② 不動滝(蔵王不動尊)
三階の滝からみえる滝見台から、車で約1km上った先にあるのが「不動滝(ふどうたき)」です。三階の滝を臨める「滝見台」からも望めますが、不動滝展望台からは間近で鑑賞できます。
ちなみに先ほど紹介した三階の滝と不動滝には、カニとウナギにまつわる怖い伝説が……気になった方は下の物語を読んでみてください。
~三階滝のカニウナギ合戦~
三階の滝の上にある滝つぼに、大きなカニが住んでいました。しかし体が大きくなり手狭になったため、隣の不動滝を自分のものにできないか考えていました。
しかし不動滝には、すでに大きなウナギが棲んでいました。カニはウナギに「不動滝をかけて腕比べをしよう」と戦いを申し込みます。
壮絶な戦いの末、カニが勝ちました。カニはウナギの体を、頭・胴・尾の3つにちょん切ってしまい、頭は現在の青根温泉へ、胴は峩々温泉へ、尾は遠刈田温泉へ飛んでいってしまった。
飛ばされたウナギの体からは温泉が湧き、以来青根温泉は頭に、峩々温泉は胃に、遠刈田温泉は足に効くようになったそうだ。(参考:一般社団法人蔵王町観光物産協会)
滝見台のすぐ傍には、背に真っ赤な炎を背負った「蔵王不動尊」を模した彫刻がドンと構えています。迫力があり「昼間でも少し怖い」とう口コミもありました。
駐車場:有り(入口手前・道路を挟んだ向かい側の2ヶ所)/無料
トイレ:あり(道路を挟んだ向かい側の駐車場にあり)
お問い合わせ:0224-34-2725(蔵王町観光案内所)
③ 駒草平
大黒天駐車場の手前にある「駒草平(こまくさだいら)」。断崖絶壁の上にある展望台からは、不帰の滝(かえらずのたき)と振子滝(ふりこたき)を望めます。
「不帰の滝」という物騒な名前は、昔この滝に住んでいた鬼ばばが、滝を登ってくる人を捕まえては生き血を吸い、滝つぼへ落とした。という伝説が由来となっているようです。
一方振り子滝は、雪解け水などの水量が多い時にしかみられない珍しい滝。その姿を拝められるかは、時の運次第ですね。
またその名の通り、コマクサの群生地でもあります。開花の最盛期は、6月中旬~7月上旬です。
駐車場:有り(50台ほど)/無料
トイレ:あり
お問い合わせ:0224-34-2725(蔵王町観光案内所)
お釜を楽しむ3つのビューポイント
お釜はその形状から、眺める角度や位置によってさまざまな姿をみせてくれます。主なビュースポットは「展望台」「刈田岳」「馬の背(熊野岳)」の3か所あるので、アクセスしやすい順に紹介します。
ビュースポット① お釜展望台
一番アクセスしやすいのは、蔵王苅田駐車場から約2~3分の場所にある「御釜展望台」です。展望台までは舗装されたバリアフリーの道なので、車イスでも問題ありません。
展望台からは写真の通り、肉眼でもお釜はしっかり見えます。
ビュースポット② 刈田岳
2つ目のビューポイントは、刈田岳(かっただけ)の山頂。山頂というとハードな印象を受けますが、先ほど紹介した展望台からわずか徒歩10分ほどでたどり着きます。
道は舗装されていますが砂利道で足がとられやすいのと、急こう配な坂が続くのでムリは禁物です。
山頂には「刈田嶺神社(かったみねじんじゃ) 奥宮」があります。御祭神は、天之水分神・国之水分神(あまのみくまりのかみ・くにのみくまりのかみ)。
かつて刈田岳を含む蔵王連峰は、火を吹く山と恐れられていました。当時、自然現象はすべて神の力によるものだと考えられていたため、神様を鎮めるために人々は刈田嶺神社を建立します。しかし冬は積雪の関係で、なかなか参拝へいけません。
そこで麓の遠刈田温泉に「刈田嶺神社 里宮」を建て、冬でも参拝できるようにしたそうです。奥宮と里宮どちらでも御朱印(300円)をいただけます。お釜がデザインされた御朱印帳(夏・冬版の2種類、1,200円)も販売。
ビュースポット③ 馬の背(熊野岳)
3つめのビューポイントは、「馬の背(うまのせ)」と呼ばれる登山道です。蔵王刈田リフト降り場近辺(馬の背と刈田岳の分岐点)~熊野岳(くまのだけ)山頂に差し掛かる三叉路(馬の背分岐)までの道のりで、蔵王苅田駐車場から45分ほど歩きます。
傾斜はゆるやかですが、写真の通り火山石がゴロゴロ転がっている荒涼とした登山道です。馬の背に出かける際は登山・トレッキング向けの服装・装備を準備してください。
熊野岳方向に馬の背を歩くと、右側の眼下にお釜を望めます。お釜の全貌を見渡せる、一番のビューポイントといっても過言ではありません。
霧が出てくると辺り一面が真っ白になり、遭難の恐れもあります。天候変化には気を配りましょう。
体力に余裕があれば、馬の背の先にある日本百名山の一つ「熊野岳(標高1,840m)」山頂を目指すのもアリ。蔵王苅田駐車場から約1時間(片道・約2km)で登頂できます。気軽に登れる山ですが、登山に適した服装や装備を整えて出かけましょう。
お釜はみえませんが、山頂からの展望もまた絶景! 天気がいい日には、西側に朝日連峰や飯豊(いいで)連峰、北側には地蔵山、月山、鳥海山(ちょうかいさん)をのぞめます。
山頂の東側には斎藤茂吉の歌碑や、熊野神社(蔵王山神社)もあるので、参拝も忘れずに。御祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)。
また6~7月頃は、熊野岳避難小屋辺りで高山植物の女王・コマクサの群生がみられます。
お昼は「蔵王山頂レストハウス」でランチ!
お釜の名物グルメといえば「釡カツ丼」は欠かせない存在。蔵王苅田駐車場に併設されている「県営 蔵王山頂レストハウス」の2階でいただけます。
石釡に盛られたホクホクご飯の上に、サクサクに揚げたとんかつ150gをドンとのせ、とろ~り卵でとじたボリューム満点の一品。ご飯だけでも茶椀1.5杯分くらいあるので、空きっ腹の状態で食べるのがオススメです。
ほかにもカレーや山菜うどん、醤油ラーメン、玉こんにゃくなどがあります。蔵王のレアチーズケーキやアイスなど、食後の甘味もお忘れなく。
1階にはお土産コーナーもあり、蔵王山頂限定こけしなどのオリジナルから定番の土産物まで、ラインナップも幅広いです。
口コミでみるお釜のリアル事情
お釜を観光するうえで心得ておきたい、リアルな事情も紹介しておきます。
その1. 「霧で何もみえない」はザラにある
霧でお釜がみえない!、というのは珍しくない現象。お釜の窪んだ形状が、霧の吹き溜まりを生み出す原因となっているようです。
お釜には何度か行ったことがありますが、一番最近行った時は残念ながら霧で景色は一切見れず、一面真っ白、雲の中でした。(出典:じゃらん)
お釜の様子をライブカメラで確認できるので、確認してから登頂するのがオススメです。
1/6の確率で晴れのようで、雨の日などはまったくお釜を見ることができません。(出典:じゃらん)
もし到着時に霧がかかっていたとしても、山の環境は刻々と変化します。待っていれば風に吹かれて霧が引く可能性もあるので、粘ってみるのも手です。
蔵王レストハウス内に無料休憩処もあるため、時間があれば気長に待ってみましょう。
また一般論として天気が崩れやすいのは午後なので、午前中にお釜を観光するのがオススメです!
どうにか降りて行って数分待っていると、雲がさーっと晴れてお釜が現れました。(出典:じゃらん)