日常から離れ、新緑が美しい滝を散策
人の心を癒してくれる自然の滝。宮城県内にも数多くの滝スポットがあります。今回は仙台市泉区にある「光明の滝」を取材しました。
いったいどのような滝なのでしょうか。初夏の滝の姿や、現地までのルート案内と周辺スポットも併せて紹介します。
\東北の絶景をめぐる/
光明の滝とは?
知る人ぞ知る隠れた名瀑、「光明の滝(こうみょうのたき)」。この滝は、七北田川の支流の1つ、長谷倉川上流の自然豊かな雑木林の中にあります。落差約7mの直瀑で、滝つぼの深さは約2m。
それほど落差はありませんが、今回取材した5月は水量が多く、迫力ある飛瀑が見られました!
滝周辺の樹木も美しい
木漏れ日が輝き、瑞々しい新緑と滝との光景が見事です。秋の紅葉シーズンも美しく、訪れる人を楽しませてくれます。
筆者の個人的な感想ですが、光明の滝の観光は5月の新緑シーズンと10月の紅葉シーズンがとくにオススメです。
光明の滝はどこにあるの?
光明の滝は、仙台市泉区の朴沢(ほうざわ)地区に位置しています。
ちょっとわかりづらい場所にあるので、今回はルート案内をしながらドライブ気分で光明の滝まで行ってみましょう。
まず「ミニストップ仙台泉福岡店」を目指そう
今回は東北道「仙台宮城」ICからの道順を紹介します。高速を下りたら、国道48号(愛子バイパス)を山形方面に進んでください。
次に陸前落合駅方面へ右折し、県道135号に入ります。少し走ると国道457号の案内板が見えてきますので、折立方面へ右折してください。
そのまま道なりに国道457号を20分ほど走ると、右手にミニストップ仙台泉福岡店が見えてきます。まずここを目印にしてください。
この先、光明の滝まではコンビニなどのお店がありません。トイレは済ませて飲み物などは準備しておくといいでしょう。
【ミニストップ仙台泉福岡店】
「笈分阿弥陀如来堂」に寄り道してみるのも◎
ミニストップ仙台泉福岡店の向かい側には「笈分阿弥陀如来堂(おいわけあみだにょらいどう)」がありました。県の重要文化財に指定されているので寄り道にもオススメ。
一息ついたら再び出発です。そのまま国道457号線を進みましょう。3分ほど走ると左手に「ほこだて仏光堂 仙台根白石店」が見えてきますので、ここを左折してください。
【ほこだて仏光堂 仙台根白石店】
亀の子石のY字路を左へ
数分走ると中央に「亀の子石」という石や石碑があるY字路が見えてきます。ここを左に進んでください。
Google Mapを使用した場合、右を案内されますのでご注意ください。ここから光明の滝まで約10分です。
この「亀の子石」については、記事の後半で解説します。
田園風景を楽しもう
先ほどのY字路を右に進んでも光明の滝には行けますが、この田園風景が見られません。
写真のような穏やかな風景がしばし続きます。遠くに見える山々や田園風景と新緑を楽しんでください。
個人的に筆者イチオシのスポットです。すぐ近くでカエルの合唱も聞こえますよ。
では、そのまま真っすぐ進んで行きましょう。
トトロの森のような杉林
数分車を走らせると、今度は両サイドに杉林が見えてきます。風景が一変して雰囲気は、まるでトトロの森のよう。
杉林を抜けると美しい初夏の新緑に囲まれます。道が少し細くなりますので対向車に注意しましょう。
光明の滝の駐車場
右手に駐車場が見えてきました。5台ほど駐車できそうです。
トイレが設置されていますが「冬期間は使用できません」書かれていました。
光明の滝は、この向かい側にある鳥居を下りたところにあります。さっそく行ってみましょう。
いざ、光明の滝へ
駐車場の向かい側に「光明の滝」と書かれた案内板と東屋、鳥居があります。
鳥居をくぐって下にある滝に向かってください。
光明の滝へ続く階段
この階段を下りて行きます。階段は急勾配で、ところどころ濡れているので足元には十分気を付けてください。
左手に手すりがあります。つかまりながら、ゆっくり下りましょう。滝まで、あともう少しです。
不動尊と光明の滝
いよいよ光明の滝が見えてきました。中央に見える小さな祠には、眼病に効果があるといわれている不動尊が祀られています。
光明の滝と周辺を観察
祠の横から見る光明の滝。滝の音と小鳥のさえずりが混じり合って清々しい気分になります。
もう少し近くに行ってみましょう。
滝つぼに近いところまで下りて撮影してみました。マイナスイオンをたっぷり浴びることができます。気持ちいい!
滝つぼはエメラルドグリーン。深さは約2mあるそうです。
滝の右側に見える岩肌と新緑が美しいですね。
滝の水は左から下流に流れていきます。5月は水量が多いので、滝の轟音と流れていく水の音は迫力満点!
冬期間は、水量が少なく雪もあるため危険ですので注意です。
さて、たっぷり光明の滝を堪能したところで帰路につきます。
滝側から見る階段
祠の裏側から撮影。けっこう急な階段です。
手すりを使ってゆっくり上ってください。
鳥居が見えてきました。
最後に、ここから帰り道に見える心和む風景を紹介します。
光明の滝からの帰り道の風景
トトロの森のような杉林を抜けて戻ります。
田植えの季節なので水が張られ、キラキラした田園風景が広がります。
中央の遠くに見える白い像がわかるでしょうか。そう、ここから仙台大観音が見えるのです。
道路の左側にある長い用水路。
流れる水の音は、風情があってとても癒されます。光明の滝の取材はここまで。
次に、記事中で紹介したY字路のところにある「亀の子石」に行ってみましょう。
【光明の滝の基本情報】
住所:
宮城県仙台市泉区朴沢字下平
アクセス:
【公共交通の場合】
仙台市地下鉄南北線「泉中央駅」-仙台市営バス2番のりば「朴沢」行き乗車-「朴沢」バス停下車、徒歩約60分
【クルマの場合】
東北道「仙台宮城」ICから約40分
駐車場:
無料/約5台
亀の子石・朴沢石碑群
「亀の子石」は、光明の滝から車で約10分のところにあります。手前に見える、丸くて黒い大きな石が亀の子石です。
長径は約130cm。頭を下に向けて丸め込んだような亀の姿に見えることから、亀の子石と呼ばれているそうです。
石碑は、馬を祀る馬頭観世音碑や供養するための念仏碑などさまざま。この石碑群は「亀の子石・朴沢石碑群(かめのこいし・ほうざわせきひぐん)」の名称で仙台市の「名所・旧跡」に登録されています。
また、この仙台市泉区の朴沢地区では養老年間(717~723年)に2つの寺院がつくられたと伝えられているそうです。(現在は廃寺となっています。)
亀の子石の伝説
その昔、この亀の子石を石仏にしようとした人がいました。その人は何度も亀の子石を石屋に運んだそうです。
しかし、何度運んでも亀の小石はなぜか翌朝には元のこの場所に戻ってしまうそう……。そのため、その人はあきらめて石仏をつくるのをやめてしまったとか。
また、石の下にある土を産婦の布団の下に入れておくと、お産が軽くなるという伝説も伝えられています。
【亀の子石・朴沢石碑群の基本情報】
住所:
宮城県仙台市泉区朴沢檀ノ原
アクセス:
【公共交通の場合】
仙台市地下鉄南北線「泉中央駅」-仙台市営バス2番のりば「朴沢」行き乗車-「朴沢」バス停下車、徒歩約3分
【クルマの場合】
東北道「仙台宮城」ICより約30分
癒しの隠れスポット、光明の滝へ
滝には癒し効果があるといわれています。滝の水しぶきから発生するマイナスイオンには、血行促進や自律神経を整えたりリラックスする効果がたくさんあるそうです。「光明の滝」で、あなたも心身ともにリフレッシュしてみませんか。