「材木岩」をかんたん解説!なぜ岸壁が木材に見えるのか

2020/05/13 更新

宮城県の南部、白石市と七ヶ宿町の境目にある「材木岩(ざいもくいわ)」。木材を立てて並べたようにみえる岸壁は、柱状節理という自然現象が生み出した奇跡の絶景です。そんな材木岩について、わかりやすく簡単に解説。あわせて寄りたい、観光スポットもご紹介します。

アイキャッチ画像出典:PIXTA

国指定の天然記念物「小原の材木岩」

材木岩

出典:PIXTA

「小原の材木岩(おばらのざいもくいわ)」は、東北自動車道 白石I.Cから車で30分ほど、白石市と七ヶ宿町の境目である七ヶ宿ダムの下流沿いにあります。この一帯には国指定の天然記念物である小原のヒダリマキガヤや小原のコツブガヤが自生していたり自然豊かなエリアです。

 

またヨコグラノキが材木岩の対岸の絶壁で発見され、材木岩周辺はヨコグラノキが自生する北限地帯として認められています。

「材木岩」とは何なのか?

材木岩

写真提供:宮城県観光課

材木岩は何百万年前という太古、地表近くに噴出したマグマが冷え固まることでできた火山岩。

 

幅は約100m、高さは約65m(20階前後のマンションぐらい)もあり、巨大な一枚岩のような景観は見る人を圧倒させます。

材木岩 柱状節理

出典:写真AC

木材が並んだようにみえる断面は”柱状節理(ちゅうじょうせつり)”と呼ばれる割れ目です。マグマが冷え固まる際、温度の低下とともに溶岩の体積が収縮することで表面にヒビが入り、ヒビに沿って縦に割れ目が入り柱状になります。

 

小原の材木岩の場合、柱状になった岩の高さが65メートルほどあり、それが100メートルほど横にずらりと並んでいるのです。

東尋坊

出典:写真AC

割れ目(柱状節理)は、正六角形や正五角形などの規則正しい形をしているのがほとんど。兵庫県の玄武洞や福井県の東尋坊などが有名ですね。

材木岩にまつわる不思議な伝説

木材でなにかをつくる人-tile

作成:編集部(いらすとや

材木岩にはこんな伝説もあります。昔、不動堂を一夜で建てようとした飛騨の工匠(ひだのたくみ)がいました。ところが夏の夜はあまりにも短く、あともう少しのところで夜が明けてしまいます。あきらめた工匠は、木取りをした材木を全て捨てて去ってしまいました。

 

その後捨てられた材木が、白石川の左岸で岩と化したのが「材木岩」という伝説です。山の神は今もこれを惜しみ、洪水があると村境でとどめているとか。

天然冷蔵庫「材木岩の氷室」も必見!

かいこ 繭玉

出典:PIXTA

材木岩がある小原地区は明治時代に養蚕、製糸業が盛んでしたが、養蚕に必要な蚕種(さんしゅ/蚕の卵)をつくれず、福島県から取り寄せていました。

 

ところが明治13年、古山長吉氏が”天然の風穴”(ある地点だけ一年中冷風が噴きだす自然現象)を発見。この自然現象を利用して蚕種貯蔵施設をつくり、蚕種の保存に成功します。これが自然の冷蔵庫、材木岩氷室です。

 

材木岩の氷室は材木岩公園内にあり、室内の見学が可能(無料)。中に入ると、冷気が噴出しているためヒンヤリしています。真夏に訪ねてみるのがオススメです。

 

【材木岩公園の基本情報】

所在地:〒989-0233 宮城県白石市小原上台

営業時間:

氷室のみ9:00~16:30

定休日:

氷室のみ12月1日~翌年2月28日まで
アクセス:

<車>

東北自動車道 白石I.Cで降り、国道4号・113号線、県道46号線(七ヶ宿街道)を経由し、約30分

<電車/バス>

JR東北本線「白石駅」より白石市民バスきゃっするくん(小原線)に乗り約30分、「材木岩公園」下車もしくは「江志前」下車徒歩10分

駐車場:

あり/無料/79台

材木岩の詳細ページはこちら

四季折々のイベント

続いては材木岩のある「材木岩公園」で開催される、四季ごとのイベントをご紹介します。

春(4月下旬~5月初旬)

 

材木岩の桜

出典:PIXTA

材木岩の鯉のぼり

写真提供:白石市・蔵王町

材木岩の春を祝う「春の検断屋敷まつり」。この祭りの特徴は白石川の真上に吊るされた、鯉のぼりの吹き流しと桜の景色。全国から寄せられた鯉のぼりが風になびく姿は、まるで白石川を泳いでいるよう。しかもその数は、約800匹ほど!

 

材木岩公園内ではイベントも開催され、地元民による「よさこい踊り」や和太鼓演奏、カラオケやゲームなどの各種イベントで賑わいます。

 

夏の検断屋敷まつり(8月上旬)

材木岩の夏の祭り

出典:PIXTA

「夏の検断屋敷まつり」は、あの”仙台七夕飾り”を象徴する吹き流し飾りが主役のイベント。春と同様、公園内のイベントはも行われ、スイカの種飛ばし大会や、水中スイカ割り大会は、順番待ちの列ができるほどの人気ぶりだそう。和太鼓演奏やダンス、お楽しみ抽選会も行われます。

 

秋の検断屋敷まつり(11月上旬)

材木岩と紅葉

出典:PIXTA

秋の検断屋敷まつり」では、新そばが振る舞われます。また紅葉の見頃と重なることもあり、材木岩と燃えるような紅葉を眺めながらいただく新そばは格別です。公園内では和太鼓演奏やだるま落としゲーム、ウッドボーリング大会などのイベントが開催されます。

冬の検断屋敷まつり(1月上旬)

「冬の検断屋敷まつり」は、辺り一面の銀世界。この日は、昔ながらの木臼ときねを使って餅をつき「だんご刺し」を作ります。紅白に染めて丸め、ミズキの木に飾り付けるのが習わし。「暁がゆ」も振る舞われ無病息災を願います。また「小原の伝説紙芝居」や「年頭メッセージ付き風船飛ばし」なども人気のイベント。

材木岩公園と周辺の観光スポット

材木岩や氷室のある「材木岩公園」と、周辺にある観光スポットをご紹介します。

① 旧木村家住宅(検断屋敷)

材木岩 横断屋敷

写真提供:宮城県観光課

「旧木村家住宅(検断屋敷)」は七ヶ宿街道沿いにあった※宿駅の一つ、「上戸沢宿」の※検断役を勤めた木村家の邸宅です。近世から江戸時代を通じて上戸沢町は「山中七ヶ宿通」といわれ、参勤交代の際などに奥羽の大名が多数往来していました。上戸沢町は仙台藩と福島藩領の藩境に隣接していたため、番所や検断屋敷が置かれたのです。

 

木村家は検断役として、宿の※伝馬人足(てんまにんそく)を取り仕切りるだけでなく、上戸沢には大名などが宿泊する本陣は置かれなかったため、木村邸が本陣に準ずる宿泊・休憩所として機能していました。

 

現在の検断屋敷は、上戸沢にあった木村家の母屋を移築し復元したもの。江戸中期頃の建築と推定され、宮城県の有形文化財に指定されています。

 

宿駅……荷物を運ぶための人や馬を集めておいたり、旅人を泊めたりする宿場のこと。
検断役……宿駅関係を取り締まる役
伝馬人足……江戸幕府の公用で旅する人たちの荷物を、宿場から宿場へ輸送するための業務に携わる馬と人のこと。

② 親水広場

材木岩公園

写真提供:白石市・蔵王町

材木岩公園内にある親水広場(しんすいひろば)は、噴水や岩のプールからなる水遊び広場。夏になると親子連れで賑わい、水深も浅いので小さな子供も遊べます。トイレはもちろん、ピクニックテーブルも設置されているので、休憩所としてもピッタリ。

 

③ 虎岩公園

七ヶ宿ダム

出典:PIXTA

虎岩公園(とらいわこうえん)は白石川を挟んだ、材木岩の向かい側にある公園です。材木岩公園からは車で10分。虎の縞模様に見える岩石”虎岩”があり、それに伴い公園が整備されました。

 

園内にある展望台からは、七ヶ宿ダムを一望できます。オススメは4月~11月に行われるダムの大噴水。運が良ければ、虹がみられるかもしれませんよ!

 

【虎岩公園の基本情報】

所在地:
〒989-0233 宮城県白石市小原字上台
営業時間:24時間料金:なしアクセス:・材木岩公園から車で約10分・JR東北本線「白石駅」または東北新幹線「白石蔵王駅」から車約30分駐車場:あり/無料/25台ほど

 

④ 境内に建つ”大剣”に圧倒「飛不動尊」

「飛不動尊(とびふどうそん)」は材木岩公園から車で7分ほど、虎岩公園の手前にあります。飛不動堂は天正19年(1591)、初代仙台藩主・伊達政宗が創建したといわれています。もともとは今の国道113号線沿いにあったとか。

 

境内は立派な杉林に囲まれており、背筋がピンとするような神聖な空気に包まれています。奥の方に鮮やかな朱色をした不動堂と、周辺に”大きな剣”が複数建っており、見る人の目を奪う物珍しい景観も飛不動尊の特徴です。

 

文禄3年(1594年)に不動堂が焼失し、現在の不動堂は昭和53年から昭和60年にかけて修復されたものです。参拝は8の付く日にすると、ご利益があるといわれています。

 

【飛不動尊の基本情報】

所在地:
〒989-0233 宮城県白石市小原江志山6-1
営業時間:
24時間拝観料:なしアクセス:・材木岩から車で約7分・JR東北本線「白石駅」または東北新幹線「白石蔵王駅」から車約30分駐車場:あり/無料/5台ほど飛不動尊の詳細ページはこちら

④ 近くに道の駅あり「七ヶ宿ダム自然休養公園」

七ヶ宿町ダム自然公園

出典:PIXTA

材木岩公園から113号線を経由して車で約7分。「七ヶ宿(しちかしゅく)ダム」は、仙台市の水かめの一つ。ダムによって形成された湖は「七ヶ宿湖」と呼ばれ、水源地環境センターが選定する「ダム湖百選」に選ばれています。ダムの近くには「七ヶ宿ダム自然休養公園」があり、園内には七ヶ宿の名にちなんで77種777本の木が植えられています。

 

また113号線沿いにある「道の駅七ヶ宿」が便利です。七ヶ宿町の特産品やソフトクリーム、揚げもちなどの定番メニューや、七ヶ宿ダム湖を表現したダムカレーもありますよ!

 

【七ヶ宿ダムの基本情報】

所在地:

〒989-0537 宮城県刈田郡七ヶ宿町字上野8-1

営業時間:

なし

料金:

なし(園内のみ)パークゴルフ場やグラウンドゴルフ場、運動広場は有料施設

アクセス:

・材木岩公園から車で約7分

・JR東北本線「白石駅」または東北新幹線「白石蔵王駅」から車約40分

駐車場:

あり/無料/普通車500台(七ヶ宿ダム自然休養公園)

七ヶ宿ダム自然休養公園の詳細ページはこちら

宮城の歴史と自然の宝庫へGO!

夏の材木岩

出典:PIXTA

今回は白石市にある「材木岩」を中心にご紹介しました。同市にある白石城などに比べると訪れる観光客も少なく、観光の穴場スポット的な場所でもあります。

 

材木岩はもちろんのこと、氷室や検断屋敷など歴史を感じる見どころもあります。材木岩の目と鼻の先にある七ヶ宿町は、参勤交代で利用された宿場町の名残がある町。時間に余裕があれば、足を伸ばしてみてくださいね!

 

材木岩公園と桜
このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう

関連する記事

この記事のキーワード

stingray
stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力や地元ならではの情報をお届け致します。