「虚空藏山 大満寺」がん封じで名高いお寺を訪ねる

2020/10/16 更新

がん封じのお寺として有名な、仙台市愛宕山にある「大満寺(だいまんじ)」。山号は虚空蔵山(こくうぞうさん)。仙台という地名のルーツとなった千躰仏を祭っているほか、伊達家に忠誠を尽くした家老の菩提寺でもありま。そんな大満寺の歴史や見どころをご紹介。

記事中画像:撮影筆者

大満寺ってどんなお寺?

仙台市 大満寺

仙台駅から仙台市営地下鉄南北線で約5分、中心街から少し離れた場所にある「大満寺(だいまんじ)」。山号は虚空蔵山(こくうぞうざん)。

※奥州藤原氏が創建したと伝えられ、800年あまりの歴史をもつ※曹洞宗のお寺です。

 

ちなみに仙台市内には「曹洞宗 虚空蔵山 大満寺」という寺院が2か所あります。今回ご紹介するのは、仙台市太白区にある大満寺です。

もう一方は仙台市泉区にあります。

 

※奥州藤原氏…平安末期、平泉を拠点に古代東北を支配した大豪族。のちに鎌倉幕府を開く、源頼朝によって滅ぼされた。

※曹洞宗(そうとうしゅう)…仏教の一派「禅宗」の一部。鎌倉時代に道元が中国から伝えた。修行の中心を坐禅と考え、釈迦を本尊としている。

丑、寅歳の守本尊が祭られている

十二支の丑寅

出典:いらすとや(作成編集部)

守本尊とは、一生を通して守ってくださる守護神のこと。生まれ年の干支・十二支で決められています。

大満寺のご本尊は、丑寅(うしとら)歳の守本尊である”虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)”。本尊を祭る「虚空蔵堂(こくうぞうどう)」は仙台市指定有形文化財となっており、大満寺の見どころの1つとなっています。

伊達忠宗の位牌寺

伊達政宗の嫡男であり、仙台藩藩主2代目を継いだ伊達忠宗(だて ただむね)。60歳で生涯を閉じた忠宗は、大満寺に位牌寺として三十六万石の領地を奉納・寄進されました。

※位牌寺…位牌(故人の法名、没年月日、俗名、享年を記した木の札)を納める寺。

仙台のルーツ、大満寺にあり!

仙台城跡

▲仙台城「本丸大広間」

また大満寺は、仙台という地名の由来になった「千躰仏(せんたいぶつ)」が祭られていることでも知られています。

千躰仏とは、供養や回向(えこう/冥福を祈ること)のために彫られた、千体の木彫り仏像のこと。大満寺が青葉山にあった頃から、境内に祭られていました。

 

■伊達氏以前の「せんだいじょう」から青葉山に鎮座していた

もともと大満寺は、現在仙台城跡がある青葉山に鎮座していました。その頃青葉山を支配していたのは、伊達家ではなく国分氏(こくぶんし)という武士の一族。

城内には長泉寺、龍泉院、光禅寺、玄光庵、大満寺の五ヵ寺があり、大満寺の虚空座堂が主塔でした。

そのため居城を「虚空蔵城」や「虚空蔵楯(館)」と称していたそうです。

 

国分盛氏(こくぶんもりうじ)が当主に就くと、城の名前を「虚空蔵城」から「千躰城」と改めます。

伊達家で編纂された仙台藩の正史『伊達治家記録(だてじけきろく)』によると、「城辺に千躰仏を社るが故に千躰城と号す」と記されています。

 

その後「千躰城」→「千代城(せんだいじょう)」と改名。そして伊達政宗により国分氏が滅び、慶長5年(1600)仙台城を築城する際に地名を「仙臺(せんだい)」と改めました。

現在は新字体に変え、「仙台」と記しています。※諸説有り

 

大満寺は仙台城の築城や瑞鳳殿の造営により、青葉山→※経ヶ峰→愛宕山(現在)と※3回遷座。千躰仏も共に移され、現在は大満寺仙境内にある「千躰堂」に祭られています。

千躰仏ですが、実は太平洋戦争によりほぼ半分焼失し、奇跡的に約450体は難を逃れました。

そのうちの約300体は、およそ800年前の仏像だそうです。戦後昭和58年(1983)に、大満寺は再建されました。

※遷座(せんざ)……神体・仏像の座を他の場所にうつすこと。
※経ヶ峰(きょうがみね)……青葉区霊屋下にある山全体の総称。現在の瑞鳳殿がある場所。

大満寺といえば、がん封じで有名!

お参り イメージ

出典:いらすとや(作成編集部)

 

がん封じのお寺は全国にありますが、東北で最も有名なのが大満寺です。がん封じの願いが成就したという口コミをきっかけに広がり、今では全国から参拝者が絶えないそう。

がん封じに関する祈祷も行っており、インターネットからの祈祷受付も可能です。祈祷に関する詳細は、大満寺のホームページでご確認ください。

【がん封じの祈祷】
『がん封じ祈祷』 ガンにならないようにご祈願するご祈祷
『がん平癒祈祷』 ガンの治癒回復をご祈願するご祈祷
『手術成功祈祷』 手術成功をご祈願するご祈祷
『術後回復祈祷』 術後回復をご祈願するご祈祷
『再発転移防止祈祷』 ガン再発、並びに転移防止をご祈願するご祈祷(引用出典:大満寺
【がん封じに関する祈祷料】
5,000円(紙札)、7,000円(木札・特小)、10,000円(木札・大)、15,000円(木札・特大)

虚空蔵山 大満寺を散策してみよう!

大満寺 山門

スタート地点は、大満寺の山門です。右側にある敷地は駐車場。駐車場側には通夜会館「金剛閣」があります。

大満寺

山門をくぐると、まず大満寺の名前がある旧本堂が現れます。現在は開山堂、納骨堂、坐禅堂として利用されているようです。

大満寺 本堂

▲鳳凰殿

旧本堂の隣にあるのが、本堂の「鳳凰殿(大満寺新本堂)」。その隣に翠光殿(客殿)と慈雲庵(御朱印やお守りを販売・自宅)が並んでいます。

大年寺 鉄塔群

本堂の鳳凰殿からみる大年寺山(だいねんじやま)。仙台のシンボルでもある3本の電波塔が近くにみえます。

大満寺 お布施さま

翠光殿の向かい側に行ってみると大きな布袋様のお姿がありました。

大満寺 お布施さま アップ

思わず笑顔になってしまいます。心も癒されますね。

大満寺 境内 観音様

布袋様お近くには、至るところに観音様がいっぱい。

大満寺 御守り 販売所

▲慈雲庵

右端にある御札受所の慈雲庵。お守りやお札、御朱印の授与を行っています。慈雲庵の脇には、ご本尊が祭られている虚空蔵堂(こくうぞうどう)へと続いている石階段があります。

大満寺 御朱印

▲2020年9月3日に訪問しました。あれ……?

さっそく御朱印を購入。左はお釈迦様です。「仙台地名由来千躰佛」と記されていますね!

御朱印を受け取り、次は愛宕山の頂上にある虚空蔵尊を目指します。

愛宕神社 参道

石段が続く道の隣(右側)をみてみると……おや! 朱色の鳥居がみえますね。この先については後半でご説明します。

大満寺 石階段

とりあえず石階段を進み、虚空蔵堂へ向かいましょう。

大満寺 階段

石段の中間から見上げた、頂上の風景。なかなか辛い石段ですが、頑張って上っていきます。全部で196段。

大満寺 虚空蔵菩薩

▲虚空蔵堂

石段を上りきると、正面に「虚空蔵堂(こくうぞうどう)」が現れます。建物は江戸時代初期の万治2年(1659)に建築されたものと考えられており、仙台の指定文化財です。

ご本尊である虚空蔵菩薩は、丑・寅年生まれの守り本尊。普段はみることができませんが、十二支の丑寅の年に御開帳されます。

虚空蔵山にある御堂をご紹介

大満寺 御堂

▲十二支守本尊の八角堂

虚空蔵堂のすぐ向かい側にある十二支守本尊の八角堂。十二支全ての守り本尊を祭っています。

筆者は子年生まれなので、子年の守り本尊「千手観音」をお参りしてきました。家族全員で行っても、各々が参拝できますね。

大満寺 仙台 十二支の像

ほかにも境内には水子供養地蔵尊である「阿保原地蔵尊(とげぬき地蔵さん)」や「よろず相談所(完全予約制)」、十二支の石像が並んでいます。

干支の像は、子丑寅卯辰巳馬羊……という順で並んでいることが多いのですが、写真(上)のように大満寺は違います。中央に丑と寅がいるのです。

仙台 大満寺 牛の像

なかでも牛だけが妙にリアルな表情をしており、色も他の十二支とは違います。

その理由はご本尊である虚空蔵菩薩が、丑・寅年生まれの守り本尊であるからです。「牛みがき」といい、この牛を磨くと福と知の無限の御利益に授かることができ、運が開けると信じられています。

仙台 大満寺

▲千躰堂

十二支の動物たちのとなりにあるのが、千躰堂(せんたいどう)。この中仙台という地名のルーツとなった千躰仏が祭られています。

縁結びにも御利益があるようですよ。

仙台 鐘楼 大満寺

▲仙台市の有形文化財に指定されています。

千躰堂の右となりにある梵鐘は、「向山の早鐘」と呼ばれる仙台名物。4代目藩主・伊達綱村の供養のために、5代藩主・伊達吉村(だて よしむら)の命で享保5年(1720)に造られました。

城下に時刻や危急を知らせる際に用いられ、鐘が設置されている山頂からは市街地を一望できます。

大満寺 からみる仙台市

▲夜景も美しい穴場

愛宕山の頂上からみる仙台駅方面の風景です。眼下には広瀬川。その先にSS30や仙台市中心部のビル群を一望できます。

大満寺は愛宕神社とつながっている

愛宕神社 山門 仙台

▲愛宕神社の山門

奥に進むと愛宕神社へ行けるゲートを発見! なんと愛宕山の山頂にある虚空蔵尊と愛宕神社はつながっていました。先にご紹介した朱色の鳥居は、愛宕神社参道の入口だったのです。

まさか大満寺と愛宕神社がつながっているとは……。すごく得した気分です。愛宕神社は折を見てご紹介したいと思います。

政宗よりずっと前から、仙台を見守り続けている「大満寺」

大満寺 石段

▲大満寺の石階段

伊達政宗によって仙台城が築かれる以前から、青葉山に鎮座していた大満寺。御本尊はお釈迦様(釈迦牟尼仏)ですが、バレンタイン良縁成就といったユニークな祈祷があって全国から祈願者が訪れています。

お寺と神社の両方を参拝できるのも、大満寺の魅力です。

最寄り駅からも徒歩数分と、アクセスも良好! あなたも一度参拝に訪れてみては、いかがでしょうか。

 

【虚空蔵山 大満寺の基本情報】

所在地:

〒982-0841 仙台市太白区向山4丁目4-1

アクセス:

<電車・バス>

仙台駅から仙台市営地下鉄南北線「富沢行」に乗車約3分「愛宕橋駅」で下車し西出口より徒歩10分

仙台駅から仙台市営バス「八木山動物公園駅行」に乗車約13分「八木山入口長徳寺前」で下車し徒歩約5分

<車>

東北自動車道 仙台宮城I.Cから約15分、仙台南I.Cから約20分

駐車場:

無料/150台

大満寺 石段
このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう

関連する記事

この記事のキーワード

stingray
stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力や地元ならではの情報をお届け致します。