「松島四大観」とは?見どころやアクセスを解説

2020/08/06 更新

日本三景松島を眼下に望める、4つの展望スポット「松島四大観(まつしましだいかん)」。ミシュランで三ツ星に認定された景勝地ですが、松島の観光エリアから離れているためか、訪れる人も少ない穴場的な場所です。そんな四大観の魅力やアクセス方法をご紹介。

アイキャッチ画像出典:PIXTA

日本三景「松島」、上から見るか、船上から見るか

松島四大観「大高森」からの景色

出典:PIXTA(壮観の眺望)

宮城県を代表する景勝地「松島(まつしま)」。京都の「天橋立」、広島の「宮島」と並び、”日本三景”の一つですね。

西行戻しの松公園から見下ろす松島

出典:PIXTA

そもそも”日本三景の松島”とは、一体どこを指しているのかご存知でしょうか?

 

松島とは、松島湾に浮かぶ260余りの島々と辺り一帯の景観のこと。つまり松島湾に浮かぶ島々や、沿岸部も含めて「松島」といいます。

松島湾を航行する遊覧船

出典:PIXTA

松島観光といえば、遊覧船に乗り松島湾を航行しながら島景色を観賞する、というのが一般的です。

 

しかし! 通な旅人は絶対に「松島四大観(まつしましだいかん)」を見逃しません。

松島四大観とは?


松島四大観とは、松島湾を東西南北に囲む4つの展望スポットのこと。

 

①【東】大高森 /おおたかもり(壮観 / そうかん)

②【西】多聞山 /たもんざん(偉観 / いかん)

③【南】富山 /とみやま(麗観 / れいかん)

④【北】扇谷 /おうぎだに(幽観 / ゆうかん)

 

()の中はニックネームみたいなもので、各展望地からの眺望に感動した仙台藩の儒教学者、舟山萬年が名付けました。4ヵ所とも山の頂上(もしくは付近)を指し、松島を眼下に望めます。

 

また2017年にはミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得。松島四大観は、外国人観光客からの視線も熱いスポットなのです。

 

※ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンとは?
欧州の代表的な観光ガイドの一つ。豊かな自然や多彩な文化遺産など各地を独自の方法で調査し、旅行者にとくにオススメしたい場所を星なし~三つ星評価で掲載している。三つ星は最高評価で、「わざわざ旅行する価値がある」。

 

それでは松島四大観とは一体どのようなところで、どのような眺望がみられるのか詳しくみていきましょう!

①【東】360度のパノラマ絶景!「大高森(壮観)」

松島四大観

出典:PIXTA(大高森山頂からの景色)

松島四大観のなかで、唯一360度パノラマの景色を楽しめる「大高森(壮観)」。標高106mの低山で、展望台はその山頂にあります。

 

登山口まではJR仙石線「野蒜駅」から、車もしくはタクシーでの移動が便利(徒歩だと最寄り駅から約1時間)。

 

展望台正面(西から南にかけて)に松島湾と島々の景色が広がり、北に目線を向けると野蒜海岸とその先に石巻市、東を向けば嵯峨渓、遠方に霊島・金華山がみられます。

 

”壮観=規模が大きく素晴らしい眺め”という意味にピッタリな眺めです。

山頂までは、軽い登山!

大高森 柵のない登山道

撮影:編集部(大高森の登山道)

大高森は山頂までの道のりが、松島四大観の中でも最もハード。山頂まで登山道を20分ほど歩かなければなりません。

 

とはいえ登山道は舗装されており、登山初心者でも全然余裕です。ただ長い階段が続くため、ムリのない範囲で山頂を目指しましょう。

 

山中にトイレや自販機はありません。登山前に、登山口近くにある「セルコホームあおみな」に立ち寄っておきましょう。

嵯峨見台へ山道

撮影:編集部

山頂手前には「嵯峨見台(さがみだい)」への分岐点があり、日本三大渓の一つ「嵯峨渓(さがけい)」を望める展望台へと続いています。大高森から嵯峨見台までは、約2.5km(約30~40分)の道のり。嵯峨見台へ行く前に、先に山頂を目指しましょう。

 

といいうのも嵯峨見台帰りは、来た道を引き返すか、嵯峨見台から道なりに進み「潜ケ浦(かつぎがうら)」へ出て、一般道を歩いて大高森の登山口まで戻る必要があります(約40分)。潜ケ浦ルートだと不気味なトンネルに遭遇したり……気になる方はこちらをチェック!

夕陽も絶景!

大高森 夕日

出典:PIXTA(夕陽に染まる奥松島)

大高森でぜひみていただきたいのが、夕陽です。赤く燃えている太陽が、松島湾の島々を赤く染めながら沈んでいく様子は、言葉では表現しきれない絶景。ただし登山道に街灯などの明かりは一切ないため、登山用ライトは必須です。

 

大高森(壮観)の基本情報

所在地:

〒981-0412 東松島市宮戸(大高森)

営業時間:

24時間

定休日:

なし

アクセス:

【車】JR仙石線「野蒜駅」から車で約10分

【電車・バス・徒歩】野蒜駅から徒歩約1時間、タクシーで約15分

駐車場:

あり/無料(10台程度)

②【西】訪れる人の少ない穴場「多聞山(偉観)」

多聞山 偉観

出典:PIXTA(多聞山からみる景色)

「多聞山(偉観)」があるのは、松島湾の南西に突き出した半島のような地形をしている七ヶ浜町(しちがはままち)。標高56mの低山で、高低差もなく道も舗装されており、散歩感覚で歩ける場所です。

多聞山展望広場公園

出典:PIXTA(多聞山展望広場公園)

多聞山専用の駐車場から歩いてすぐの場所に、東屋の建つ「多聞山展望広場公園」があります。そこからの眺める松島も素晴らしいのですが、「偉観」とよばれる景色ではありません。

毘沙門堂の裏手からみる景色が「偉観」

毘沙門堂 松島

出典:PIXTA(毘沙門堂)

「松島四大観の景色は毘沙門堂へ」という標識に従って歩いていくと、木造のお堂「※毘沙門堂(びしゃもんどう)」が現れます。毘沙門堂までは、駐車場から徒歩約8~10分の道のり

 

「偉観」は、毘沙門堂の裏側から望める景色のこと。眼下には鹽竈神社の年老いた御神馬や伊達藩の馬を放したとされる「馬放島(まはなじま)」や白い灯台が目印の「地蔵島(じぞうじま)」、目をよく凝らすと「仁王島」(におうじま)」を望めます。偉観=「堂々とした素晴らしい光景」といった眺めです。

 

 

※毘沙門堂(びしゃもんどう)の本尊は、四天王(仏陀(如来)がいる須弥山を守る四人の守護神)の一人、のひとり毘沙門天像。33年に一度開帳され、次回は2029に12回目の開帳が行われる予定。
例年12月13日には「毘沙門堂のお歳とり」が行われる。二つに重ねた餅を毘沙門天様に奉納し、別の人が奉納したお餅を持ち帰り、それを親戚一同で分けて食べると翌年一年は無病息災になる、といわれいる。

 

多聞山の基本情報

所在地:

〒985-0801 宮城郡七ヶ浜町代ヶ崎浜八ヶ森

営業時間:

24時間

定休日:

なし

アクセス:

【車】三陸自動車道 利府塩釜I.Cをおり、県道58号線経由で七ヶ浜町峯方面へ約16分

【電車・バス・徒歩】JR「本塩釜駅」より町民バス「ぐるりんこ」(菖蒲田経由君ヶ岡公園行き)に乗車、「仙台火力前」下車徒歩約10分。

駐車場:

あり/無料/20台程度

③【南】伊達家ゆかりのスポット「富山(麗観)」

富山の景色

出典:PIXTA(富山からの景色)

「富山(麗観)」は松島町と東松島市の境目近くにある、標高116.8mの山です。山頂からは、松島湾の全景をほぼ正面から一望できます。

 

江戸時代の俳人・松尾芭蕉の旅に同行した弟子の曾良(そら)も、『曾良旅日記』にて富山の眺望について紹介しています。

 

四大観のなかで最も標高の高い山ですが、山頂手前の「富山参道入口」まで車でアクセスできるほか、山頂までは舗装された参道が続いています。参道入口の手前にある駐車場まで、道幅がかなり狭いため運転はご注意ください。

富山 仁王門

出典:PIXTA(仁王門と富山観音堂)

杉林に囲まれた参道(階段)を上ること6分ほどで、富山の山頂に到着。屋根付きの展望デッキがあるほか、茅葺屋根の「仁王門」や伊達政宗の長女・五郎八姫が改修したお堂※「富山観音堂」、鐘楼が建っています。

 

キラキラと輝く大海原に浮かぶ島々と、雲が漂う広大な大空との対比が見事で、麗観=「美しく麗しい眺め」という名にふさわしい風景。富山は江戸時代より『奥州名所図絵』などに「松島の景悉く(ことごとく)富山にあり」と記されるくらい、古から有名な景勝地だったと伝えられています。

 

※富山観音堂は坂上田村麻呂が大同年間(806~810)に、慈覚大師作の観音菩薩像(松島町にある「瑞巌寺」の前身、「延福寺」を開いた高僧)を安置したことからはじまる。お堂は、承応3年(1654)に伊達政宗の長女・五郎八姫(いろはひめ)によって改修された。涌谷町の「箟岳(ののだけ)観音」、石巻市の「牧山(まきやま)観音」と併せて、奥州三観音の一つ。

隠れた眺望スポット「大仰寺」もオススメ!

大仰寺 松島

出典:PIXTA(大仰寺の庭園と松島)

大仰寺(だいぎょうじ)は、参道入口から少し下った先にあります。松島の「円通院」と同じく、瑞巌寺第100世洞水和尚により開山された臨済宗妙心寺派のお寺です。

 

敷地内には松島湾を借景とした枯山水の庭園、殻ぶき屋根の本堂「紫雲閣(しうんかく)」があり、明治天皇や大正天皇も東北巡礼の際に富山を登られ、大仰寺にて休息されたと伝えられています。

 

境内から望む松島湾の眺めも「麗観」です。大人のデートにもオススメ。大仰寺は入園料100円がかかります。

 

富山の基本情報

所在地:

〒981-0211 宮城郡松島町手樽三浦

営業時間:

24時間

定休日:

なし

アクセス:

【車】三陸自動車道 松島北I.Cから奥松島パークライン経由で約11分

【電車・バス・徒歩】JR仙石線「陸前富山駅」から徒歩約45分

駐車場:
あり/無料/数台

④【北】観光地から徒歩でいける「扇谷(幽観)」

扇谷 日の出

出典:PIXTA

松島町と利府町の境目にある双観山(そうかんざん)、その後方にある標高は60mの高地が「扇谷(幽観)」です。

 

四大観のなかで唯一松島海岸(観光エリア)から徒歩で行ける場所ですが、道中は車通りの多い道で歩行者スペースの幅が狭いため十分注意してください。JR松島海岸駅から登山口まで徒歩約30分、山頂までは約3分です。

 

山頂から望める松島湾の入り江が、扇形に広がっているようにみえることから扇谷と名付けられました。

 

静寂に包まれた入り江から見える島々の姿はおぼろげで、幽観=「ひっそりとして奥深い眺め」という呼び名も納得です。

幽玄な史跡が残る

扇谷周辺は、仙台藩で数多くの寺院を開山・中興した雲居禅師(うんごぜんじ)ゆかりの土地。かつては「雲臥庵」や「海無量寺」といった、寺院や庵が建っていました。

 

現在は雲居禅師の後継にあたる鵬雲東搏禅師(ほううんとうばく)が残した「金翅堂(達磨堂)」と岩窟が保存されており、往時をしのびめます。また周囲にはケヤキやモミジが生い茂り、紅葉のスポットとしても有名です。

 

扇谷の基本情報

所在地:
〒981-0213 宮城郡松島町松島字桜岡入
営業時間:
24時間
定休日:
なし
アクセス:
【車】三陸自動車道 松島海岸I.Cから国道45号線経由で10分
【電車・バス・徒歩】JR松島海岸駅から、登山口まで徒歩約30分
駐車場:
あり/無料/数台

松島四大観よりお手軽なビュースポット3選

ここまで松島四大観をご紹介してきましたが、やはり車やタクシーがないとアクセスしづらいのが難点。

 

そんな方にオススメしたい、松島四大観ではないものの松島を一望できる3つのビュースポットをご紹介します。

① 西行戻しの松公園

西行戻しの松公園

撮影:編集部(西行戻しの公園から望む松島湾)

「西行戻しの松公園(さいぎょうもどしのまつこうえん)」は、松島海岸駅の裏手にある高台です。遊覧船が往来する松島湾、牡蠣の養殖風景、海にかかる朱色の橋「福浦橋」と「福浦島」など、松島の景色を箱庭のように望めます。

 

公園までは徒歩だと駅から20~30分ほどかかりますが、タクシーでもほぼワンメーターで済みます。また春には260本余りの桜が咲き誇り、お花見スポットとして有名です。頂上付近には見晴らしのいいカフェがあり、コーヒやケーキなどの軽食をいただけます。

 

また松島海岸駅近くにある「あいはら商店」にレンタルサイクルがあるので、自転車を利用するのもオススメです。

 

西行戻しの松公園の基本情報

所在地:

〒981-0213 宮城郡松島町松島字犬田地内

営業時間:

24時間

定休日:

なし (ただし冬季は周辺道路が封鎖)

アクセス:

【車】三陸自動車道松島海岸I.Cから国道144号線経由で約3分

【電車・バス・徒歩】JR松島海岸駅から徒歩約20分

駐車場:

あり/大型車10台/普通車150台/無料

② 新富山

新富山 松島

撮影:編集部(新富山から望む松島湾)

「新富山(しんとみやま)」は、松島四大観の富山(幽観)にちなんで名づけられました。松島四大観や西行戻しの松公園とは違い、市街地をはさんでの眺望となります。自然と人々の営みが調和した景色は、絶景とはまた違った温かみのある景観です。

 

駐車スペースは2台程度しかないため、徒歩もしくは自転車でのアクセスがオススメ。徒歩であれば東北本線「松島駅」からのほうが近く、自転車は先ほどご紹介した松島海岸駅付近のレンタサイクルを利用すれば、約15分くらいで着きます。

 

新富山の基本情報

所在地:

〒981-0213 宮城郡松島町松島愛宕裏

営業時間:

24時間

定休日:

なし

アクセス:

【車】JR松島海岸駅から国道45号線経由で、約5分

【電車・バス・徒歩】松島海岸駅から徒歩約15分、JR東北本線松島駅より徒歩約7分

駐車場:

なし

③ 双観山

松島 双観山

出典:PIXTA(双観山から望む松島湾)

「双観山(そうかんざん)」は扇谷の手前にある、標高40mほどの低山です。登山口は扇谷と同じく、国道45号線沿いにあります。山頂からみえる景色は「双観山」という名前の由来にもなっており、塩釜湾と松島湾の双方を眺めます。

 

また双観山は県内でも有名な初日の出スポットで、元日になると地元の人々で賑わう場所です。駅から徒歩30分ほどかかりますが、朝日を眺めに行くのもいいですね。

 

山全体が公園として整備されているため、山頂までの道のりもしっかり舗装されています。「味処 双観山」といった食事処もあり、お刺身や天ぷら、カキフライ定食といったメニューから、煎茶とお茶菓子のセットなどを提供しています。

 

双観山の基本情報

所在地:

〒981-0213 宮城郡松島町松島大沢平

営業時間:

24時間

定休日:

なし

アクセス:

【車】三陸自動車道 松島海岸I.Cから車で約20分

【電車・バス・徒歩】JR松島海岸駅から徒歩約20分

駐車場:

あり/30台/無料


アクセスは不便、だからこそ絶景が待っている!

松島扇谷 朝日

出典:PIXTA

「壮観」「偉観」「麗観」「幽観」。松島四大観は、その名が示す通り、素晴らしい眺望がみられます。

 

絶景とは、大抵は山の中などアクセスが容易でない場所にこそ潜んでいます。一日で回り切るのは難儀なので、何回かに分けて松島を訪ねてはいかがでしょうか?

松島扇谷 朝日
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