小原温泉について
小原温泉(おばらおんせん)がある白石市は、仙台から車でおよそ30分。仙台藩初代・伊達政宗の右腕として名を馳せた、片倉小十郎の居城「白石城」で知られています。春は「白石川堤一目千本桜」で有名ですね。
小原温泉はそんな白石市の市街地から、車で20分ほど離れた山間部に位置しています。白石川が流れるV字型の渓谷沿いにあり、2軒の温泉宿と1軒の共同浴場から成り立つ小ぢんまりとした温泉地です。
周囲は南蔵王の山々に囲まれており、都市部の喧騒から隔離されれています。静かにゆっくりと休みたい、という方にはうってつけの温泉地です。
”目には小原”といわれる名湯
昔から「目に小原」と言われるほど、奥羽の薬湯として評判でした。戦前・戦時中の医者不足の時代には、目を患った湯治客が押し寄せたそうです。泉質の効能は、今でも変わっていません。
泉質は日本で一番多い「単純泉」。クセがなく刺激も少ないため、体の弱い方でも入浴しやすい温泉です。眼病以外では、胃腸病や打撲傷、婦人病、神経痛、疲労回復などに効能があるとされています。
悲劇の英雄、源義経の家臣が発見!?
今から800年以上前の平安時代後期、源義経の家臣・※常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)によって、小原温泉は発見されたと伝えられています。この常陸坊海尊というお方は、悲劇のヒーロでおなじみ源義経の忠臣だった人物です。
義経は承安4年(1174)の東下り(都から奥州平泉へ向かう)や、治承4年(1180)の鎌倉行き(治承・寿永の乱)の際に現在の白石市辺りを通っており、小原温泉をはじめ義経家臣たちの伝承が残っています。
伝承によると温泉を発見した海尊は、村人に温泉利用を勧めるだけでなく、自らも毎朝白石から往復して入浴したそうです。その後の文治5年(1189)、衣川の戦い(ころもがわのたたかい)で義経は自害します。しかし海尊は生き延び、不老不死となって人々に源平合戦の物語を語り続けた……と伝えられています。※諸説あり。
小原温泉の宿・共同浴場
2軒ある宿では日帰り入浴も可能です。また市が運営する共同浴場もあるので、温泉だけでも浸かりたい、という方にもオススメ。
渓流に面する宿「ホテルいづみや」
シャワーはもちろん、部屋備え付けのお風呂、洗面所の蛇口からでるお湯もすべて小原温泉100%源泉! ろ過・過熱・循環を一切してない天然そのもの。
白石川を望む露天風呂が自慢。耳をすませば渓流のせせらぎが聞こえてきます。
営業時間:12:00~21:00
入浴料:500円
問い合わせ:0224-29-2221
自然に囲まれた露天風呂「旅館しんゆ」
文久3年(1863)開湯し、小原温泉郷の玄関口に位置する閑静な宿。2種類の源泉をひとつに合泉したお風呂で、美肌効果や神経痛、胃腸炎、婦人病、疲労回復などに効能があります(加水なし)。
露天風呂は旅館から少し離れた場所にあり、自然に囲まれた環境で入浴を楽しめます。
営業時間:10:00~15:00
※事前に旅館へお問い合わせください。
入浴料:500円
問い合わせ:0224-29-2321
岩風呂 かつらの湯
小原温泉を流れる白石川沿いに建つ、市営の共同浴場です。湯舟は男女別で、大人(高校生以上)200円で入浴できます。泉質は低張性弱アルカリ性の単純温泉。
岩壁の下に湯舟を掘った岩風呂で、洞窟風呂のような自然の趣があります。脱衣室は畳二畳もないくらいのスペースなので、荷物は最低限にしておきましょう。
※貴重品のコインロッカーあり。
営業時間:8:00~18:00(無休※臨時休業あり)
入浴料:200円
問い合わせ:0224-22-1321
小原温泉の観光スポット
まずは小原温泉郷から徒歩圏内で行ける、観光名所をご紹介します。
① 紅葉の隠れ名所「小原温泉遊歩道(碧玉渓谷)」
白石川がつくりだしたV字型の渓谷「小原渓谷」沿いを散策する遊歩道です。全長約1.8kmあり、所要時間はおよそ1時間。道中には白糸の滝や、入道岩、かもしかの湯(足湯)、岩風呂などの見どころが盛りだくさん。紅葉の名所でもあり、秋は紅葉狩りを楽しむ人々でにぎわいます。
碧玉という名前は、小原渓谷の美しさに魅入られた明治の文豪・徳富蘇峰(とくとみそほう)が名付けました。
【小原渓谷/碧玉渓の基本情報】
10月下旬~11月上旬
所在地:
宮城県白石市小原
アクセス:
小原温泉から徒歩約5分
駐車場:
なし
② ハイキングの休憩に「かもしかの湯」
小原温泉奥の遊歩道入り口から、およそ15分歩いた渓谷沿いにある足湯です。昔はひと一人がなんとか入れるくらいの湯船でしたが、現在は板の蓋がされて足湯となっています。利用料はもちろん無料。24時間利用できるそうですが、夜間や冬場はキケンなので避けたほうが無難です。
【かもしかの湯の基本情報】
③ 日帰り温泉「岩風呂 かつらの湯」
先ほども紹介した「岩風呂 かつらの湯」。小原温泉遊歩道にあります。市営の温泉施設のため、大人200円というリーズナブルな価格も魅力的です。ちょい熱めの源泉かけ流しのお風呂なので、ササっと入ってサッパリしたい方にオススメ。
【岩風呂 かつらの湯の基本情報】
白石市小原字坂上66
営業時間:
8:00~18:00
休館日:
無休(臨時休業あり)
料金:
高校生以上200円。小中学生100円
泉質:
単純温泉
アクセス:
小原温泉旅館かつらやの駐車場より徒歩1分
④ シバザクラの名所「スパッシュランドパーク」
一年と通じて、四季折々の花を楽しめるレクレーション型総合公園「スパッシュランドパーク」。見どころは春にみられるシバザクラです。およそ12万5千株のシバザクラが、辺り一面をピンク色に染め上げ、観光客の目を楽しませてくれます。
ほかにも子供が遊べる遊具や全長約73mの吊り橋もあり、対岸にはプールや温泉、水着着用で入れる温泉ゾーンがあります。
【スパッシュランドパークの基本情報】
所在地:
白石市小原字西川久保18
営業時間:
24時間
休館日:
無休
料金:
無料
アクセス:
小原温泉旅館から、徒歩10分
詳細はこちら
小原温泉に近い観光地
小原温泉からほど近い観光地は、七ヶ宿か白石市になります。方向が反対なので、事前にどちらへ行くか決めておいたほうが良さそうです。
七ヶ宿町方面
七ヶ宿町(しちかしゅくまち)は小原温泉からさらに奥にある、宮城県と山形県の境に接してる町です。滑津大滝(なめつおおたき)をはじめ、七ヶ宿ダムやその下にある材木岩公園(ざいもくいわ)、長老湖(ちょうろうこ)など、自然を満喫できる観光スポットがたくさんあります。
七ヶ宿にある観光スポットは、こちらの記事で紹介!
白石城方面

小原温泉のある白石市には、かつて仙台藩を治めていた伊達家の家臣・片倉家の居城だった「白石城」があります。市内には水路、商家の倉、武家屋敷などが残っており、城下町だった当時の面影を感じさせます。
白石市の観光スポットは、こちらの記事で紹介!
体に溜まった疲れを、小原温泉で癒そう!
昔から眼病に効果があると評判で、“奥羽の薬湯”とも呼ばれていた小原温泉。山間部にあるため、街の光や騒音も届きません。日常と離れた静かな世界で、温泉に浸かりながらゆっくり体を休めませんか?