千年前から、東北の玄関口として栄えた街
仙台から電車でおよそ20分、宮城県南部の沿岸に位置する岩沼市(いわぬまし)。
「仙台国際空港」や仙台東部道路(常磐自動車道から直結する高速道路)など、東北の交通の要所として知られる岩沼市ですが、じつは中世の頃から「東北を旅する人々は必ず岩沼を通る」と言われていました。
松尾芭蕉も訪ねた街
江戸時代には東街道(あずまかいどう)、奥州街道(おうしゅうかいどう)、陸前浜街道(りくぜんはまかいどう)といった旧街道の宿場町として栄え、俳人・松尾芭蕉も「おくの細道」の道中で街を訪ねています。
※東街道…奥州街道以前の、陸奥国の主要道路。詳しい経路は不明。
※奥州街道…江戸時代に整備された、五街道の1つ。江戸日本橋を起点とし、千住から白河(福島県)へと至る街道。
※陸前浜街道…現在の国道6号に相当する街道のうち、東京都荒川区から宮城県岩沼市までの区間に付けられた名称。
今回は岩沼市の王道観光スポットを5ヵ所ピックアップ! はじめて岩沼市を訪れる方にオススメの、名所をご紹介します。
①「金蛇水神社」で商売・金運アップ!
まずはじめにご紹介するのは、沿岸部から離れた市の西側に鎮座する「金蛇水神社(かなへびすいじんじゃ)」です。
神社の創建年代は不詳ですが、古から水神信仰の霊場として鎮座していました。
金蛇水神社の御神体は蛇の姿をしており、平安時代に京都三条の刀匠・小鍛冶宗近(おかじ むねちか)が奉納したものと伝えられています。
商売繫盛、病気平癒などのご利益がある
御祭神は、金蛇大神(かなへびのおおかみ)こと水速女命(みづはのめ)。古くからこの地に祀られている、日本の代表的な水神です。
古来より、龍や蛇は水神の化身とされており、財力や生命力、生業の守護の神として崇められています。
※相殿神(あいどのしん)には、大己貴命(おおなむちのみこと)こと(大国主命)と、少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られています。
※相殿神…主に祀られる御祭神以外に合祀される神のこと
境内にある「蛇石」
境内には、蛇が浮かんでみえる「蛇石」が20個ほど並んでいます。素手で撫でたり、財布で石に触れると金運がアップするというジンクスがあるとか。
蛇石は本殿、社務所、拝殿、など境内のいたるところに点在しています。蛇石を模した金運円満・厄除開運のお守もありますよ!
金蛇水神社の御朱印
御朱印は社務所でいただけます。初穂料は300円よりのおこころざしで、どちらもお一人様1枚まで。
芸能・知恵の神「金蛇弁財天社」もお忘れなく!
金蛇水神社の手前に祀られている「金蛇弁財天」は、本社と同じ水の女神であり、芸能・知恵の神でもあります。金蛇弁財天として厚く信仰されており、学業成就、技芸上達、福徳円満などのご利益があるそうです。
毎年7月の第1日曜日が例祭日で、ご神像が御開帳されます。2021年は7月4日(日)の予定。
御神木の中には蛇!?
こちらの御神木は、樹洞の中に白蛇がいるようにみえる不思議な木。商売繫盛や金運アップが叶う、と言われています。
金蛇水神社外苑の「SandoTerrace」がオープン
取材日(2021年3月)には、金蛇水神社外苑の参拝者休憩所がオープンしていました。神社から流れ出てくる「水=蛇」をイメージした建物で、土産処、食事処、カフェテラスなどがあります。
5月の境内は花々に包まれている
金蛇水神社を訪ねるなら、5月がオススメ。境内にある藤棚は「九龍の藤」と呼ばれ、樹齢300年を誇る1本株から9本の枝が分かれていることから、その名が付けられました。
例年5月初旬から中旬にかけて見頃を迎えます。
また境内には東北有数の牡丹園もあり、100種1,000株の牡丹が、藤棚と同じ5月に咲き誇ります。
2022年4月、神楽舞台が建設予定
金蛇水神社では、令和4年(2022)4月に神楽舞台の建設を予定しています。ちょうど桜の季節ですし、期待大ですね!
所在地:
〒989-2464 岩沼市三色吉字水神7
アクセス:
<電車>
JR東北本線、常磐線「岩沼駅」からタクシーで約10分
<バス>
市民バス「岩沼駅西口」から大師線「ハナトピア前」で下車、徒歩約10分
<車>
仙台東部道路「仙台空港I.C」から約10分
駐車場:
無料
・第1駐車場75台
・第2駐車場80台
・第3駐車場89台