「馬上かまぼこ店 笹かまの郷」の工場見学!すり身から蒲鉾になるまで

2021/04/26 更新

創業100年以上の歴史をもつ「馬上かまぼこ店」。亘理町を中心に、仙南地域に8店舗構える、老舗蒲鉾店です。笹かまぼこをはじめ、デザートやおつまみになる蒲鉾、伝統の細工かまぼこを作り続けています。今回は、馬上かまぼこ店の製造現場を取材させていただきました。

アイキャッチ出典:撮影 筆者
記事中画像:撮影 筆者

亘理町にある「馬上かまぼこ店 笹かまの郷」とは?

馬上かまぼこ店 店舗外観

※作業状況により、工場が稼働していない場合もあります。

「松島蒲鉾本舗」さんに続き、今回取材させていただいたのは、「馬上(ばじょう)かまぼこ店」さん。

 

仙台より南の亘理町に根ざし、かまぼこを作り続けている老舗専門店です。大正元年に創業し、来年で110年を迎えます。

定番から進化系まで!?十人十色のかまぼこ

たきやき型かまぼこ 馬上かまぼこ

▲見た目は白いたいやき「かま鯛くん」

馬上かまぼこ店さんといえば、バラエティーに富んだかまぼこ製品が魅力!

 

仙台名産の「笹かまぼこ」はもちろん、デザート風味なかまぼこ「チーズマリン」、洋風たい焼き型かまぼこ「かま鯛くん」など、名わき役たちが光ります。

「細工かまぼこ(御祝いかまぼこ)」の伝統を守り続けている

かまぼこ細工

また馬上かまぼこ店は、数少ない細工かまぼこの製造メーカー

 

細工かまぼこは古から縁起物とされており、武家の結婚式などで振舞われていたそうです。

細工かまぼこは「御祝いかまぼこ」とも呼ばれ、現在も結婚式、七五三、卒業・入学祝いなど、お祝い事に細工かまぼこを送る風習が続いています。

いざ内部へ!笹かまぼこ誕生の軌跡を追う

さっそく仙台市から車で40分ほど、亘理町にある「馬上かまぼこ店」さんの本社工場、「笹かまの郷」を訪ねました。

ありがたいことに、なんと工場内部を見学させていただくことに!

馬上かまぼこ店 工場入口

工場を案内していただいたのは、取締役営業本部長・兼広報企画室長の齋さん。

 

さっそく工場へ……とその前に!

異物混入を防ぐため、工場内へ入る前に白衣と白帽子、白長靴に着替えます。

馬上かまぼこ店 工場 制服

手洗いと消毒をして、毛髪やホコリを取るためコロコロブラシを全身にかけマスクを装着。

入口で白長靴を消毒してから、いざ工場内へ。衛生管理は徹底されています!

笹かまぼこの原料は?

馬上かまぼこ 原料

まずは笹かまぼこの原料について、製造課・副課長の加藤さんが説明してくださいました。

 

写真上は、笹かまぼこの原料となるすり身です。アラスカのベーリング海で漁獲した魚を船内で加工し、冷凍された状態で届いたものだそう。

英語で「SURIMI」と印字されているのがわかるでしょうか?

 

左の段ボール状態のすり身が重さ20kg、右が半分の10kgほど。

馬上かまぼこ店では、妥協をせず厳選した高級すり身のみを使用しているそうです。

 

こちらが-27℃の冷凍庫で保管されているすり身の原料。日によっては、段ボールで100ケース入荷することもあるとか。

実際に、筆者もすり身を持ちあげてみました……が、重すぎて断念。

 

製造課・副課長の加藤さん、お忙しいところありがとうございました。

はじめに、すり身を擂り(すり)つぶす

馬上かまぼこ店 製造過程

笹かまぼこの製造は、擂潰(らいかい)と呼ばれる工程からはじまります。

擂潰とは、擂り(すり)潰す(つぶす)を漢字にした、かまぼこ業界特有の作業用語なんだそうです。

 

冷蔵庫で解凍されたすり身を練り上げ、塩、みりん、酒、卵白などで味付けをしていきます。

つまり、すべての製品の基となる、かまぼこの「生地」をつくる工程なのです。

蒲鉾 原料 すり身

よく練ることで味わいが深くなり、舌ざわりがなめらかになるんだとか。

 

すりつぶして、よく練りこむ。

字面だけみると簡単な作業に思えますが、力加減だったり練りこみ具合の判断など、ひとつひとつの動作が味や触感に大きく影響するそうです。

 

機械任せでは決して完成しない、経験と技術のある作り手がいることで「かまぼこ」は存在するのだと。そんな当たり前のことを、改めて思い知りました。

生地に具材を練り合わせる

かまぼこ すり身 機械

仕上がった生地は、製品の種類ごとに味付けされていきます。こちらの作業は、上質な桜エビを練り込んでいるところ。エビの色が付いてるのがわかるでしょうか。

かまぼこ すり身 機械 洗浄

味付けが異なる場合は、石臼ときねをその都度洗浄して、味移りを防止します。

型に生地をつめこみ、笹の形に整えていく

笹かま 成形ライン

こちらは笹かまぼこの生産ラインです。

練り上がった生地は、写真上の形成機へと運ばれ、笹の型に生地を詰めこみ、笹かまぼこの形へと成型されていきます。

笹かま 成形ライン 馬上かまぼこ店

金属の串に刺さった状態で、次々と流れてくる笹かまぼこたち。まだ焼いていないので、真っ白な状態です。

馬上かまぼこ店 工場 笹かま

この整形機に通すことで、昔ながらの手焼きの手形を再現しています。

ズラリと一列に並んだ光景は圧巻!

笹かまぼこを焼いていく

笹かまぼこの形がつくられると、次はこんがり焼いていきます。

写真上は、焼き炉から焼き上がった場面です。裏側もしっかり焼けているかをチェックするため、鏡が取り付けられています。

 

笹かまぼこの焼き上がり枚数は、1時間で4,200枚だそうです!

笹かまぼこ 馬上かまぼこ

焼き上がったばかりの笹かまぼこを1本ゲット! アツアツでふっくらとしていて、焼き魚のようないい匂いです。あぁ、ビール飲みたい。

馬上かまぼこ 焼き上がった笹かまぼこ

金属の串が自動で抜かれて、焼き上がった笹かまぼこは放冷室へと運ばれていきます。

まるで笹かまぼこが泳いでいるような景色ですね~!

こんがり焼けた笹かまぼこを冷やす

馬上かまぼこ 冷却室

こんがり焼けた笹かまぼこですが、なんと放冷室で急速冷却されます。

プリッとした歯ごたえと香ばしい風味は、この寒さで生まれるそうですよ!

包装して、品質チェック!

馬上かまぼこ 工場内

出来上がった笹かまぼこはオートメーションで、クリーンルームへと運ばれていき、包装されます。

馬上かまぼこ 製品チェック

包装された笹かまぼこを、鉄とステンレスの2種類の金属探知機でチェック。

馬上かまぼこ 製品のつまった箱

賞味期限の印字ミスなどが無いか最終のチェックをしていきます。

 

検品された笹かまぼこは、冷蔵庫で保管。出荷の時を待ちます。

馬上かまぼこ店

写真提供:馬上かまぼこ店

そして工場から各地の販売店へ、巣立ちの時です。

特別な製法でつくられている「かまぼこ」がある

馬上かまぼこ店では、笹かまぼこの他に「炭火焼かまぼこ」「揚げかまぼこ」「くんせいかまぼこ」があります。

工場で製造過程を見学してきたので、ご紹介します!

香ばしい「炭火焼かまぼこ」

馬上かまぼこ本舗 炭火焼 かまぼこ

備長炭で1枚ずつ、ていねいに時間をかけて焼いていく炭火焼かまぼこ。

炭火の風味が活きる上品な味わいと、凝縮された旨味が絶妙な一品です。

 

炭火焼かまぼこの生産枚数は、機械焼きに比べ350枚と大変少なく、写真上のようにじっくりと焼いていきます。

 

お中元とお歳暮時期には、大きいサイズのヒラメを入れた炭火焼き笹かまぼこも生産されるそうですよ!

機械ではなく、手作業で木製の型枠に入れて成型していきます。

次にかまぼこを串に刺し、炭火焼の機械にセット。

 

流れる動きはとてもゆっくり。餅のようにプクっと膨らませながら、じっくりと焼き上げていきます。

この炭火室はとても暑く(3月なのに)、夏場の作業はかなり大変だそうです。

揚げかまぼこ「揚かま」

馬上かまぼこ 揚げかまぼこ

しっかりと魚のおいしさを練りあげて生地を、油でカラッと揚げた香ばしい「揚げかまぼこ」。

 

容器に生地を入れると成型され、かまぼこはフライヤーの中へ。

この揚げかま室も、夏は40℃を超えることもあるとか!

馬上かまぼこ 揚げ蒲鉾 揚げたて

揚げ終わったかまぼこは、油が拭き取られて次々と出てきます。

試食させていただきましたが、熱々でホックホク! 魚の旨味が口の中にジュワ~と広がります。

 

馬上かまぼこ店の「揚かま」シリーズは、きんぴらごぼうやれんこんなど中の具材が多いかまぼこ。とても美味しかったです!

揚げかま 温度計

完成した揚げかまぼこは、規定の温度で仕上がっているか温度チェックをし品質を管理しています。

 

包装後に出荷されて店頭へ。「揚かま」は、おやつやビールのおつまみに最適ですよ!

笹かまと同時に製造されているかまぼこたち

まだまだ他にも製造されている商品がありますので、ご紹介いたします。

名産×名産「ずんだ笹かまぼこ」

ずんだ笹かまぼこ

伝統の笹かまぼこの製造完了後に、ずんだ笹かまぼこの生産ラインが稼働開始します。

白ではありません! 緑色の笹かまぼこが整然と並ぶ、珍しい風景です。

ずんだ かまぼこ

このずんだ笹かまぼこは、宮城名物の1つでもある※ずんだを笹かまぼこに練りこんだものです。

 

ずんだ笹かまぼこは、甘いのでスイーツ感覚でいただける人気の一品。子どものおやつや大人の間食に、ヘルシーで甘いかまぼこはいかが?

 

※ずんだ…枝豆をすりつぶしたペースト状のもの

おかずにもなる!ぷりっと菜「ピリ辛ごぼう」

こぼう かまぼこ 馬上かまぼこ

ぷりっと菜は、大地の恵みをたっぷり吸収した根菜や野菜、ごまなどの繊維素材をたっぷり含む、蒸しかまぼこ製品。

味は「かぼちゃ」「ごぼう」「ごま」「ずんだ」の4種類。

 

生地の枠詰め作業は、経験と熟練の技、そしてチームワークが必要な作業なんだそうです。

たい焼きじゃないの?「かま鯛くん」

かま鯛くん 製造 馬上かまぼこ店

さわやかで、おやつにぴったりな洋風たい焼き型かまぼこです「かま鯛くん」。

洋風なので、味付けはレモンペッパーバジルオイル。季節限定品に、ゆず入りかま鯛くんがあります。

 

かま鯛くんは、小さな鯛の型に生地を詰めて、成型してから蒸し器で蒸されます。最後に鯛焼きのような焼き目を付けて完成!

見た目は、白いたい焼きです。かまぼこですから、たい焼きよりも断然ヘルシーですね。

人の手によりつくられている「かまぼこ」

笹かまぼこ 食事イメージ

機械も大活躍でしたが、やはり人の手による作業や確認が、製品づくりの要となっている印象を受けました。

 

取材後、かまぼこを見る度に「あぁ、こいつは多くの人に見守られて今ここにいるんだ。」と思うようになり、かまぼこへの愛が一段と深まった気がします。

味が跳ねてる!馬上かまぼこ

馬上かまぼこ 工場 完成した笹かまぼこr

馬上かまぼこ店さんのキャッチコピーは、「味が跳ねてる馬上かまぼこ」。

古からの味を守りつつ、バラエティ豊かな味と食感を楽しめるかまぼこを、100年以上探求し作り続けています。

かまぼこ工場を見学できるのは、亘理町にある「笹かまの郷」

亘理町にある馬上かまぼこ店の直営店「笹かまの郷」では、工場内部の様子を、窓越しから見学することができます。

詳しくは下の記事をぜひご覧ください!

今回取材させていただいのは「馬上かまぼこ店 笹かまの郷」

所在地:

〒989-2371 宮城県亘理郡亘理町逢隈鹿島字西鹿島62番地

電話番号:

0223-34-1258

営業時間:

8:30~18:30

定休日:

1月1日のみ

アクセス:

<車>

常磐自動車道「亘理IC」より約10分

<電車>

JR常磐線「亘理駅」で下車しタクシーで約5分

駐車場:

無料/大型車6台、普通車100台

馬上かまぼこ店の公式HPはこちら

 

馬上かまぼこ 工場 完成した笹かまぼこr
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stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力や地元ならではの情報をお届け致します。