藤が坂 仙台
アイキャッチ画像:撮影 筆者
記事中画像:撮影 筆者

仙台七坂をご存じですか?

仙台七坂

仙台には古くから、仙台七坂や八小路、仙台七崎と称するところがあります。

そこで今回は、地元でもあまり知られていない「仙台七坂」をピックアップ!

藩政時代から呼ばれている七つの坂

「仙台七坂」とは江戸時代から呼ばれている、仙台市内にある七つの坂です。

・扇坂(おうぎざか)

・大坂(おおさか)

・藤ヶ坂(ふじがさか)

・新坂(にいざか)

・元貞坂(げんていざか)

・茂市ヶ坂(もいちがさか)

・石名坂( いしなざか)

 

この記事では、7つの坂を筆者がめぐり、仙台城から近い順にご紹介。現在の姿や歴史を、「前編」「後編」の2回に分けてお伝えいたします。

①「扇坂」は仙台城二の丸につながる坂

扇谷 仙台七坂

▲現在は階段

まずご紹介するのは「扇坂(おうぎざか)」。仙台七坂のなかで、唯一城内にある坂です。

青葉区の「仙台国際センター」展示棟付近から仙台城二の丸広場へ上るところにあります。

 

平成27年(2015)12月の仙台市地下鉄東西線の開業に合わせて、国際センターから萩ホールへの歩行者通路として階段が整備されました。

扇坂の由来

説明パネルによると、扇坂は千貫沢(せんがんざわ)にかかる筋違橋(すじかいばし)と大手門を結ぶ道から二の丸に上る坂で、末広がりの形状から「扇坂」と称されるようになったそうです。

扇坂は藩士の通勤ルート?

藩政時代の大手門は、藩主の出入りと特定の儀式日以外は門が閉ざされていました。

そのため藩士たちは、この扇坂と二の丸北方の千貫橋を仙台城二の丸への登城路として利用していたと考えられます。

 

つまり扇坂は、藩士たちにとって日々の通勤ルートだったのです。

扇坂は塞がれてしまった

仙台七坂 扇坂

佐々久(ささ ひさし)氏の著書『仙台あちらこちら(昭和57年発行)』によると、藩政時代の扇坂は今の道の谷をへだてた、南側の二の丸囲いの北側の崖ぶちにあった道に上る坂で、※第二師団司令部がこの道を塞いでしまったと記されています。

 

藩政時代は、現在の跡地とは異なる場所に扇坂があったようです。

※第二師団司令部…明治時代に日本陸軍が仙台に設立した師団。

扇坂を上ると仙台城二の丸広場

仙台扇坂 階段

扇坂を上ると東北大学の萩ホールがあり、周辺は仙台城二の丸広場となっています。

せっかくなので、扇坂からちょっと歩いて行ける名所をご紹介しましょう。

支倉常長像

仙台城 二の丸跡

▲写真右後方

扇坂から西へ4分ほど歩くと、※サン・ファン・バウティスタ号でヨーロッパへ渡った仙台藩の家臣・支倉常長(はせくら つねなが)の像があります。

※サン・ファン・バウティスタ号
支倉常長らの慶長使節団をのせて、太平洋を往復したガレオン船。
復元船を石巻市の「宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)」でみることができる。

大手門脇櫓

仙台城 大手門脇櫓

支倉常長像のすぐ近くにある大手門脇櫓(おおてもんわきやぐら)です。

現在の建物は昭和42年(1967)に再建されたもので、藩政時代にはこの右横に仙台城へ上る大手門がありました。

 

しかし昭和20年(1945)の仙台空襲で焼失してしまい、その姿は残っていません。

ところが仙台市は、2036年までに大手門を復元させると発表しています。十年以上先の話ですが……楽しみですね!

大手門脇櫓の対面側にある大手門北側の土塀

仙台城 石垣

大手門北側にある土塀(どべい)は、仙台空襲による被災を免れ、仙台城に現存する唯一の建造物とされています。

五色沼

仙台城 五色沼

▲この場所からスケートが広まったとされる。冬は湖面が凍結することも。

脇櫓から東に進むと仙台城の堀だった五色沼がみえてきます。日本フィギュアスケート発祥の地です。冬は写真の通り、湖面が凍結しています。

 

扇坂の基本情報

所在地:

〒980-0862 仙台市青葉区川内40

アクセス:

<電車>

仙台市地下鉄東西線「国際センター駅」から徒歩約2分

<車>

東北自動車道「仙台宮城I.C」から約9分

駐車場:

なし

近隣の有料駐車場をご利用ください。

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