目次
① 白石川堤一目千本桜は、絶対に見るべき!
「白石川堤一目千本桜(しろいしがわづつみひとめせんぼんざくら)」とは、宮城県の大河原町と柴田町にまたがる白石川堤沿い(全長約8km)に続く桜並木のことです。
日本さくら名所100選に選ばれており、県内で名所として指定されているのは白石川堤一目千本桜と、すぐ近くにある「船岡城址公園」の2ヶ所のみ。
明治時代、東京で成功を納めた地元出身の実業家・高山開治郎(たかやまかいじろう)により植樹された、1,000本の桜の苗木がはじまり。
現在はソメイヨシノを中心に、およそ1,200本の桜が咲き誇ります。
見頃は4月上旬~4月下旬ころにかけて。
まだ残雪のある蔵王連峰をバックに、穏やかな白石川の流れにそって桜が咲き誇る姿は”東北の春”の原風景そのものです。
電車や船から、花見を楽しむのも一興
そぞろ歩きで花見を楽しむのもいいですが、「お花見屋形船」を利用してみるのもオススメ。
おおがわら桜まつりの会場(大河原駅から徒歩約3分)から韮神堰(にらがみぜき)までの約2kmを、往復30分かけてゆっくり運航します。
桜の開花に合わせて、JR東北本線「大河原駅」から「船岡駅」間では一部の列車で速度を下げて運転します。
実施期間は、開花がピークを迎える、4月上旬頃(予定)。
車窓から花見も楽しめる、粋な計らいですね!
夜桜も楽しめる!
花見のしめに、夜桜見物はいかがでしょうか?
白石川一目千本桜では夜桜のライトアップが実施されます。
写真は「しばた千桜橋(柴田町)」近くの千本桜ですが、おおがわら桜まつり会場付近(大河原町)の桜もライトアップされますよ。
LEDライトに照らされた桜並木は、昼間とは打って変わって妖艶なムードを演出。白石川の水面に映し出される光と相まって、幻想的な光景が広がります。
新幹線の最終時刻までライトアップが続くのも、うれしいポイントですね。
<白石川堤一目千本桜の基本情報>
所在地:
宮城県大河原町大谷字町向
見頃:
4月上旬~下旬
桜まつり:
2022年は開催中止
アクセス:
・JR東北本線「大河原駅」下車、徒歩約3分
・JR東北本線「船岡駅」下車、徒歩約3分
駐車場:
2022年開放未定
続いては、白石市に点在する桜の名所を7カ所ピックアップしてご紹介します。白石川堤一目千本桜の見物と合わせて訪れてみるのはいかがでしょうか?
② 船岡城址公園
白石川堤一目千本桜のほど近くある、船岡城址公園(ふなおかじょうしこうえん)。
標高135mほどの小高い丘陵にあり、明治維新までは柴田氏が居城した館跡であることからその名が付きました。
山頂には船岡平和観音像と、小説※『樅ノ木(もみのき)は残った』のモデルになった樅ノ木がそびえています。
園内には1,300本あまりのソメイヨシノが咲き誇り、山全体が桜色に染まる景色は圧巻のひと言。
白石川堤一目千本桜と同様「さくら名所100選」に選ばれています。見頃は毎年4月上旬から中旬ころ。
※『樅ノ木(もみのき)は残った』……山本周五郎の歴史小説。江戸時代前期に仙台藩伊達家で起こったお家騒動「伊達騒動」を題材にしている。
山頂から眺められる絶景
山頂へは徒歩で向かう道もありますが、オススメなのは船岡城址公園駐車場からでているスロープカー(斜面走行モノレール)です。
頂上までの約300mは、写真上のような”桜のトンネル”となっています。
さくらまつり期間中は毎日運航しており、片道250円です。
<船岡城址公園駐車場の基本情報>
所在地:
宮城県柴田郡柴田町大字船岡館山95-23
見頃:
4月上旬~下旬
桜まつり:
2022年は開催中止
アクセス:
JR「船岡駅」から徒歩約15分
駐車場:
しばたの郷土館・船岡城址公園駐車場(300台/500円)
③ 白石城(益岡公園)の桜
白石城(しろいしじょう)は白石市の中心部にあり、伊達家の重臣・片倉氏の居城として有名なお城です。
白石城一帯は「益岡公園・本丸広場」となっており、毎年およそ300本の桜が花咲きます。
ピンク色の可愛らしい桜と白亜の白石城との共演は、まさに絵になる風景。
例年の見頃は、4月上旬~4月中旬。
開花期間中は「白石城桜まつり」が催され、多くの観光客でにぎわいます。
白石城のライトアップと夜桜
また桜まつり期間中は、白石城のライトアップを実施。ぼんぼりが立ち並び、日が沈むと幽玄な明かりを灯します。
ライトアップは日没から夜22時まで実施予定。
<白石城の基本情報>
所在地:
宮城県白石市益岡町1-16
見頃:
4月上旬~4月中旬
桜まつり:
白石城桜まつり(2022年4月1日(金)~25日(月))
アクセス:
・東北自動車道 白石I.Cより車で約10分
・JR東北本線「白石駅」より徒歩約10分
駐車場:
あり(200台/無料)
④ 沢端川の桜
沢端川(さわばたがわ)は、かつて白石城の外堀の一部でした。
そのため川沿いには武家屋敷が残っており、後小路(うしろこうじ)と呼ばれています。
夜になると川岸の桜がライトアップされるので、夜桜見物もできますよ。
「片倉家中武家屋敷」も必見!
花見と一緒に訪ねて欲しいのが、後小路にある「片倉家中部屋敷」。
※片倉氏の家臣小関家の屋敷で、その歴史は260年余り。平成3年に市に母屋・門・塀が寄贈されてから、創建当時の姿に復元されました。
※片倉氏……伊達家の家臣
屋敷内と庭を見学できます(入館料200円)。素朴で質素な中級武士の暮らしが垣間みえる、風情ある建築物です。
平成5年に、宮城県指定文化財に指定されています。
<沢端川の基本情報>
所在地:
宮城県白石市沢端町
見頃:
4月中旬
アクセス:
JR東北本線「白石駅」より徒歩約10分
駐車場:
白石城(益岡公園)同様、城下広場駐車場を利用してください
⑤ 常林寺の桜
白石城からほど近くにある、常林寺(正式名称は白石山常林寺(はくせきざんじょうりんじ))。
開山は正中2年(1325)と歴史も古く、※片倉景綱が白石を治めていた時に現在の地へ移ったそうです。
常林寺は「エドヒガンザクラ(白石市指定天然記念物)」の名所としても有名で、山門を入ってすぐの右手に植わっています。
樹高は8メートル、幹周は2メートル55センチの立派な桜で、東北の桜前線に先駆けて宮城県内でもいち早く開花します。
※片倉景綱(小十郎)……伊達政宗の片腕ともいわれる家臣。
<常林寺の基本情報>
所在地:
宮城県白石市南町1丁目7-35
見頃:
3月下旬~4月上旬
アクセス:
東北本線「白石駅」より徒歩約15分
駐車場:
白石城(益岡公園)同様、城下広場駐車場を利用してください
⑥ 斎川 旧奥州街道
白石市には、旧奥州街道57番目の宿場町であった斎川(さいかわ)宿があります。
街道沿いには今なお古い町並みや屋敷や、明治天皇が休憩した検断屋敷なども残されており、宿場町の面影を感じられる場所です。
そんな斎川の町並みを通り抜け、坂上田村麻呂を祀った「田村神社」へ向かう途中にあるのが、斎川宿の桜並木。
街道の両側に植えられた桜は枝ぶりも見事で、美しい桜の回廊が続いています。
見頃は4月中旬ころ。
地図は「田村神社」。
⑦ 馬牛沼の桜
宮城県と福島県の県境に位置する、馬牛沼(ばぎゅうぬま)。
万牛山(まんぎやま)をはじめとした、山々に囲まれた静かな沼です。
冬は200羽ほどの白鳥が飛来することで知られていますが、春になれば桜の名所へと様変わり。
沼の周辺に植えられた桜が咲き誇り、桜吹雪のあとは水面を飾る花筏が、沼をいっそう美しく彩ります。
見頃は4中旬。
近くには新鮮な地元の野菜を購入できる「馬牛沼産直センター」などもあるので、そちらもお忘れなく!
<馬牛沼の桜の基本情報>
所在地:
宮城県白石市斎川字馬牛
見頃:
4月上旬
アクセス:
東北自動車道 白石I.Cより国道4号線車を経由し約20分
駐車場:
なし(馬牛沼産直センターに駐車場あり、利用者のみ)
⑧ 材木岩の桜
白石市内から車でおよそ40分の場所にある、材木岩公園(ざいもくいわこうえん)。
材木岩は国指定の天然記念物で、高さ65m、距離100mにも及ぶ巨大な岩壁です。
まるで材木を束ねたような形にみえるため、その名がつきました。
春になると白石川を挟んだ対岸にはソメイヨシノが咲き誇り、荒々しい材木岩と可憐な桜というギャップが、多くの花見客を魅了します。
また園内では例年4月下旬から5月上旬にかけて、“春の検断屋敷まつり”が開催されます。
和太鼓演奏やだるま落と協議、輪投げゲームなど各種イベントが開催されるほか、800匹にもおよぶ”鯉のぼりの吹き流し”も行われます。タイミングが合えば、鯉のぼりと桜と材木岩のコラボレーションがみられるかも!
検断屋敷でほっと一息
検断屋敷は、かつて上戸沢宿にあった※検断屋敷をそのまま材木岩公園内に移築し、復元したものです。
仙台藩の中でも古い横断屋敷で、宮城県の有形文化財に指定されています。
そば処や直売所が隣接しており、材木岩の雄大な景色を楽しみながら手打ちそばが味わえると評判です。
※検断屋敷……仙台藩において、伝馬や宿駅関係を取り締まる役職。
<検断屋敷の基本情報>
所在地:
宮城県白石市小原字上台 材木岩水と石との語らいの公園内
桜まつり:
春の検断屋敷まつり(2022年4月24日(日)10:30~14:00)
アクセス:
東北自動車道 白石I.Cから車で30分
【番外】スパッシュランドパークのシバザクラ
ここまで、ソメイヨシノを中心としたお花見をご紹介しましたが、最後にちょっと変わったお花見スポットをご紹介します。
白石川が流れる渓谷沿いに、ひっそりと佇む小原温泉郷。
そこに隣接するレクリエーション公園・スパッシュランドパークはシバザクラの名所です。
白・ピンク・薄紫の可憐な花が小高い丘を埋め尽くす様子は、ソメイヨシノやエドヒガンザクラとはまた違った魅力があります。
園内には遊具もあり、白石川をつり橋で渡った先には「スパッシュランド白石」という温泉プール施設もありますよ。
<スパッシュランドパークの基本情報>
所在地:
宮城県白石市小原字西川久保18
見頃:
4月下旬~5月上旬
アクセス:
東北自動車道 白石I.Cより約20分
東北本線「白石駅」からバスで約20分
白石市には温泉宿がある!
駅のある中心街にはビジネスホテルなどがあり、車を20分ほど走らせれば鎌先温泉や小原温泉といった、山間にひっそり佇む小さな温泉地にも出会えます。
さまざまな宿があるので、ぜひチェックしてみてください!
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春は、桜舞う宮城・白石市へ
いかがでしたか?今回は白石川堤一目千本桜を皮切りに、白石市の桜の名所をピックアップしました。
宮城県をはじめ東北には桜の名所がたくさんあります。東京の桜が散るころに、東北では桜が見ごろを迎えます。
歴史的な建造物や雄大な自然とのコラボレーションが楽しめるのも東北の桜の魅力です。
春になったら、お花見を桜前線とともに北上してみるのはいかがでしょう?