目次
秋保大滝ってどんなところ?
秋保温泉街から車を走らせること約15分、宮城と山形の県境手前に「秋保大滝(あきうおおたき)」があります。仙台市街からも車で1時間内とアクセスしやすいため、今や仙台観光の目玉の一つです。
幅6m、落差55mの規模を誇り、日本の滝百選の一つにも数えられています。また諸説ありますが、栃木県の「華厳の滝」や和歌山の「那智の滝」と並び、”日本三名瀑”に数えられる名瀑です。
秋保大滝を成すのは、秋保温泉街を含む仙台市や名取市を流れる一級河川・名取川(なとりがわ)。
名取川の源流は山形と宮城の県境に連なる蔵王連峰の北部、大東岳(だいとうだけ)と神室岳(かむろだけ)に挟まれた峠付近とされています。
水源である峠から渓谷美で有名な「二口渓谷(ふたくちけいこく)」を流れていき、秋保大滝へ。二口渓谷には自然遊歩道があるため、散策も楽しめます。詳しくは記事後半でご紹介。
秋保大滝は、火山灰などが凝結し形成された凝灰岩の断崖を、名取川の全水量が落下し滝となったもの。秋保大滝の下流には秋保温泉があり、仙台や名取市街を通り太平洋へと繋がっていきます。
そんな秋保大滝の観賞ポイントは、「滝見台」と「滝壺」の2ヶ所。まずは各ポイントからみえる景色やアクセスなどをみていきましょう!
秋保大滝の観賞ポイント① 滝見台
まずは「滝見台」へ向かいましょう。大滝れすとはうす駐車場の脇にある鳥居をくぐり抜け、秋保不動尊(西光寺)の境内へ。バスで行く場合、停留所のすぐ近くに鳥居があります(徒歩10秒)。ちなみに秋保大滝はペット連れもOK! ※マナーには気を付けてください。
境内に入ると正面に不動堂がみます。その脇を通る整備された道を進み、境内の奥へ。
すると森の中へ伸びていく、ゆるやかな石段がみえてきます。段差も低く、手すりもついているので歩きやすいです。
階段を下ると滝見台に到着! 鳥居から徒歩5分くらいで着きます。
滝見台自体は広いのですが、一番滝がよくみえる眺望ポイントはスペース狭め。5、6人くらいが限界で、順番待ちの人が二重三重と並んでいます。譲り合って滝を観賞しましょう!
秋保大滝は24時間365日出入りが自由なので、観光客の少ない冬も狙い目。厳冬時期にみる秋保大滝は、白い雪と水流、黒い岩で構成された水墨画のような景色です。
葉も落ちているため、視界が開けて滝がよくみえます。冬ならではの魅力ですね。
とくに厳冬期にあたる1月~2月は、滝が凍ることも。滝見台までの道中は、十分足元に気を付けてくださいね。
秋保大滝の観賞ポイント② 滝壺
秋保大滝の最大魅力は、滝壺へ近づけること。滝壺までは遊歩道が通っており、健脚であれば誰でも行けます。
遊歩道は2ヶ所あり、① 滝見台から滝壺へ向かう道② 大滝れすとはうす駐車場から徒歩約10分「不動滝橋」近くの遊歩道か滝壺を目指すルートです。オススメは② 不動滝橋ルート。
滝見台から滝つぼへ向かうルートは、未塗装なうえに傾斜のキツイ山道となっています(滝見台からの所要時間:約20分)。
不動橋ルートは元来た道を引き返し、車道を歩いて不動滝橋の先にある「滝つぼ駐車場」へ。そこから整備された遊歩道を進み、滝壺を目指します(滝見台からの所要時間:20分)。
滝壺周辺には大きな岩屋石が転がっているため、ヒール付きの靴やサンダルは適しません。スニーカーなど履きなれた靴で散策しましょう!
また水しぶきが強烈なので、けっこうビショビショになります。着替えなどがあると安心です。
秋保大滝までのアクセス
所在地
宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝
電話番号
022-398-2323(秋保温泉郷観光案内所)
営業時間
24時間
アクセス
【車】
東北自動車道 仙台南I.Cから国道286号線へ、県道62号線を経由し約10分
【電車・バス】
平日(土日祝も含む)
・JR「仙台駅」からJR仙山線に乗車し約30分「愛子駅」下車、仙台市営バス「二口行き」に乗車約40分、「秋保大滝」下車徒歩すぐ
・JR「仙台駅」から徒歩約5分、63番乗り場からタケヤ交通 仙台西部ライナー「かわさきまち行き」に乗車約30分、「秋保・里センター」で下車し仙台市営バス「二口行き」に乗車約25分「秋保大滝」下車徒歩すぐ
【運賃】
・電車 & 仙台市営バス
仙台→愛子駅…片道330円
愛子駅→秋保大滝…片道770円
・タケヤ交通西部ライナー
仙台→秋保・里センター…片道840円
秋保・里センター→秋保大滝…片道660円
※仙台市営バスの時刻表はこちら
土日祝日のみ
JR「仙台駅」西口バスプール8番乗り場より、宮城交通バス「仙台駅前~秋保温泉行き」に乗車し約80分、「秋保大滝」下車徒歩すぐ
駐車場(2ヶ所)
① 秋保大滝駐車場
県道62号線沿「大滝れすとはうす」内にある駐車場。滝見台まで徒歩約5分、滝壺まで約15分。料金は無料。収納スペースは約100台。
② 秋保大滝 滝つぼ駐車場
県道62号線沿い「不動滝橋」を渡った先にある駐車場。滝つぼまで徒歩約10分、滝見台まで約10分。料金は無料。収納スペース約10台。
秋保大滝周辺の観光名所5選
秋保温泉や仙台方面へ戻る前に、もっと秋保大滝周辺でリフレッシュしていきませんか? 続いてはあまり知られていないけれど寄ってほしい、観光スポットをご紹介。
① 願いが叶う「秋保大滝不動尊(滝本山 西光寺)」
秋保大滝の入口にあり、滝見台へ向かう際に通る「秋保大滝不動尊(正式名所は滝木山西光寺)」。不動明王を本尊とする、真言宗智山派のお寺です。平安時代初期、※円仁(慈覚大師)が開祖と伝えられています。
現在の御堂(大滝不動堂)は、江戸時代後期の文政8年(1825)に知足上人(きちそくしょうにん)というお坊さんによって再興されたもの。
知足上人が少年のころ母親が目の病で苦しんでおり、大滝不動尊に病気が治るよう祈願したところ見事に回復。その出来事が動機となり、仙台市の龍宝寺で出家。厳しい修行を重ね、ついには木食行者(五穀を断ち、木の実や若芽だけを食べる人)となった知足上人は、念願だった不動堂の再建を果たします。
その後本願をかなえた知足上人は、秋保大滝に身を投げて44歳の生涯を閉じました。そういった経緯もあり秋保大滝不動尊は”人々の願いをかなえてくれる”と、現在も多くの参拝者が足を運びます。
堂内に安置されている本尊の不動明王(大滝不動明王坐像)は、伊達家の鋳物師・津田甚四郎の作と伝えられており、像高約3.3mと金銅不動明王としては日本一の大きさ。また御堂に彫られた彫刻の中から「鯉」を見つけると、良縁に恵まれるという噂も……。
秋保大滝不動尊の基本情報
所在地:
仙台市太白区秋保町馬場大滝11
電話番号:
022-399-2127
拝観時間:
9:00~17:00
拝観料:
無料
御朱印:
あり(300円)
アクセス:
「秋保大滝れすとはうす駐車場」から徒歩約3分
② 自然に癒される「秋保大滝植物園」
「秋保大滝植物園」は大滝駐車場に隣接しており、秋保大滝とセットで訪れる観光客がほとんど。宮城県の山地などの草木を約200種類、およそ15,000本の植物が植栽されており、マイナスイオンをたっぷり浴びながら自然散策を楽しめます。園内には「すだれ滝」や「みぞれ滝」があり、秋保大滝とはまた違った雰囲気をもつ滝です。
ほかにも炭焼き小屋やカブトムシ飼育所があるほか、ワークショップなども不定期で開催。詳しくは秋保大滝植物園のブログをご確認ください。
秋保大滝植物園の基本情報
所在地:
仙台市太白区秋保町馬場字大滝5
開園時間:
9:00~16:30(4月~11月)
休園日:
開園期間中は無休※12月~3月は休園
料金:
大人…240円
高校・大学生…180円
小・中学生…120円
アクセス:
秋保大滝駐車場内
問い合わせ:
022-399-2761
③ 渓流散策でリフレッシュ!「二口峡谷自然歩道」
二口峡谷自然歩道(ふたくちきょうこく)は、名取川上流の渓流散策を楽しめるハイキングコースです。秋保温泉から車(もしくはバス)で約10分の場所にある「秋保二口キャンプ場」の駐車場を起点とし、道中には次で紹介する「磐司岩」や、終盤では国の天然記念物「姉滝」を望めます。
遊歩道が整備され、案内標識も等間隔で立っているため迷う心配はありません(コース途中には三方倉山の登山口があったりします)。全長2キロメートル、所要時間は約40~50分(休憩含めず)。
道中にトイレはないため、キャンプ場の手前にある「秋保ビジターセンター」を利用してください(トイレや公衆電話は、冬季も含めて24時間利用可能)。
二口峡谷自然歩道の基本情報
所在地:
仙台市太白区秋保町馬場字本小屋16-1
営業時間:
24時間
※秋保ビジターセンターは4月1日~11月30日の9:00~16:30(火曜は休館日、祝日の場合は翌日)
アクセス:
【車】
秋保大滝から林道二口線経由で約10分、「秋保二口キャンプ場」の駐車場に駐車(数台)。もしくは手前の「秋保ビジターセンター」の駐車場(15台)に停め、キャンプ場の駐車場まで10分ほど歩く。駐車場入り口の左側に、遊歩道の入口があります。
【バス・徒歩】
「秋保大滝」停留所から仙台市営バス「二口行」に乗車し約8分、終点「二口」下車徒歩約10分。
問い合わせ:
022-399-2324(秋保ビジターセンター)
④ 知る人ぞ知る絶景「磐司岩」
岩石の柱が集合し、断崖屏風を縦にめぐらせたような断崖を成している「磐司岩(ばんじいわ)」。垂直に切り立つ岩壁の高さは80m~150mほど、およそ3キロメートル以上の長さがあります。
磐司岩があるのは、山形県との県境近く。秋保大滝から山形方面へ車を走らせること約10分、県道62号線の終点「秋保ビジターセンター」へ。そこから先は山形県の山寺まで二口林道が続いており、磐司岩の展望スポットはその道中にあります。
展望スポットは磐司岩のすぐ下にある「磐司壮観展望台」(ビジターセンターから約3キロ)、磐司岩の全体を見渡せる「磐司パノラマ展望台」(ビジターセンターから約4キロ)の2ヶ所。徒歩での散策か車、オフロード用の自転車で移動になります。徒歩だと1時間ほどかかるので、車が便利です。
※宮城県と山形県を結ぶ林道二口線は、2019年8月9日に舗装工事も完了して全線開通となっています。
【磐司岩の基本情報】
所在地:
宮城県仙台市太白区秋保町馬場岳山
電話番号:
022-399-2324(秋保ビジターセンター)
アクセス:
【車】
秋保大滝から県道62号線、林道二口線経由で約20分
【バス・徒歩】
「秋保大滝」停留所から仙台市営バス「二口行」に乗車し約8分、終点「二口」下車徒歩約50分
⑤ 勝負に勝ちたいあなたへ「秋保神社」
秋保大滝から仙台市街へ戻る道中にある「秋保神社(あきうじんじゃ)」。創建は今から1,200年前の、平安初期の大同3年(808)。征夷大将軍の坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が蝦夷(現在の東北地方)を征討する際、この地に熊野神社を祀ったのがはじまりと伝えられています。
参道には「勝負の神」と書かれたのぼりが立ち並び、どんなご利益が期待できるのかは一目瞭然ですね。主祭神の”建御名方神(たけみなかたのかみ)は武人の神様として知られ、合格祈願や商売繁盛、必勝祈願など人生の勝負事に強く、受験生や有名スポーツ選手(フィギアスケートの羽生結弦選手など)がお参りにくることで知られています。
のぼりは記名入りで一式5,000円、奉納してからは約1週間~10日間ほどかかるため、検討されている方はお早めに!
秋保神社の基本情報
所在地仙台市太白区秋保町長袋字清水久保北22
電話番号:
022-399-2208
拝観時間:
9:00~17:00
拝観料:
無料
御朱印は初穂料300円。祈祷内容によって料金が異なります。
アクセス:
【車】
秋保大滝から県道62号線経由で仙台市方面へ約10分
【電車】
秋保大滝停留所から市営バス「白沢車庫前行」に乗車約12分、「秋保神社前下車」すぐ
秋保大滝周辺のオススメランチ3選
続いては、秋保大滝周辺の食事処をご紹介!
① ヘルシーな豆腐デザートが人気!「不動茶屋」
秋保大滝の滝見台にある、古民家風のカフェ。館内はオシャレな和風テイストな内装で、落ち着きのある空間が広がっています。
豆腐をつかったメニューが豊富で、定義でお馴染みの三角油揚げや、豆腐アイスなど軽食やデザートを提供。なかでも人気なのは「竹豆腐」で、その名の通り竹に豆腐が入っており、クリーミィで甘味のある味わいが特徴です。スーパーで売られている豆腐とは大違い! と口コミでもなかなか好評。
【不動茶屋の基本情報】
所在地:
10:00~16:00
営業時間:
4月~11月…11:00~17:00
12月~3月…11:00~16:00
定休日:
不定休
電話番号:
022-399-2707
② ほんとうに美味しいソフトクリームがある「大滝れすとはうす」
秋保不動尊の入口にある「大滝れすとはうす(イタリアンキッチンえむ)」。館内には無料で利用できる休憩所があるほか、地場の旬な野菜や山菜を使ったパスタやピザを楽しめるイタリアンレストランがあります。
なかでも見逃せないのは「ほんとうにおいしいソフトクリーム」。コクのあるミルキーな味わいと口触りのよさが特徴で、その名の通り本当に美味しい! と口コミで話題を呼んでいます。
③ コシのある手打ち蕎麦が人気!「状庵(じょうあん)」
秋保大滝不動尊入口の向かいにある、お蕎麦屋さん(旧店名は「たまき庵」)。ドライブイン風の外観で、店内はテーブル席が中心。完全禁煙です。
振舞われるのは手打ち蕎麦で、強いコシのお蕎麦が人気。口コミもなかなか高評価のお店です。ある歯ごたえのある「田舎そば」、のど越しのいい「ざすそば」が定番メニュー。
秋保大滝周辺の食事処は数が少ないため、秋保温泉街まで戻ってみるのも手です。本格ピザや、老舗洋食屋、多彩なコッペパンで話題になったお店など、豊富なグルメを楽しめます。
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四季折々の秋保は魅力が、いっぱい!
今回は、秋保大滝を中心に秋保周辺の見所をご紹介しました。仙台といえば都会的なイメージが強いと思いますが、秋保地区の自然豊かな風景には心が癒されること間違いありません。
また林道二口線がようやく全通開通となったので、秋保から山形県へ足を伸ばしてみるのもいいですね。