松島は月の名所
京都府の天橋立、広島県の宮島と並ぶ、日本三景の「松島」。
松島湾内外にある大小260余りの島や、湾を囲む松島海岸、丘陵も含めた地区を総称して「松島」と呼んでいます。
伊達政宗、松尾芭蕉、アイン・シュタインも月見を楽しんだ
松島は、古くから月の名所としても有名でした。
仙台藩藩祖・伊達政宗をはじめ、1922年にはアイン・シュタインが月見をするために松島へ訪れています。
江戸時代の俳人、松尾芭蕉もその1人。
『おくの細道』の冒頭でも「松島の月まづ心にかかりて~」(松島の月の美しさがまず気になって~)と記すくらい、松島の月に対して憧れを抱いていたようです。
しかし、実際に松島を訪れた芭蕉は、松島の月に関する句を残していません。
きっと、あまりの美しさに見惚れてしまい、俳句どころではなかったのかもしれませんね。
2016年には「日本百名月」の地に認定
そんな松島ですが、2016年には「日本百名月」に選ばれました。
「日本百名月」とは、とくに後世に残したい名月を、一定基準のもとに「日本百名月」として認定・登録するもの。
松島の他にも、東京タワーや伊豆北川温泉のムーンロード、京都府の宇治市などが登録されています。「日本百名月」の公式HPはこちら。
月見をするなら9月~10月がオススメ!
狙い目は、やはり”中秋の名月(十五夜)”です。
中秋の名月とは、旧歴である太陰太陽暦の8月15日に見える月のこと。
旧歴と現在の新暦とでは1~2か月ほどズレがあり、今では9月~10月の1周目くらいに当たります。
しかし中秋の名月だからといって、必ずしも満月になるとは限りません。
詳しく知りたい方は、国立天文台の公式HPをご覧ください。
ですが月見をするのに、秋はもっとも適した季節であることに変わりはありません。
その理由は、月の高さに関係しています。
月の高さが関係している
月のみえる高さは、季節によって異なります。冬の月は空高く、夏の月は低い位置にあるのです。
月が低い位置にある夏は、地表の明かりや塵によって月明かりが霞んでみえます。
さらに大気によって光が吸収される「減光」という現象起こるため、月は暗くみえてしまうのです。。
逆に冬は月が高い位置にあるため、大気の影響を受けずくっきり見えます。
ならば春はどうなのでしょう?
「朧月夜(おぼろつきよ)」「春霞(はるがすみ)」といわれるように、春は花粉や塵が多い季節。
ですから、一年の中でもっとも月が綺麗に見えるのが「秋」という答えになります。
松島の満月カレンダーをチェック!
9月~10月以外にも、松島で満月を見られます。「2021年松島満月カレンダー」が松島観光協会のHPで公表されているので、ぜひチェックしてみてください。
松島の月見を楽しむならココ!4つの月スポット
① 観瀾亭(かんらんてい)
松島で月見をするのであれば、ぜひ「観瀾亭(かんらんてい)」まで足を伸ばしてみてください。
最寄り駅であるJR仙石線「松島海岸駅」から徒歩5分ほどの場所にあります(松島遊覧船乗り場のすぐ近くです)。
例年、中秋の名月に合わせて、観瀾亭では「お月見会」が行われます。
抹茶やお菓子をいただき、月夜の松島湾を眺めながら生演奏会を楽しむという内容です。
チケット(1,000円)は当日分を観瀾亭で販売開始し、各回先着50名。
2021年の開催日はまだ未定です(2020年は10月1日に実施されました)。
【観瀾亭の基本情報】
所在地:
松島町松島町内 松島町字町内56
駐車場:
なし
アクセス:
JR仙石線「松島海岸駅」から徒歩約4分
詳細はこちら
② 西行戻しの松公園(さいぎょうもどしのまつこうえん)
「西行戻しの松公園」は、松島湾に浮かぶ島々を箱庭のように一望できるビュースポット。
松島海岸駅から徒歩約20分、車で約10分の道のり。広めの駐車場も完備されています。
園内にはいくつか展望スポットがありますが、「白衣観音展望台」からの眺めがオススメ。
上の写真もそうですが、松島のパンフレットなどに用いられる写真も白衣観音展望台から撮影されたものが多いそう。
【西行戻しの松公園の基本情報】
所在地:
宮城郡松島町松島字犬田
料金:
無料
アクセス:
JR仙石線「松島海岸駅」から徒歩約20分、もしくはタクシーで約3分
駐車場:
あり
詳細はこちら
③ 新富山(しんとみやま)
松島海岸駅と松島駅の中間に位置している、「新富山」。標高45mの山で、山頂には展望台と東屋があり、松島町と松島湾に浮かぶ島々を一望できます。
観光の中心地から離れていますが、”松島四大観”よりアクセスしやすく、あまり知られていないため穴場的な場所です。すぐ近くに、旅館「花ごころの湯 新富亭」があります。
【新富山の基本情報】
所在地:
宮城郡松島町松島愛宕裏
料金:
無料
アクセス:
・JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約15分
・JR東北本線「松島駅」より徒歩約7分
駐車場:
なし
詳細はこちら
④ 双観山(そうかんざん)
「双観山」は、松島海岸の南に突き出ている岬の丘です。公園として整備されており、頂上の展望台からは松島湾と塩竈湾の双方を望めます。
山とはいえ、標高わずか43mの小高い丘のような所です。駐車場から展望台まで、徒歩約3分で着けますよ。
【双観山の基本情報】
所在地:
宮城郡松島町松島大沢平16-36
料金:
無料
アクセス:
JR仙石線「松島海岸駅」から徒歩15分、もしくはタクシーで約4分
駐車場:
あり
詳細はこちら
■松島町に宿泊して、月見を楽しもう!
正面に松島湾を望む沿岸、松島湾を見下ろす高台。眺望が自慢のホテルや旅館が数多くあります。
なかには松島温泉を楽しめる宿もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
「楽天トラベル」で松島町の宿・ホテルをさがす「Yahoo!トラベル」で松島町の宿・ホテルをさがす「じゃらん」で松島町の宿・ホテルをさがす
古から人々を魅了する、松島の月は一見の価値あり!
墨絵のようなの島々を照らす、黄金の月。伊達政宗や松尾芭蕉、そしてアイン・シュタインも月見を目当てに松島を訪れました。
見頃は9月~10月にかけて。いつの時代も人々を魅了して離さない、松島の月を見に行きませんか?
※写真の福浦橋はライトアップされていますが、満月とその前後を含む3日間は、自然の風景に溶け込む松島の月を楽しんでもらうために、福浦橋のライトアップは行われません。