目次
秋保温泉ってどんなところ?
仙台駅からバスで約40~50分。仙台の奥座敷と称される秋保温泉(あきうおんせん)は、名取川の渓谷沿いに広がる温泉郷です。
宮城県の鳴子温泉、福島県の飯坂温泉と並“奥州三大名湯”に数えられています。
今回はそんな秋保温泉を、車なしで巡りたい方に向けたモデルコースをご紹介します。
仙台駅からのアクセス
秋保温泉へ向かうバスは、「宮城交通」と「タケヤ交通(西部ライナー)」の2種類あります。
運賃はどちらも片道840円(※2019年10月現在)。本数はタケヤ交通の方が多く、1時間に1本ペースで出ています。
また宮城交通だと40~50分ほどかかりますが、西部ライナーであれば約30分ほどで着きます。
仙台空港からのアクセス
仙台空港からは、タケヤ交通の「仙台西部エアポートライナー」を利用します。秋保温泉直行のため、アクセスは非常に楽です。
バス乗り場は2番。詳細はこちら
【1日目】仙台駅西口バス停→「秋保・里センター」
まずは秋保温泉の入口、「秋保・里センター」で下車。
パンフレットなどが置かれている観光案内所や、カフェが併設されているほか、100円返却式のコインロッカーも設置されています。
無料のレンタルサイクルに、足湯もある!
4月~11月なら、無料で利用できるレンタルサイクル(保証金1,000円)があるほか、土日祝日のみ足湯も利用できます。※どちらも雨天時は利用不可。
バスの待合時間も楽しい展示スペース
また館内には、秋保温泉に伝わる伝統工芸作品を展示しているほか、秋保電鉄のジオラマなどがあります。また毎年2月上旬~3月下旬にかけて、「つるしびな(つるし飾り)」が展示されています。
【秋保・里センターの基本情報】
「秋保・里センター」→「秋保工芸の里」
最初に立ち寄りたいのが、秋保・里センターから徒歩約20分の場所にある「秋保工芸の里」。
ここには9つの工房があり、古くから引き継がれてきた伝統技術を継承する職人たちが生活しています。
そんな職人たちが丹精こめて作り上げた作品も必見ですが、ハンカチーフの染色や、秋保こけしの絵付け、とんぼ玉製作、橋の漆塗りや糸ノコ木工などの体験できます。
※実習体験については、各工房にお電話にてお問い合せください。
【秋保工芸の里の基本情報】
所在地:
仙台市太白区秋保町湯元字上原54
休業日:
工房ごとに異なります。詳しくは各工房にお問い合わせください。
「秋保・里センター」まで戻り、周辺でランチ!
「秋保・里センター」まで戻り、早めのランチをとるのも手。早すぎるな~と感じたら、徒歩5分でいける「秋保ワイナリー」や、バスで約13分の場所にある「仙台市天文台」に寄ってみるのもオススメ!
秋保・里センター周辺には、カフェや食事処が点在しています。隣接している「Cafe HACHI(カフェハチ)」は、ナポリタンスタジアムで日本一に輝いた老舗の洋食屋ですし、本格ピザを楽しめる(1人用ピザもあり)「Pizza&Cafe 森のオーブン ドットーレ」や、多彩なコッペパンが並ぶ「秋保パン食堂コッペ」など、さまざまなグルメが楽しめます。
主婦の店 さいちの「おはぎ」が大人気!
余裕があれば、一足伸ばして「主婦の店 さいち」へ。目当ては、秋保名物である”おはぎ”。1日に5,000個も売れるほど人気らしく、午後の遅い時間にいくとすでに完売していることが多いのだとか。
味はあんこ、きな粉、ゴマ、納豆の4種類。賞味期限は当日です。時間がたつと固くなってしまうので、その日にいただくのが鉄則。
【主婦の店 さいちの基本情報】
所在地:
仙台市太白区秋保町湯元薬師27
営業時間:
9:00~19:30
定休日:
水曜日
「秋保・里センター」→「覗橋」
すぐ裏手に「磊々峡」が広がる自然遊歩道がある
ランチを満喫したら「磊々峡(らいらいきょう)」へ。秋保・里センターの裏手(足湯があるところ)に自然遊歩道があるので、さっそく向かいましょう!
別名「磊々峡 もみじのこみち」と呼ばれ、紅葉の時期にはライトアップも行われるようです。こちらも磊々峡ですが、目玉である奇石がみられる渓谷はまだ少し先の場所。
遊歩道を歩いていくと、”恋人の聖地”と書かれた看板が立つ「覗橋(のぞきばし)」に出会います。
覗き橋から下をのぞき込んでみると……?
ハートの形をした岩のくぼみがみえます! このハートが恋人の聖地となっているみたいです。
「覗き橋」→「磊々峡」
こちらが磊々峡の入口です。
磊々峡に入ってすぐ現れるのは「奇面岩(きめんいわ)」です。よくみてみると、中央に流れる名取川を覗きこむ巨人の顔が……!
ほかにも八間岩(はちけんいわ)や天斧岩(てんおのいわ)など、磊々峡ではさまざまな奇石や滝がみられます。
磊々峡の全長は約2kmありますが、遊歩道が整備されているのは約1km。所要時間は、往復で約1~2時間ほど。
【覗橋の基本情報】
余裕があれば「磊々峡」→「仙台万華鏡美術館」
磊々峡散策を楽しんだあとは、「仙台万華鏡美術館」へ。ここには国内でも珍しい、万華鏡を展示している美術館です。
1階はショップと体験コーナー、2階・3階が展示室になっており、季節によって展示される作品も変わるそう。実際に見て触れられる万華鏡もあるほか、創作もできる体感型ミュージアムです。
【仙台万華鏡美術館の基本情報】
秋保温泉の湯宿に宿泊!
開湯時期は定かでありませんが、古墳時代にはすでに存在していたという説もある秋保温泉。歴史に登場したのは、第29代欽明(きんめい)天皇の時代(531年~539年)。
在位中に皮膚病に感染してしまった欽明天皇。あらゆる手を尽くしたが一向に回復せず、噂を聞いて取り寄せた秋保の湯で沐浴したら、数日で全快したという。欽明天皇は喜びのあまり歌を詠み、その句碑は温泉街でみられます。
それ以降、秋保温泉は皇室の御料温泉の1つとなり「名取の御湯」の称号を賜ります。長野県・別所温泉、野沢温泉とならび「日本三御湯」と称されるようになりました。
天皇の病を癒した、秋保の名湯を堪能しよう!
秋保の名湯を堪能できる宿の多くは、磊々峡を周辺に点在しています。とくに有名なのは「伝承千年の宿 佐勘」。江戸時代には伊達政宗の湯呑み御殿がおかれた、由緒あるお宿です。
ほかにも磊々峡を眼下に望める「ホテル瑞鳳」、自家源泉が自慢の「篝火の湯 緑水亭」など、独自の強みをもった宿がひしめき合っています。ぜひチェックしてみてください!
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【2日目】各宿泊施設→「秋保大滝」
まず秋保・里センターのコインロッカーに荷物を預けてから、観光に出掛けるのがオススメ。
秋保・里センターからバスでおよそ30分、「日本の滝百選」に数えられる秋保大滝があります。幅約6m、高さ約55mの、国内有数の大滝です。
轟音をたてながら、滝つぼにおちていく白い水流は迫力満点! 不動滝橋の脇から入る遊歩道を降りれば、滝つぼまでいけます。
良縁のパワースポット?「秋保大滝不動尊」でお参りしよう!
ちなみに御本堂の欄干のどこかに鯉が彫られているそうで、その鯉を見つけられたら良縁に恵まれるとか。
【秋保大滝の基本情報】
「秋保大滝」→「小滝沢橋」
秋保大滝からバスで約10分、仙台市営バスに乗り「馬場」下車すぐの場所にある小滝沢橋(こたきざわばし)。
昭和14(1939)年に建造された、長さ20.8m幅4.5mの石造のアーチ橋です。
石材は、近くの石ケ森から採掘された秋保石を使用しているそう。小学校の校庭に実物大の絵を描き関係者に説明した、石材を運搬する馬が2,3頭倒れたなど、橋の建設に関わるエピソードが残されており、地元民の関心の高さが伺えます。
別名「めがね橋」とも呼ばれており、仙台市指定有形文化財となっています。※現在、橋は渡れません。
【小滝沢橋の基本情報】
「小滝沢橋」→「天守閣自然公園」
最後に寄りたいのが、天守閣自然公園(小屋館跡庭園)。
小滝沢橋の最寄りバス停「馬場」から、バスで約14分「湯向」下車から徒歩約17分の場所にあります。
※バスの運行本数が少ないため、時間に注意。
初代秋保摂津守盛義が湯元小屋館を築いたとされている、室町戦国時代の館跡があることから名づけられたそう。
庭園のほかにも、日帰り天然温泉や足湯、貸切露天風呂、オートキャンプ場、カフェなどが併設されています。
ねらい目は紅葉!ライトアップも行われる
園内は回遊式の日本庭園が広がっており、源泉からひいた足湯も設置されています。
紅葉の時期にはライトアップも行われます。例年の見頃は、10月中旬~11月上旬。2019年度の情報はこちら。
【天守閣自然公園の基本情報】
余裕があれば「秋保ワイナリー」や「仙台市天文台」へ
もし余裕があれば、こちらの2施設にもぜひ足を伸ばしてみたいところ。
試飲や醸造所の見学もできる「秋保ワイナリー」
震災後、宮城県唯一のワイナリーとして2015年にオープンした「秋保ワイナリー」。現在は秋保ワイナリー以外にも数か所あるようです。
醸造所の見学や試飲ができるほか、コーヒーや軽食を楽しめるカフェやBBQができるガーデンも併設されています。
【秋保ワイナリーの基本情報】
仙台市天文台
宇宙のスケールを体感できる、天文総合博物館。1階は展示室とプラネタリウム、2階には観測ギャラリー、3階には「ひとみ望遠観測室」など望遠鏡ギャラリーがあります。
約45分あるプラネタリウムは、担当員の個性が際立つ生解説! 星空の楽しみ方や旬な話題を届けてくれます。
【仙台市天文台の基本情報】
所在地:
仙台市青葉区錦ケ丘9丁目29-32
営業時間:
平日・日曜日・祝日…9:00~17:00
土曜日…9:00~21:00
※展示室は17:00まで
※いずれも最終入館は閉館30分前まで
定休日:
水曜日もしくは第3火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
アクセス:
バスで約8分、「天文台入口」下車徒歩4分
公式HPはこちら
秋保温泉はマイナスイオンたっぷりの癒しスポット
いかかでしたか? かつて天皇の病を治し、藩政時代には伊達家の入浴場もおかれた秋保温泉。1本道のため週末は車の渋滞が予想されます。帰りの新幹線や飛行機の時間には、十分注意しましょう。
名湯だけでなく、磊々峡や秋保大滝など、マイナスイオンをたっぷり浴びられるスポットにも癒されるはず。週末は秋保温泉にリフレッシュしにいきましょう!