③ 下級武士の暮らしを感じる「片倉家中武家屋敷(旧小関家)」
白石城の北側、沢端川に面した閑静な住宅街の一角にある「片倉家中武家屋敷」。片倉家の奥方用人として仕えた、小関家のお屋敷です。茅葺きの屋根が特徴の母屋には、囲炉裏のある茶の間と納戸、座敷を配した簡素な間取りで、贅沢さは微塵も感じられません。
慎ましく暮らしていた下級武士らの生活感がうかがえる、貴重な観光スポット。享保15年(1730)に建てられ、宮城県の指定文化財に登録されています。
片倉家中武家屋敷の基本情報
所在地:
〒989-0251 白石市西益岡町6-52
営業時間:
4月~10月(9:00~17:00)
11~3月(9:00~16:00)
入館料:
一般200円…/小学・中学・高校…100円
駅からのアクセス:
JR東北本線「白石駅」から徒歩約15分、東北新幹線「白石蔵王駅」から徒歩約40分
駐車場:
あり/無料/普通車15台
④ 縁結びのパワースポット「神石白石」
白石城の北東部、先ほど紹介した武家屋敷の建つ外堀沿いにある「神石白石(しんせきしろいし)」。仙台藩の時代には石を囲むように朱色の玉垣(神社の周囲にめぐらされた垣)をめぐらし、「神石」として祀っていました。
神石白石の直径は1.05mほど、灰褐色の凝灰岩(火山灰など火山噴出物が蓄積・凝結したことで形成された岩石)です。石の根っこが、仙台市泉区の根白石(ねのしろいし)まで続いていると伝えられています。遠く離れた石同士が繋がっていることから、“縁結びスポット”としても注目されている場所です 。
~縁結びのお作法~
① 白石駅構内にある観光案内で「白石和紙のこより」を購入。
② 神石白石に着いたら”大切な人”を思い浮かべながら、こよりを結ぶ。
③ 神石白石のまわりを時計回りに2周し、手を合わせて静かに祈願。
神石白石の基本情報
所在地:
〒989-0251 白石市沢端町4
※見学無料
駅からのアクセス:
JR東北本線「白石駅」から徒歩約10分、東北新幹線「白石蔵王駅」から徒歩約30分
電話番号:
0224-26-2042(白石市観光案内所)
⑤ 歴代の小十郎が眠る「片倉家御廟所」
白石城城主(片倉家)の墓所「片倉家御廟所」は、白石城の見える愛宕山(あたごやま)の麓にあります。
3代城主の景長(かげなが)が土地を選び、歴代城主の墓所を造らせました。
墓所の周囲は杉の老木に囲まれており、なかなか雰囲気のある場所。
玉垣に囲まれた石畳の床には、歴代の白石城城主が葬られている阿弥陀如来座像の石像10体が横一列に整然と並んでいます。
この墓所に移される前、伊達政宗の右腕として有名な初代城主・片倉景綱(かげつな)と二代・重長(しげなが)の墓は、片倉家の菩提寺として景綱公が創建した「傑山寺(けっさんじ)」に安置されていました。
景綱公は分骨、重長公は改葬(遺骨を別の墓に移して供養すること)という形で、現在の墓所に移されたのです。
九代城主までは石像の墓標ですが、十代の宗景(むねかげ)のみ角柱の墓碑。
また例外として、七代城主・村兼(むらかど)公の妻は仙台藩五代藩主・伊達吉村(よしむら)の娘だったため、歴代のお姫様とは別扱いで当主と共に葬られています。
他のお姫様と十一代目以降の城主の墓は、傑山寺にあります。
片倉家御廟所の基本情報
所在地:
〒989-0231 宮城県白石市福岡蔵本字愛宕山
※見学無料
駅からのアクセス:
・JR東北本線「白石駅」から徒歩約20分、もしくはタクシーで約5分
・JR東北本線「白石駅」から市民バス「きゃっするくん(小原線)」・江志前・上戸沢行きに乗車約10分、「滝下」下車
※土日運休/市民バスの時刻表はこちら
駐車場:
あり/無料
⑥ 秀吉も称えた才女、伊達政宗の教育係「喜多の墓」
先ほどご紹介した「片倉家御廟所」から200mほど進んだ先にある「喜多の墓」。白石城初代城主にして伊達政宗の右腕・片倉景綱(小十郎)の異父姉であり、政宗公の乳母(教育係)でもあった片倉喜多(きた)が葬られています。
~片倉喜多ヒストリー~
喜多は伊達家の家臣・鬼庭良直(おににわよしなお)の長女として誕生。
しかし男児に恵まれなかった母は鬼庭良直が離縁し、喜多を連れて八幡神社(現在の山形県米沢市にある成島八幡神社とされている)の神職であった片倉景重公(かげしげ)と再婚。景重公は神主でありながら、伊達輝宗公(てるむね。伊達政宗の父)に仕えていました。
喜多の聡明さに感嘆した景重公は、一般教養はもちろん剣や兵法なども教え、男子に引けを取らない文武両道の女性に育てます。
やがて、喜多の母が片倉景綱(小十郎・のちの白石城初代城主)を出産。喜多と景綱は異父兄弟となります。
その後喜多は、伊達輝宗公から息子・政宗の乳母(独身だったので養育係)に任命され、のちに奥州の覇者となる政宗公に多大な影響を与えました。
政宗公の成長後は、正室・愛姫(めご)付きになり、豊臣秀吉にも謁見しています。
その才女ぶりに驚いた秀吉が、喜多を「少納言」と誉めたという話があるほど、戦国大名も認める才覚ある女性だったのです。
また弟の景綱を励まそうと、片倉家の御旗として「黒釣鐘」を考案。
「戦死者の置を弔い、片倉家の家名を天下に轟かしめよう」という意味が込められているのだとか。現在の白石市の市章にも採用されています。
しかし喜多は政宗公から勘当を受け、国元で蟄居(今でいう自宅謹慎)を命じられます(原因は諸説あり)。
晩年は草庵(わら・かやで屋根をふいた粗末な家)を構え、静かに余生を過ごしたという。
そして慶長15年(1610)、喜多は72歳の生涯を閉じます。
弟の景綱は、喜多を庵の裏手にある丘に埋葬し、のちに傑山寺となる「円同寺」を菩提寺とします。
また政宗公も現在の米沢市にあった「妙心院」を仙台に再興させ、喜多を開基とし伊達家に尽くした長年の功に感謝を捧げました。
【喜多の墓の基本情報】
所在地:
〒989-0231 宮城県白石市福岡蔵本字愛宕山
(片倉家御廟所から約200mほど)
※見学無料
駅からのアクセス:
・JR東北本線「白石駅」から徒歩約20分、もしくはタクシーで約5分
・JR東北本線「白石駅」から市民バス「きゃっするくん(小原線)」・江志前・上戸沢行きに乗車約10分、「滝下」下車
※土日運休/市民バスの時刻表はこちら
駐車場:
あり/無料
⑦ 真田幸村も眠る「田村清顕公の墓」
先ほどご紹介した「喜多の墓」のすぐ近くにある「田村清顕(きよあき)公の墓」。
清顕公は伊達政宗公の正室・愛姫(めごひめ)の父であり、陸奥国の「三春城」(現在の福島県田村郡)の城主でした。
名称は「田村清顕公の墓」ですが、田村家の一族も共に葬られています。
~田村家ヒストリー~
田村家は平安時代初期に活躍した征夷大将軍、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の後裔ともいわれていう氏族。
陸奥国の田村郡(三原城)を支配していた戦国大名でした。
清顕公の後を継ぎ城主となった、田村宗顕(むねあき)公。
ですが小田原合戦に参戦しなかったため、豊臣秀吉の※奥州仕置きによって所領を没収され、秀吉の従臣となった伊達家に吸収されてしまいます。
宗顕公は牛縊り(うしくびり)と性を変え、伊具郡金山(現在の宮城県丸本町)に隠れ住んでいました。
しかし政宗公の正室・愛姫に招かれ、伊達家の重臣であり白石城二代目城主・片倉重長(しげなが)に仕えることになります。
「田村清顕公の墓」を造ったのは宗顕の息子、田村定広(さだひろ)公。
成人後、定広公は真田幸村の娘である※阿菖蒲(おしょうぶ)と結婚し、片倉景綱の姉・喜多から片倉姓を継いでいます。
そのため「田村清顕公の墓」には清顕や宗顕、定広や妻・阿菖蒲の墓、阿菖蒲が建てたという真田幸村(名前のない墓)の供養碑もあります。
※奥州仕置……小田原合戦に参戦しなかった奥州の大名に対する、豊臣秀吉による仕置き(刑罰)。
【田村清顕公の墓の基本情報】
所在地:
〒989-0231 宮城県白石市福岡蔵本字愛宕山
(片倉家御廟所から約300mほど)
※見学無料
駅からのアクセス:
・JR東北本線「白石駅」から徒歩約20分、もしくはタクシーで約5分
・JR東北本線「白石駅」から市民バス「きゃっするくん(小原線)」・江志前・上戸沢行きに乗車約10分、「滝下」下車
※土日運休/市民バスの時刻表はこちら
駐車場:
あり/無料
⑧ 森の中に潜む美しい百余りの鳥居「萬蔵稲荷神社」
白石市の南、宮城県と福島県の県境にある小坂峠にある「萬蔵稲荷神社(まんぞういなりじんじゃ)」。
深い森の中に整然と並ぶ百余りある朱塗り鳥居は、京都の有名な「伏見稲荷大社」を連想させます。
しかも主祭神は稲伏見稲荷大社と同じ、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)。
商売繁盛や縁結びなど”ご縁を結んでくれる”神社として、昔から地域の人々を中心に篤く信仰されています。
~萬蔵稲荷神社の伝説~
その昔、小坂峠を中心に馬方(馬に人や荷物を運ばせる職業の人)をしていた萬蔵(まんぞう)という男がいました。ある日、峠の頂上で疲れ果てた老僧と出会い、一食を求められます。
萬蔵は老僧を馬に乗せ自宅へ招き、心からもてなしました。翌朝、老僧は姿を消してしまします。
萬蔵が再び峠に入ると馬の鳴き声が聞こえ、見てみると昨夜の老僧が立っていました。
「私は稲荷神社の化身である。」と名乗り、礼を述べて馬三頭を萬蔵に与えられました。
萬蔵は与えられた馬を金に変え、稲荷神社を造営。
自らも修業し、※即身仏(そくしんぶつ)になったといわれています。
※即身仏……仏教の修行者が自らの肉体をミイラ(自然乾燥)化させ、絶命し仏となること。
【萬蔵稲荷神社の基本情報】
所在地:
〒989-0233 1 白石市小原字馬頭山6
※見学無料
駅からのアクセス:
「白石駅」からみちのくおとぎ街道(国道113号線)経由で約40分
駐車場:
あり/無料
⑨ もふもふキツネ天国「宮城蔵王キツネ村」

今やすっかり白石市の名物スポットとなった「宮城蔵王キツネ村」。
キツネが放し飼いされている世界的にも珍しい動物園で、外国人観光客にも人気です。
野生の生態に近いキツネの姿を観察できるほか、白や黒の体毛をしたキツネなど、珍しい種類に出会えるのも魅力。
またキツネの抱っこ体験もあり、時期によっては子ギツネの抱っこも体験できます
(対象は高校生以上のみ。またキツネの体調や天候によって、中止になる場合もあり)。
また心配の種である寄生虫エキノコックスについても、開園以来徹底した感染対策を行っているため感染数はゼロ。
安心してお楽しみください。
【宮城蔵王キツネ村の基本情報】
所在地:
〒989-0733 白石市福岡八宮字川原子11-3
営業時間:
通常期(3/6~11/30)9:00~17:00
冬季(12/1~3/15)9:00~16:00
入園料:
大人1000円(中学生以上)/子ども無料(小学生以下)
駅からのアクセス:
・JR東北本線「白石駅」から県道254号線経由で約30分
・JR東北本線「白石駅」より、川原子ダム行のバス(きゃっするくん・福岡線)が毎週火・金曜日に運行(祝日・年末年始のぞく)。キツネ村に停まるバスは1日1本のみ。
駐車場:
あり/無料
電話番号:
0224-24-8812
⑩ 巨大な天然記念物の壁「小原の材木岩」
白石市の南、七ヶ宿ダムの下流に広がる「水と石との語らいの公園」からみられる材木岩(ざいもくいわ)。
名前の通り巨大な材木を垂直並べたような岩で、高さは約65m(20階建てのマンションくらい)、幅約100mあります。
岩は「石英安山岩(せきえいあんざんがん)」という火山岩でできた柱状節理(ちゅうじょうせつり)です。
柱状節理とは火山から流れ出た溶岩が、地表でゆっくり冷え固まる際に生まれる規則正しい柱のような割れ目のこと。
ただ伝説的には、飛騨工匠が一夜で不動堂を建てようとしたが、もう一息のところで夜が明けてしまった。
工匠は材木欠をすぐ側に流れてる川中に投げて去ったが、その木が岩と化して「材木岩」となった…と伝わっています。
【小原の材木岩の基本情報】
所在地:
〒989-0233 白石市小原字上台地内
入園料:
無料
駅からのアクセス:
・白石駅からみちのくおとぎ街道(国道113号線)、県道46号線(七ヶ宿街道)を経由で約30分
・JR東北本線「白石駅」から白石市民バスきゃっするくん(小原線)に乗車約30分、「材木岩公園」下車もしくは「江志前」下車徒歩10分
駐車場:
あり/無料/80台
⑪ プールに温泉…癒しのスポット「スパッシュランドしろいし」
「スパッシュランドしろいし」は、60平方メートルの岩作りの風呂とプール場が併設された湯と水の遊び場施設。
幅17mの50mプールは自動審判計時システムを導入した本格的なスイミングプール、他にも子ども用プールや全長40mのウォータースライダーも完備しています。
水着着用で男女共浴型のバーデゾーンには、泡湯・打たせ湯・サウナ・ジェットバス・ミストルームなど、設備面も充実。
すぐ近くには、四季折々の花々が咲く「スパッシュランドパーク」があります。
有名なのは4月下旬~5月上旬にかけてみられるシバザクラ。
およそ2万株を数える県内一の名所で、ピンクと白の花々が山の斜面を覆います。
【スパッシュランドしろいしの基本情報】
所在地:
〒989-0233 白石市小原西川久保18
営業時間:
10:00~20:00
定休日:
水曜(祝日の場合翌日)/12月28日~31日
料金:
【プール】中学生以上:720円/小学生以上:410円/3歳以上:200円
【岩風呂】中学生以上:610円/小学生以上:410円/3歳以上:200円
【プール+岩風呂+バーデゾーン】中学生以上:1,440円/小学生以上:920円/3歳以上:510円
駅からのアクセス:
・JR東北本線「白石駅」からみちのくおとぎ街道(国道113号線)、県道46号線(七ヶ宿街道)を経由で約30分
・JR東北新幹線「白石蔵王駅」より無料送迎バスに乗車し約20分
・JR東北新幹線「白石蔵王駅」より白石市民バスきゃっするくんに乗車約25分、「スパッシュランド」下車
駐車場:
あり/無料
電話番号:
0224-29-2326(スパッシュランドしろいし)
白石市には隠れた温泉地がある!
白石市郊外には「鎌先温泉」や「小原温泉」といった、知る人ぞ知る小さな温泉地があります。駅周辺にもビジネスホテルや天然温泉を楽しめる旅館があるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
「楽天トラベル」で白石の宿をさがす「Yahoo!トラベル」で白石の宿をさがす
蔵王町の観光スポット3選
白石市から北上させること約20分、蔵王町に入ります。白石蔵王駅もしくは白石駅から遠刈田温泉行のバスも出ているため、公共交通での移動も可能です。
ただし蔵王町の観光名所を巡るために、車は必要不可欠。有名な「御釜」行きのバスはありますが、1日1往復と運行本数は限られています。蔵王町を観光するなら、白石市でレンタカーを借りるのがオススメです。
① エメラルドグリーンの火口湖「御釜(お釜)」
宮城県と福島県の差かに連なる蔵王連峰(ざおうれんぽう)にある火口湖「御釜(お釜)」。
大昔の噴火で形成された窪地に雨や湧き水が溜まり、現在のエメラルドグリーンの湖となりました。
駐車場から徒歩2、3分の所に展望台があり、御釜を一望できます。
歩道も舗装されているため、展望台までなら車イスやベビーカーでも問題ありません。
マイカーで行けるのは、4月下旬~11月初旬まで(積雪による交通規制のため)。
また活火山地帯であるため、最新の噴火情報は出掛ける前に確認しておきましょう!
【御釜の基本情報】
所在地:
〒989-0233 刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有林地内
営業時間:
4月下旬~11月初旬(蔵王エコーライン開通期間)
駅からのアクセス:
・国道457号線を通り、蔵王エコーラインへ。蔵王ハイライン(有料)経由で約1時間「蔵王苅田駐車場」に駐車
※カーナビは「蔵王苅田駐車場」に設定
※蔵王ハイラインは有料道路です。普通車:550円/2輪車:390円の料金がかかります。
・バス停「白石駅前」から宮城交通バス・蔵王エコーライン線「蔵王刈田山頂行きに」に乗車、約2時間35分(片道1,910円)
・バス停「白石蔵王駅」から宮城交通バス・蔵王エコーライン線「蔵王刈田山頂行きに」に乗車(片道1,960円)
駐車場:
あり/無料
※蔵王苅田駐車場代金は、蔵王ハイライン通行料に含まれている