蔵王連峰とは?
蔵王連峰(ざおうれんぽう)とは、宮城県と山形県の南北にまたがる山々の総称です。
山形県側を「山形蔵王」、宮城県側を「宮城蔵王」と呼びます。
エメラルドグリーンの火口湖で有名な「御釜(お釜)」をはじめ、裾野には温泉郷やスキー場、冬は世界的にも珍しい「樹氷」がみられることから、両県にとって主要な観光エリアです。
宮城蔵王と山形蔵王、樹氷の違いは?
蔵王の冬を象徴する”樹氷(スノーモンスター)”。山形蔵王と宮城蔵王の両方でみられますが、一般的に知られているのは山形蔵王の方です。
山形蔵王の樹氷へは、麓の蔵王温泉街にあるロープウェイで向います。
しかも樹氷原をふくめて蔵王温泉スキー場となっているため、樹氷とウィンタースポーツを両方楽しめるのがメリット。
夜間には樹氷のライトアップも行われます。
一方で宮城蔵王の場合、樹氷原までは予約制の雪上車で向います。
手段が限られているため、山形蔵王よりも混雑しないのがメリットです。
樹氷をメインに観光したい方は、宮城蔵王がオススメ。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
麓には温泉街が広がっている
蔵王連峰の山々は火山群のため、両県の麓には温泉郷が広がっています。
昔から湯治場として栄えた温泉地。足腰の病に効くといわれている。「日本三大こけし」の発祥地。
▼青根温泉(宮城県)
江戸時代には仙台藩藩主・伊達氏の御殿湯が置かれた温泉地。JR東日本「行くぜ、東北。」CMのロケ地にもなった。
▼峩々温泉(宮城県)
お釜のある「宮城蔵王国定公園内」にある、一軒宿の秘湯。標高850メートルに位置し、周囲は山々に囲まれている。
▼蔵王温泉(山形県)
スキー場が隣接している温泉地。温泉宿や飲食店も多く、バスターミナルもあるためアクセスしやすい。
▼かみのやま温泉(山形県)
開湯から560年余りの歴史を誇る温泉地。上山城の城下町、羽州街道の宿場町として栄えた風情のある場所。
いくつの山で構成されている?
蔵王連峰は、主峰3山の他に、連峰を構成する主な14山があり、計17山で構成されています。
主峰3山
主峰は、山形県側の熊野岳(標高1,840m)・県境の刈田岳(1,758m)・宮城県側の屏風岳(1,825m)。蔵王連峰の主峰の1つ「熊野岳」は、古代から火山活動を繰り返しており、”火を吹く山””火の山”として人々から恐れられていました。
山の神の怒りを鎮めるために、山岳信仰と仏教が結びついた蔵王権現(ざおうこんげん)を祀り、以来「蔵王山」とも呼ばれています。
構成する主な14山
主峰3山の他に蔵王連峰を構成する主な14山は、以下の通り。
五色岳(1,672m)、杉ヶ峰(1,745m)、不忘山(1,705m)
名号峰(1,491m)、地蔵山(1,736m)、三宝荒神山(1,703m)
瀧山(1,362m)、雁戸山(1,484m)、鳥兜山(1,387m)
横倉山(1,152m)、青麻山(799m)、後烏帽子岳(1,681m)
前烏帽子岳(1,432m)、馬ノ神岳(1,551m)
御釜があるのは五色岳(ごしきだけ)です。御釜周辺を刈田岳(かつだだけ)、熊野岳(くまのだけ)が囲っており、その3峰が御釜を望むビュースポットとなっています。
蔵王連峰の四季折々の風景
春は新緑、夏は高山植物、秋は紅葉、冬は樹氷と、蔵王連峰は四季折々の表情をみせてくれます。
春
積雪の関係で11月上旬から閉鎖される蔵王エコーラインは、4月の下旬に開通します。開通~5月初旬(GW)くらいまで現れる”雪の回廊”は必見です。
また4月下旬になると、宮城県の蔵王町にある「みやぎ蔵王えぼしリゾート」で”水仙まつり”が開催されます。
つい2~3ヶ月前までスキー場だった場所が、花畑に大変身! 約30種50万株のスイセンが一面を黄色く染め上げます。2019年の詳細はこちら。
夏
山形県側の蔵王エコーラインにある「蔵王高原刈田駐車場」から徒歩5分ほどの場所にある湿地帯には、例年6月頃にチングルマ、7月頃にはキンコウカ一が面に咲き誇ります。遊歩道が整備されており、60分ほどで一周できる散策コースです。
また熊野岳の山頂付近(避難小屋)や宮城県側のエコーラインにある駒草平で、高山植物の女王「コマクサ」がみられます(例年7月)。
秋
蔵王連峰の秋は、紅葉の大パノラマ! 宮城県の蔵王エコーラインにある「滝見台」からは、紅葉の中を流れる日本の滝百選に選ばれた「三階(さんかい)滝」や「不動(ふどう)滝」「地蔵滝」を望めます。
山形県から行くなら、蔵王温泉街にある蔵王ロープウェイを利用して、紅葉の空中散歩を楽しみましょう! ロープウェイは麓から「樹氷高原駅」まで続く山麓線と、樹氷高原駅から終点の「地蔵山頂駅」に続く山頂線の2本あります。樹氷高原駅まで上り、そこから30分ほど歩いた先にある「いろは沼」で、秋の湿原を散策するのもオススメ。
蔵王の紅葉は9月下旬から山頂付近が色づき始め、麓では10月中旬~下旬に見頃を迎えます。
冬
冒頭でもご紹介した、蔵王の冬の名物”樹氷”。例年12月頃から樹氷が成長し始め、2月頃に成長がピークに達します。大きく成長した樹氷の姿は、まさにモンスター! 宮城県側の樹氷はスキー場の雪上車で、山形県側はロープウェイを利用してみにきましょう!
蔵王連峰の周辺観光地
蔵王連峰周辺は、年間を通じて観光を満喫できる人気のエリア。今回は宮城蔵王にある、有名な観光名所をご紹介します。
① 御釜(お釜)
蔵王の象徴である「御釜」は、蔵王刈田岳・熊野岳・五色岳の3峰を抱えた円型の火口湖。写真でみるとエメラルドグリーンの湖面ですが、光や差し込む角度によって色調が変わってみえることから”五色沼(ごしきぬま)”とも呼ばれます。
展望台まで専用の駐車場から徒歩2、3分。バリアフリーになっており車イスやベビーカーもOK。レストハウスもあり昼食やお土産の購入もできます。
② 蔵王エコーライン
蔵王エコーラインは宮城県の遠刈田温泉から、山形県の坊平高原までを結ぶ全長23kmの山岳道路です。春は雪の回廊、夏は新緑、秋には紅葉の錦と、ドライブコースとしても人気。
③ 三階滝
三階滝は蔵王エコーラインにある滝見台からみえます。落差約181mの壮大な段瀑は「日本の滝百選」に選ばれている名瀑。三階滝以外にも、不動滝(ふどうたき)や駒草平にある不帰の滝(かえらずのたき)など、蔵王エコーラインには滝見スポットが点在しています。
④ 遠刈田温泉
宮城蔵王の麓に広がる遠刈田温泉(とおがったおんせん)は、開湯400年の歴史を誇る名湯。古くから信仰登山の基地や湯治場として知られ、今も共同浴場を中心に温泉宿が軒を連ねています。
⑤ 宮城蔵王キツネ村
キツネが放し飼いにされてる、国内でも珍しい動物園。キツネの抱っこ体験やエサやりなどを体験できます。もふもふキツネがみられるのは、秋~冬にかけて。夏のキツネは毛が少なく、サッパリしています。
⑥ みやぎ蔵王こけし館
遠刈田温泉内にある、みやぎ蔵王こけし館。伝統こけし・木地玩具の所蔵数日本一を誇るミュージアムです。全国11系統のこけしや、工人がこけしをろくろ挽きしている作業風景などがみられます。自分好みのこけしのつくれる、絵付け体験も人気。
⑦ 蔵王ハートランド
蔵王ハートランドは、蔵王連峰のすそ野に広がる観光牧場。東京ドーム20個分の敷地には緑の牧草が広がり、ヤギやヒツジたちがのんびり過ごしています。入場無料で動物たちと触れ合えるほか、チーズやソーセージ作りなど体験イベントも実施。
⑧ 青根温泉
蔵王連峰の一端を成す、花房山の中腹部にある青根温泉。開湯から450年の歴史を誇り、かつて伊達家の御殿湯があった歴史ある温泉地です。
標高500mに湧く温泉は100%天然温泉。無色透明クセのない温泉は、昔から”神経に効く・美肌の湯”といわれ親しまれています。
周囲は山々に囲まれ、時代を感じる湯宿が軒を連ねるノスタルジックな雰囲気。
JR東日本のCMにも起用されるくらい、ロケーションも素晴らしい場所です。
■宮城蔵王は温泉地が豊富!
1ページ目でもご紹介しましたが、宮城蔵王には青根温泉をはじめ、遠刈田温泉や峩々温泉、鎌倉温泉など、温泉が豊富にあります。
峩々温泉と鎌倉温泉は1件宿で、山間にひっそりと佇む隠れ家的なところです。
麓にある遠刈田温泉は、旅館やホテルが立ち並び、土産物屋、共同浴場や足湯などがあります。ぜひチェックしてみてくださいね!
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蔵王連峰へのアクセス
蔵王連峰へのアクセスは、車とバスを利用する方法があります。
ご注意いただきたい点は、11月上旬~4月下旬まで蔵王エコーライン・ハイラインは冬季通行止めとなります。
宮城県からのアクセス
車でのアクセス:
東北自動車道 白石I.Cから国道4号線、県道12号線を経由し蔵王エコーラインまで約60分
電車/バスのアクセス:
[仙台]
仙台駅西口側33番のりばから、宮城交通バス「村田町・蔵王町・遠刈田行き」に乗車し約65分、「アクティブリゾーツ宮城蔵王」下車。「アクティブリゾーツ宮城蔵王」から宮城交通・蔵王エコーライン線「蔵王刈田山頂行き」に乗車。終点「蔵王山頂」まで約45分
[白石蔵王駅・白石駅]
JR東北新幹線「白石蔵王駅」もしくはJR東北線「白石駅」から、宮城交通バス・蔵王エコーライン線「蔵王刈田山頂行き」に乗車、終点「蔵王刈田山頂」まで約2時間35分
山形県からのアクセス
車でのアクセス:
電車/バスでのアクセス:
[山形駅]
山形駅前から山交バス「山形~蔵王刈田山頂線」に乗車。終点「蔵王刈田山頂」まで約90分
[かみのやま温泉駅]
山形新幹線「かみのやま温泉駅前(かみのやま温泉観光案内所前)」からグリーンエコー号に乗車し約60分、「刈田駐車場」下車。「蔵王刈田リフト」に乗り約8分で御釜の展望スポット
[蔵王温泉]
蔵王温泉バスターミナルから山交バス「山形~蔵王刈田山頂線」に乗車。終点「蔵王刈田山頂」まで約55分
四季折々に豊かな表情が楽しめる「蔵王連峰」へ行こう!
蔵王連峰には豊かな自然と温泉、そして家族やカップルで楽しめる観光スポットもたくさんあり、四季折々に美しい景観や季節の彩りを鑑賞できます。春夏秋冬、大自然と観光が楽しめる蔵王連峰へぜひ、足を運んでみてください!