宮城の伝統工芸品「こけし」とは?由来や系統をカンタン解説

温泉地を中心に生まれた、宮城の伝統こけし。土産物として、ときには縁起物として大切にされてきました。最近では第三次ブームが起こり、こけ女(こけし好き所持)を中心に人気を集めています。今回はこけしの由来や系統の違い、県内の観光施設もご紹介!

アイキャッチ画像出典:PIXTA

「こけし」とは?

江戸時代、湯治客のお土産として誕生!

宮城 伝統こけし

こけしが誕生したのは、江戸時代後期。山の中でお椀や盆を製作していた”木地師(きじし)”が、湯治場で土産物として販売したのがキッカケだといわれています。

 

子供の玩具としても親しまれ、子供が握りやすいよう胴体を細くしたのだそう。「こけし」という呼び名に統一されたのは、昭和15年。それまでは各地の方言で、さまざまな呼び名があったそうです。

こけしちゃん
こけしちゃん
「こけし」と呼ばれる前は、キナキナ、コゲス、デゴ、キボコなど色んな呼び名があったわ。

昔から変わらぬ「伝統こけし」、日々変化する「新型こけし」

新型こけし

出典:PIXTA

こけしは、大きく2種類あります。江戸時代から変わらぬ手法でつくられているのを「伝統こけし」と、全国観光地の土産店で売られているような形や彩色・模様などが多用な「新型こけし」です。

 

伝統こけしは全国11系統(東北)あり、昔から受け継がれている縛りを守りつつ、今までになかった新しい趣向を入れるなど工夫を凝らしています。

 

一方で「新型こけし」は全国各地にあり、伝統にとらわれない新しい形のこけしが多く誕生しています。

第三次ブーム!「こけ女」が急増中!?

こけしを絵付けする人

出典:PIXTA

こけ女(こけしが好きな女性たち)によって、こけしの第三次ブームが続いています。ちなみに第一次は昭和初期。『こけし這子(ほうこ)のはなし』という本が出版されたのをキッカケに、民芸品や骨董品のコレクターがこぞって集めたそう。

 

第二次ブームは、戦後の高度経済成長期に発生。急速な近代化が進む一方で、古き良き日本文化を見直そうという動きが高まり、再びこけしが注目されました。

 

そして現在、第三次ブーム。30~40代の女性を中心に、こけしファンが急増! 「こけ女」という造語までも生まれ、話題になりました。

 

また伝統にとらわれず、ディズニーキャラクターとのコラボや、映画「スターウォーズ」のキャラクターとコラボしたこけしも登場。今までになかった、新しいこけしが誕生しました。

こけしちゃん
こけしちゃん
時代が進むにつれて、私たちのあり方も変わってくるわね…。

宮城県はこけしの聖地!?

東北地方 地図

出典:PIXTA

全国11系統ある伝統こけしですが、全国とはいっても東北地方しかありません。なかでも三大こけし発祥の地とされているのが、宮城県の鳴子(なるこ)温泉と遠刈田(とがった)温泉、福島県の土湯(つちゆ)温泉です。

鳴子系こけし

出典:PIXTA(鳴子系伝統こけし)

伝統こけしはそれぞれの産地に見合った技法でつくらるため、形態や模様もさまざま。

 

たとえば津軽系には、胴体にアイヌの模様が描かれていたり、鳴子系は首を回すとキュッキュと音が鳴ったり……と、こけしも様々な種類があるのです。

 

系統は以下の通り。

津軽系(青森)、木地山系(秋田)、南部系(岩手)、鳴子系(宮城)、作並系(宮城)、遠刈田系(宮城)、弥治郎系(宮城)、肘折系(山形・宮城)、山形系(山形)、蔵王高湯系(山形)、土湯系(福島)
こけしちゃん
こけしちゃん
全国11系統中、5系統が宮城県にあるのよ。すごいわね、宮城。

 

今回は宮城の伝統こけしについて、深掘りしていきます!

宮城の伝統こけしを紹介

宮城 伝統こけし

出典:PIXTA

鳴子(なるこ)系

宮城県北部、鳴子温泉を中心に発達した系統。首を回すと、キュッキュと音が鳴る。胴体には少しくびれがあり、上下にはろくろ線、その間に効く模様が描かれている場合が多い。

作並(さくなみ)系

仙台市から車で約30分、作並温泉を中心に発展した系統。ちょっとキツメな顔立ちが特徴。子供が握りやすいことを重視しているため、ほかの系統よりも胴体が細い。

遠刈田(とおがった)系

宮城県南部、蔵王連峰の麓に広がる遠刈田温泉の系統。大き目な頭に、胴体は垂直のシンプルな形をしている。額から頬にかけて、赤い花びら模様が描かれているのが特徴。

弥治郎(やじろう)系

遠刈田温泉からほど近い、白石市の弥次郎集落を中心に発達した系統。ろくろ模様が多用された胴体と、さまざまな色の輪が描かれたベレー帽のような頭が特徴。

肘折(ひじおり)系

山は他県の肘折温泉を中心に発達した系統。鳴子系と遠刈田系の流れを受け継いでいる。黒々としたおかっぱ頭、三日月型の目元、輪郭を描いた唇、鮮やかな黄色に立ち菊が描かれた胴体という、全系統のなかでもかなり独特な雰囲気の持ち主。

宮城県各地にある「こけし」が主役の観光施設

世界一のこけし展示数「みやぎ蔵王こけし館」

日本こけし

出典:PIXTA

遠刈田温泉内にある「みやぎ蔵王こけし館」。全国の伝統こけしや木地玩具5,500点を展示しており、その数は世界一を誇ります。

 

ほかにも、こけし製作の実演コーナーや、絵付け体験で”オリジナルこけし”をつくれるなど、世代を問わず楽しめる観光施設です。

<みやぎ蔵王こけし館の基本情報>

所在地:

刈田郡蔵王町遠刈田温泉字新地西裏山36-135

開館時間:

09:00~17:00(最終入館16:30)
※年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)の最終入館15:00

公式HPはこちら

歴史の古い「日本こけし館」

鳴子温泉街にある「日本こけし館」。「みやぎ蔵王こけし館」よりも少し早く、昭和50年に開館しました。

 

伝統こけしが系統別に展示されているほか、毎年鳴子温泉で開催されている「全国こけし祭り」で奉納された、全国各地のこけしも展示されています。ロクロ実演コーナー、絵付け体験なども実施。

 

<日本こけし館の基本情報>

所在地:

大崎市鳴子温泉字尿前74-2

開館時間:

08:30~17:00
※12月1日~12月31日まで09:00~16:00

公式HPはこちら

江戸時代からつづく伝統こけし

こけし 三姉妹

撮影:編集部

機械による大量生産が主流の現在。「こけし」も東北のみならず、全国各地で土産物として見かけるようになりました。

 

しかし発祥地である東北では、いまもなお昔から引き継がれてきた技法で、こけし工人が手作業でつくり続けています。

こけしちゃん
こけしちゃん
宮城のほとんど温泉地には、私たち「こけし」がいるわ!ぜひ会いにきてね。

 

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GOGO MIYAGI 編集部
GOGO MIYAGI 編集部

GOGO MIYAGI!運営&記事編集担当。マグロとすんだ餅が好物。宮城にある神社や仏閣、景勝地、B級スポットの発掘に日々没頭中。読者の皆様にわかりやすく、ためになるような記事製作を心掛けています。