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日本一の高さを誇る「仙台大観音」
「仙台大観音(せんだいだいかんのん)」は、仙台市泉区実沢に位置しています。正式名称は、仙台天道白衣大観音(せんだいてんどうびゃくえだいかんのん)です。
1991年に建立された
仙台大観音は、実業家の菅原萬(すがわら よろず)氏が立願し、1991年(平成3)に個人の所有物として建立しました。その後、大観密寺(だいかんみつじ)に譲渡され現在にいたっています。
菅原氏は開発グループ会社を率いて、1964年(昭和39)から周辺地域の開発事業に着手。事業は見事に成功します。
「この成功は観音様のおかげ」とする菅原氏の日頃の信仰心と、名所を仙台につくりたいという想いから、大観音像を建てる願いをおこしたそうです。
自由の女神より高い!
仙台大観音の高さは100m。観音像としては日本一の高さを誇り、立像としては茨城県の牛久大仏に次ぐ大きさになります。ちなみに、かの有名なアメリカの「自由の女神像」は93mですから、仙台大観音の方が7m高い!
100mという数字は、仙台市が市制100年を迎えたことにちなんで100mとしたそうです。公開されていませんが、21世紀の繁栄を願い、地下は21mまで掘られているとか。
\仏像に興味がある方へ/
それでは、さっそく見に行ってみましょう!
仙台大観音の胎内へ!
下から見上げた、高さ100mある観音様のお姿はとてつもなく巨大! 観音様のお顔は、約7km先にある仙台駅を向いているそうです。まずは観音様の入口へ向かいます。
仙台大観音の入口
階段を上がっていくと、胎内への入口が見えてきました。「龍の口」のような形をしていますね。
こちらから入り、左手にある受付で拝観手続きをします。胎内拝観料は500円(高校生以上)。
胎内にはトイレがないのでご注意ください。仙台大観音手前にあるトイレが閉鎖されている場合は、大観密寺のトイレを利用してください。
それでは、中に入って行きましょう!
仙台大観音2階
手続きを終えて順路通りに進むと、すぐ目に飛び込んでくるのが守護神像や観音像のお姿。
右手は「十二神将(じゅうにしんしょう)」または「十二薬叉大将(じゅうにやくしゃだいしょう)」とも呼ばれる、十二体の守護神が安置されています。
左手の壁沿いに並んでいるのは「三十三観音」です。観音様は衆生の願いに応じて、三十三の姿になって現れるといわれています。
次はエレベーターの入口へ。
仙台大観音の出入口は2階になっています。こちらからエレベーターに乗りましょう。
エレベーターで2階から12階まで一気に上がり、12階から2階までは階段で降りるのが定番コース。
さっそく筆者もエレベーターで12階の御心殿(ごしんでん)に向かいます。
仙台大観音12階の「御心殿」
数分で12階に到着。御心殿の入口が見えてきました。
こちらが仙台大観音の心臓部「御心殿」。観音様の右手に持つ如意宝珠(にょいほうじゅ)の珠と、大日如来が秘仏として安置されています。
白衣観音ご真言「オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニソワカ」と3度通念してお参りしましょう。
続いて12階にある展望窓へ。
仙台大観音12階「展望窓」からの絶景を拝む
12階は、観音様の胸元の位置にあたります。高さは68mで、これより上へは行けません。さっそく展望窓から、外を眺めてみましょう。
観音様の背中から西~北西方面を見てみました。左手が蔵王連峰で中央に定義山、右手には泉ヶ岳がクッキリと見えます!
天気が悪い日は望めませんので、ぜひ晴天時に訪れたいところ。
こちらは北~北東方面の景色です。観音様の左肩に取り付けられている航空障害灯は、夜間に赤く点灯します。中央右手の白く丸い建物はスポーツ施設のシェルコム仙台です。
観音様の正面から見る南~南西方面を見た景色。左手奥が太平洋で中央左が宮城県庁と仙台駅。中央は仙台城跡で、右手にはテレビ塔がある大年寺山が一望できます。
次に観音様の右側にある航空障害灯から南方面を見てみましょう。左奥にポコンと突き出た太白山が見えますよ。
実際に筆者が登頂した、太白山の奮闘記録はこちら。
こちらは東~東南方面の景色。左手に牡鹿半島・金華山、正面奥に太平洋が見えます。右手に見えるのは、仙台市中心部にある高層ビル群です。
展望窓はここまで。
次は11階から3階にある百八胎内仏をお参りに行ってみましょう。
この階段から11階へ降りていきます。すると、その先には何と……!?
仙台大観音の百八胎内仏へ
現在、筆者がいる場所は観音様の胸元付近です。
11階
階段を降りると、そこには薄暗く神秘的な光景が広がっていました。11階の高さは62m。下をのぞき込むと、ちょっと足がすくみます。
どういう構造になっているのかザックリと説明します。
観音様の中心部に11階から3階まで百八体の仏様が安置され、その周りをグルリとらせん階段が取り囲んでいます。
らせん階段は2階~11階まで続いているので、体力に自信のある方は、ぜひエレベーターを使わず上ってみてください。
こちらは11階に安置されている千手観音。全ての仏様に説明が書かれていました。
6階
胎内の中心部にはエレベーターが設置され、6階と10階が乗り場になっています。エレベーターで2階まで行けるようです。
5階
こちらは、5階から下を見た光景。ここからでも、まだ高さを感じます。
3階
3階に到着。3階から上部を撮影した写真です。電球が星のようにキラキラと輝いて、上まで続いています。
2階
この階段から2階の出入口に戻ります。
2階の出口にある観音様の模型です。内部構造がよくわかりますね。
仙台大観音の胎内見学はここまで。次はすぐ近くにある「油掛大黒天」を訪ねます。
縁結びのパワースポット「油掛大黒天」へ
大観密寺の境内にある油掛大黒天。縁結びの神仏として多くの人々が信仰されています。縁結びリボンに願いをかけるのが習わし。
油掛けの起源は、今から500年ほど前に庄屋の小僧が誤って大黒天に油壺をぶつけたのが始まりなんだそうです。それ以来、なぜか小僧の奉公先である庄屋が大繁盛。小僧も大金持ちになり、いい嫁をもらい幸せになったとか。
この噂が周囲に広まり、いつしか人々が開運招福と良縁成就を願い、大黒天様に油を掛けるようになったといわれています。
次は大観密寺へ。
真言宗智山派 新界山「大観密寺」
観音様のちょうど裏手に位置する「大観密寺」。山号は新界山で、真言宗智山派に属す密教寺院です。仙台大観音は大観密寺の通称にもなっています。
大観密寺と油掛大黒天の御朱印
大観密寺の方に御朱印を書いていただきました。力強く美しい筆に感動です。
今回の取材では、大観密寺の執事の方に大変お世話になりました。感謝しております。ありがとうございました! また機会をみて訪ねてみたいと思います。
大観密寺のねこちゃんたち
大観密寺の某所でねこちゃんを発見! 全部で10匹くらい住みついているそうです。ぜひ探してみてくださいね。
東北の猫島といえば、石巻市にある田代島!
神秘的な仙台大観音へGO!
観音像としては日本一の高さを誇る仙台大観音。しかし、地元でも中まで入ったことがないという方が、まだまだ多いのが実情です。そんな神秘的でラスボス的な仙台大観音に、あなたも一度訪ねてみませんか。
住所:
宮城県仙台市泉区実沢中山南31-36
アクセス:
【公共交通の場合】
仙台駅前から仙台市営バス「実沢営業所前」行き乗車-「仙台大観音」バス停下車、徒歩約1分
【クルマの場合】
東北道「仙台宮城」IC-県道37号-仙台大観音(約13分)
胎内拝観時間:
(夏季)10:00~16:00
(冬季)10:00~15:30
休業日:
無休
電話番号:
022-278-3331
駐車場:
無料/50台(大型バス2台)
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