地底の森ミュージアムを見学しよう
入口からこの通路をまっすぐ進んで行くと、地下展示室が見えてきます。
広大な遺跡がある地下展示室へ
突然、広大な遺跡(埋没林)が目の前に現れました。
こちらが地底の森ミュージアムの目玉、およそ2万年前の旧石器時代の人々が活動したキャンプ跡と湿地林の跡です。もう少し近くに寄ってみましょう。
黒く根っこのように見えるものが、およそ2万年前の木(根や幹など)です。樹木が埋もれて残った「埋没林」です。
写真で見るよりも迫力があり、残っていたことに奇跡を感じます。
展示するために、樹木に含まれている水分は特殊な薬品におきかえて腐らない状態にし、本来の色へ戻す、という従来にない新しい保存方法を採用しているそうです。
ここから右回りに進んでみましょう。
なんと、約2万年前のシカのフンを見ることができます!
しっかりと原形をとどめており、約2万年前のフンだとは思えません。なぜこんなにも長い間、地中に存在し続けることが可能だったのでしょうか。
このシカのフンは、湿った土地に落とされました。やがて水が運んできた粘土に覆われますが、上に重なった地層と地下水の働きが天然の冷蔵庫のような役目を果たし、現代まで保存されていたと考えられています。
こちらは、旧石器時代の人々がたき火をした跡。たき火跡とされるところからは細かい炭化物が、その周囲からは石器が出土したそうです。
こちらには、約2万年前から現代までの地層が展示されていました。
1番下に見えるのが、約2万年前の地層だそうです。
そうこうしているうちに、何やら辺りが薄暗くなってきました。
当時の様子を映像で復元
かなり暗くなりました。何かはじまりそうです。
壁面に映像が浮かび上がりました。
調査したことを元に、2万年ほど前の富沢の様子を復元したもので、旧石器時代の世界をわかりやすく解説してくれます。7分間の上映ですので、ぜひ見てみてください。
上映中に遺跡の方を見てみると、たき火の跡がライトアップされていました。本当にたき火をしているかのような、なんとも幻想的な雰囲気に。
上映が終わり、展示室を1周したところで再び入口へ戻ります。
地下展示室の入口には2万年前の樹木の展示があり、実際に触れられるそうです。さっそく行ってみましょう!
2万年前の木に触れてみよう!
公式キャラクターの富沢博士が「大事な資料なので、やさしくさわってください」とおっしゃってます。
右が薬品処理された木で、左は薬品未処理の木。どちらも2万年前の本物の木です。
せっかくですので、筆者も少しさわってみました。薬品処理された方は弾力があり、まるで今でも生きているかのよう。未処理の方は硬く乾いた感じです。貴重な体験をさせていただきました。
次は、中地下の展示室に行ってみましょう。
中地下の展示室へ
中地下の展示室へは、こちらから上がって行きます。
中地下の展示室へ通じる通路には、2万年前の石器や平安時代の土器などが展示されているので、お見逃しなく。
中地下の展示室から地下展示室を見よう
中地下の展示室からは、地下展示室の全体が見渡せます。埋没林をもう少し近くから見てみましょう。
地下展示室で見るのと、また違った感じに見えますね。かなり雄大な眺めで、ここは筆者おすすめのポイントです。
続いて1階の常設展示2へ。
常設展示2
常設展示2へは、この階段を上って行きます。
こちらが常設展示2の入口です。すぐ左手にシカさんが見えますね。
二ホンジカの親子が出迎えてくれました。こちらは剥製だそうです。
常設展示2に入ると、目に飛び込んできたのはズラリと並ぶ頭骨。頭骨の高さは身長を表しており、人類の身体的変化やその過程が分かります。
奥にも展示エリアがあり、旧石器時代の打製石器やたき火跡のこと、2万年前の海岸線や富沢の植生について、展示パネルで紹介されています。
説明文には専門用語や小難しい言葉は使われておらず、漢字にはふりがなも付いています。読みやすいよう工夫されているので、ぜひ1つずつじっくり見ていただきたいところ。
こちらは、復元された2万年前の富沢の様子です。スタートボタンを押すと、旧石器時代の人々が動き出し、当時の営みを見ることができます。中央にポコンと出ているピラミッド型の山、太白山がかなりリアルに感じられました。
そのまま企画展示室に行ってみましょう。
企画展示室
企画展示室では、期間ごとにさまざまな企画展を開催しています。今回の取材時は、ガラスに関する企画展が開催されていました。
続いて展望ラウンジへ。
展望ラウンジ
展望ラウンジでは、2万年前の狩人たちのテントのイメージが展示されていました。
狩人たちになりきって記念撮影ができる顔はめパネルが設置されています。記念にぜひどうぞ。
展望ラウンジには大きな窓があり、野外展示「氷河期の森」を見ることができます。およそ2万年前の氷河期、この場所に広がっていた森を復元したものです。
では、実際に外へ出て野外展示を見に行ってみましょう。