レポートをお届け!

日本三景で有名な松島町にある、伊達政宗公の菩提寺「国宝 瑞巌寺」。現在、松島宿泊者限定の特別企画「春の特別ツアー2022」が開催されています。この記事では、通常拝観ではみられない襖絵、立ち入り禁止の部屋への入室など、特別ツアーの様子を写真多めで紹介します。

アイキャッチ画像:撮影 筆者
記事中画像:撮影 筆者(瑞巌寺監修)

瑞巌寺「春の特別ツアー」とは?

瑞巌寺 春の特別拝観ツアー20222022年(令和4)3月1日(火)~4月15日(金)の期間限定で開催されている「国宝 瑞巌寺」春の特別ツアー。

通常拝観終了後の時間に、瑞巌寺僧侶に案内していただきながら、普段立ち入ることができない部屋を見学したり、襖絵や室内の造りを間近で拝観できるツアーとなっています。

 

この記事では、実際に参加した筆者がツアーの様子を紹介します。

通常拝観後に、春の特別ツアーがスタート!

瑞巌寺 僧侶 

一般の通常拝観時間終了後に、特別ツアーがはじまります。

筆者が参加したのは、2022年3月3日(木)。今回の参加者は、筆者を含めて6名。地元のテレビ局も取材に来ていました。

 

はじめに、瑞巌寺の来歴について説明があります。瑞巌寺の正式名称は「松島青龍山瑞巌円福禅寺(しょうとうせいりゅうざんずいがんえんぷくぜんじ)」。現在は、臨済宗妙心寺派に属する禅宗寺院です。

瑞巌寺 参道

瑞巌寺の公式ウェブサイトでは、瑞巌寺を3Dで体感できる360度映像を公開しています。この記事と一緒に見ると位置関係がわかりやすいので、ぜひチェックしてみてくださいね。

瑞巌寺|3Dツアー

国宝の「庫裡」へ

 瑞巌寺 庫裡  工事中.

まず案内されたのは、国宝に指定されている「庫裡(くり)」です。禅宗寺院の台所にあたります。

瑞巌寺 庫裏

切妻本瓦葺の屋根の上には、入母造の煙出し(煙突)が乗せられています。
台所という実用的な建物ですが、唐草や花肘木の彫刻が施されていたりと、政宗公の美意識を感じられる外観も必見です。

瑞巌寺 庫裏と本堂を結ぶ廊下

僧侶案内のもと、廊下を進み本堂へ。庫裡と共に、この廊下も国宝に指定されています。

「本堂」の各部屋へ

瑞巌寺 本堂内

いよいよ瑞巌寺の本堂内に入ります。まずは最初に案内されたのは、「松の間」と呼ばれる部屋です。

松の間

瑞巌寺 本堂 松の間

松の間は、茶道衆の詰め所として使用された部屋。茶道衆は茶事をつかさどり、給仕や接待を行う役割を担っていたそうです。

襖絵は、松や桜の間に尾長・鳩・雀などが描かれた「松桜図(まつさくらず)」。狩野左京の弟子達による合作と伝えられています。 目が覚めるような金箔に、大きな松と桜が美しく描かれていました。

 

次は、となりの「鷹の間」へ向かいます。

普段立ち入れない「鷹の間」へ

瑞巌寺 本堂 鷹の間

鷹の間は、伊達家重臣の控えの間であり、別名「礼の間」とも呼ばれています。
襖絵は狩野左京の弟子・九郎太によるもの。今回のツアーでは、鷹の間へ入室することができ、襖絵を間近で鑑賞することができました。

瑞巌寺 本堂 鷹の間 襖絵

鷹の間の襖絵には、伊達武士への戒めが描かれているそうです。どのような戒めかというと……

瑞巌寺 鷹の間 鴨の襖絵

こちらは、鷹が鴨を捕らえた襖絵。「カモにされるな」という教えを表現したものだそうです。

瑞巌寺 鷹の間 鷺の襖絵

こちらは、鷹が鷺(さぎ)を捕らえている襖絵。これは「詐欺を働くな」という教えだそうです。

 瑞巌寺 鷹の間 襖絵

こちらの襖絵は、穴に入っているウサギを鷹が狙っている姿が描かれています。狡兎三窟(こうとさんくつ)といい、「ウサギは三つの窟を持つことで死を免れた。身の安全、保全のために、いくつかの避難場所や避難策をしっかり用意すること」という意味があるそうです。

 

続いては、となりの室中(孔雀の間)へ進みます。

普段立ち入れない「室中(孔雀の間)」へ

瑞巌寺 室中孔雀の間

室中(孔雀の間)は、法要が営まれる本堂の中心となる部屋です。襖絵は仙台藩最初のお抱え絵師・狩野左京(佐久間修理)による「松孔雀図(まつくじゃくず)」。こちらの部屋も入室することができました。

室中孔雀の間 天井

顔を上げて、天井(室内の上面)に注目してみます。

こちらは「二重折上小組格天井(にじゅうおりあげこぐみごうてんじょう)」と呼ばれる天井で、通常より天井面を2段高くした折上という意匠を凝らし、さらに細かい四角状の格子を組んでいます。

これらの繊細な装飾は、室中(孔雀の間)の格式の高さを示してます。

通常拝観では見られない「襖絵」

室中孔雀の間 襖絵

ツアー参加者は、写真中央にある4枚の襖に全集中!

こちらの襖、通常拝観時は開かれてるため、襖絵全体を見ることができません。

室中孔雀の間 開かれた襖

普段の襖を開けた状態がこちら。今回のツアーがいかに特別だということを、お分かりいただけると思います。

室中孔雀の間  彫刻

襖の上にも注目してみます。こちらは「雲に飛天」の彫刻と、虹梁(こうりょう)の※迦陵頻伽(かりょうびんが)の絵画で、1621年(元和7)前後に彩色されたもの。その後の修理でも、彩色塗り直しはなく現在に至っています。
彫刻と絵画とともに、この部屋が「此の世の浄土」を具現化した空間であることを示しているそうです。

※迦陵頻伽……上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物。極楽浄土にすむ。

室中孔雀の間 春夏秋冬の襖絵

室中(孔雀の間)は、四つの季節が同時に存在することで、世俗的な時間を超越した場所であることを表現しているのだそう。

 

続いては、室中(孔雀の間)の奥にある仏間に入ります。

仏間を間近で拝観

室中孔雀の間 仏間 位牌

「室中(孔雀の間)」の奥に位置する仏間は、通常だと廊下からの拝観となります。今回のツアーでは、間近で拝観することができました。

左手から順に、瑞巌寺の三代開山木像、歴代住職の位牌が安置されています。

伊達政宗公の位牌

こちらは伊達政宗公の位牌。「瑞巌寺殿前黄門貞山利公大居士神儀」と刻まれています。

瑞巌寺 ご本尊の聖観世音菩薩像

仏間の中央の最上段の奥扉には、ご本尊の聖観世音菩薩像(しょうかんぜおんぼさつぞう)が安置されていました。

瑞巌寺 仙台藩藩主 伊達家 位牌

ご本尊の右手には、仙台藩2代藩主・伊達忠宗公から12代藩主・伊達斉邦(なりくに)公までの位牌が安置されています。

 

室中(孔雀の間)をあとにし、となりの文王の間へ向かいます。

普段立ち入れない「文王の間」へ

瑞巌寺 本堂 文王の間

文王の間は、伊達家御一門(親戚)の控えの間。藩主との対面の場として重要な役割を持つ部屋になります。

奥に見えるのが上段の間です。普段は立ち入れませんが、入室することができました。

瑞巌寺 文王の間 正面

襖絵は長谷川等伯(はせがわ とうはく)の高弟、長谷川等胤(とういん)による「文王呂尚図(ぶんおうろしょうず)」。

理想の国家「周王朝」の基礎を築いた文王と名補臣・太公望(呂尚)の出会いや、国都・洛陽の繁栄、狩猟の場面が描かれています。

瑞巌寺 文王の間 襖絵をみる人々

「せっかくですので、良かったらもっと近くでご覧ください」と案内され、こんなにも近くで見ることができました。こちらの襖も、通常は開かれているため、襖絵全体を見ることはできません。

普段立ち入れない「上段の間」へ

瑞巌寺 上段の間

上段の間は、別名・御成りの間(おなりのま)と呼ばれる藩主の部屋です。畳が一段高くなっており、明かり取りの火頭窓、違い棚、右手には帳台構が設けられています。

 

襖絵は「四季花卉図(しきかきず)」で、平和と豊かさを表しています。床の間の「梅竹図」は、藩主の資質として理想とされる高潔と清操を表し、帳台構の「牡丹図」は富貴を表しているそうです。

伊達政宗甲冑倚像復元像の記念撮影!

伊達政宗甲冑倚像復元像

こちらは伊達政宗甲冑倚像復元像。なんと、ほぼ実物大なんだそうです。ツアーでは、特別に真正面から撮影することができます。政宗公とのツーショットも夢ではない!

伊達政宗公 瑞巌寺

甲冑倚像の背後にある火頭窓の上には、「圓満」の額がかかげられています。こちらは 5代藩主・伊達吉村公の筆によるものだそうです。

 

次は、左手にある上々段の間へ。

上々段の間

瑞巌寺 上段の間 本堂天皇、皇族をお迎えするためにつくられたと伝わる「上々段の間」です。上段の間よりも、畳面がさらに一段高くなっています。付書院(縁側に張り出した出窓)と、上段の間より大きな違い棚が設けられていました。

瑞巌寺 本堂 上々段の間 天井

違い棚の「紅白椿図」に描かれた大椿は、皇室の永久の繁栄を願ったもの。1876年(明治9)明治天皇の東北御巡幸の際、瑞巌寺が行在所となり、この「上々段の間」に宿泊されたそうです。

瑞巌寺 本堂 上々段の間 天井

上々段の間の天井は、折上小組格天井(おりあげこぐみごうてんじょう )というもので、天井の格子が花菱(菱形の周囲を花弁の形にしたもの)格子となっています。

 

次は、ここから一旦部屋を出て御成玄関へ。

御成玄関

瑞巌寺 御成玄関

御成玄関(おなりげんかん)は、本堂の南西端に接続する天皇や皇族、藩主専用の玄関です。折れ曲がっている形状から「乙字型玄関」とも称されているそうです。

 

廊下を進み、羅漢の間へ向かいます。

羅漢の間

瑞巌寺 羅漢の間

羅漢(らかん)の間には、伊達政宗公の殉死者20名と、2代藩主・忠宗公の殉死者16名の位牌が祀られています。

この部屋だけ障壁画の制作年代が異なっているそうで、本来は納戸として使用したのではないかと考えられています。障壁画「十六羅漢図」は、1877年(明治10)頃の制作で、狩野左京の末裔である佐久間得楼の筆によるものだそうです。

 

続いては、となりの墨絵の間へ。

墨絵の間

瑞巌寺 墨絵の間

墨絵の間は、住職や僧侶の控えの間。応接室だったともいわれています。絵師は吉備幸益(きびこうえき)で、本堂内唯一の水墨画。当時のままの貴重な原本です。

瑞巌寺 墨絵の間 天井

墨絵の間の天井は、角材を格子に組み、その上に板を張った格天井(ごうてんじょう)と呼ばれる造りをしています。天井は、各部屋の格式によって異なっているので、ぜひ注目してみてください。

 

墨絵の間の角を右手に折れ、菊の間へ向かいます。

菊の間

瑞巌寺 本堂 菊の間

菊の間は、御典医(ごてんい)の詰め所として使用された部屋です。御典医とは将軍家や大名に仕えた医師のこと。

襖絵の絵師の「菊図」は、狩野左京一門の筆によるもので、菊が薬草として珍重されてきたことに由来しているそうです。

 

本堂の拝観はここまで。出入口の庫裡へ戻ります。

庫裡守護神

庫裡守護神

出入口の手前に祀られている庫裡守護神。中央に韋駄天、右に毘沙門天、左に大黒天が祀られています。

瑞巌寺128世の筆「関」

瑞巌寺128世の筆「関

庫裡守護神があるフロアにある瑞巌寺128世五雲軒・隆芳全昭による筆が展示されていました。最後に今回の特別ツアー限定の御朱印を紹介します。

春の特別ツアー限定御朱印

瑞巌寺 特別拝観 御朱印

最後に、今回の特別ツアー限定の御朱印を紹介します。

限定御朱印には、松島と政宗公を連想させる三日月が描かれていました。下は、今回の特別拝観ツアーのチケットです。

瑞巌寺の基本情報

住所:

宮城県宮城郡松島町松島字町内91

アクセス:

【公共交通の場合】

JR仙石線「松島海岸」駅より徒歩約10分

【クルマの場合】

三陸道「松島海岸」ICより約15分

駐車場:

なし

ツアーへの参加方法:

対象施設のホームページ等から直接の申し込みます。詳細は下記の公式HPより確認してください。

瑞巌寺|公式

春の特別ツアーは2022年4月15日(金)まで!

瑞巌寺が企画した春の特別ツアー。松島町内宿泊施設の宿泊者限定で、平日のみの開催となっています。貴重な襖絵などを至近距離で拝観でき、伊達政宗甲冑倚像復元像との記念撮影もできるという、一般公開では絶対に体験できない特別なツアーでした。

 

今回の取材では、瑞巌寺の僧侶の皆様に大変お世話になりました。また拝観に訪れたいと思います。ありがとうございました。

この記事を読んだ人におすすめ

※掲載されている情報は最新のものとは限りません。現地にお越しの際には必ず施設の公式サイトもご確認ください。

瑞巌寺 室中孔雀の間
このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう

関連するおススメ記事

stingray
stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力を地元目線でお届けいたします。

GOGO MIYAGI! > 歴史・史跡 > 「国宝 瑞巌寺」春の特別ツアー2022の体験レポートをお届け!