宮城県の郷土料理・ご当地グルメ【エリア別】

2020/08/11 更新

宮城県の郷土料理、ご当地グルメ特集。【その土地を知るには、まずは食から、郷土料理にはその地域の環境、慣習などが影響しています。「県南」「仙台・松島」「三陸」「県北」の4エリアに分けて、各地域の美食を発祥のエピソードを交えてご紹介。

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その土地を知るには、郷土料理がいちばん!

食べ歩きする女性

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郷土料理やご当地グルメを味わうのも、旅の醍醐味の一つ。郷土料理やご当地グルメは、その土地に生きる人々の暮らしや環境、風習など、さまざまな影響を受けています。

 

その土地を知るなら、まず料理から! 今回は【県南】【仙台・松島】【三陸】【県北】の4エリアに分けて、宮城の郷土料理・ご当地グルメをご紹介します。

県南(仙南)エリア

蔵王の御釜

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仙台より南、福島県との境目までのエリアです。蔵王連峰やエメラルドグリーンの火口湖で有名な「御釜」、伊達家の名臣・片倉家の居城「白石城」、参勤交代で大名や旅人が使用した街道「七ヶ宿」など風情ある歴史地区もみられます。

① 鮭の親子丼「はらこ飯」(亘理郡亘理町)

はらこ飯

写真提供:宮城県観光課

仙南の海岸部、阿武隈川(あぶくまがわ)の河口に位置する亘理町(わたりちょう)のソウルフード「はらこ飯」。ホクホクご飯の上に、鮭の切り身とイクラを乗せた丼ぶりです。

 

ご飯は普通の白米や、鮭の煮汁で炊いたご飯を使う場合もあります。

② 片倉小十郎が感動した「白石温麺」(白石市)

白石温麺

伊達政宗の右腕として名高い、片倉小十郎(景綱)の居城であった「白石城」で有名な白石市。ご当地名物である「温麺(うーめん)」は、片倉小十郎が名付けたといわれています。

 

素麺と違い温麺は油を使用していないため、ヘルシーで胃に優しく世代を問わず受け入れられる料理です。県内のお土産屋に、必ずといってもいいほど常備されています。

③ 温麺をつかった郷土料理「おくずかけ」

仙南エリア全域の郷土料理である「おくずかけ」。野菜や豆腐などをだし汁で煮込み、先ほど紹介した白石温麺を加えたものです。主にお彼岸やお盆に食するのが習わし。

仙台・松島エリア

東北の大都市・仙台と、日本三景の一つ「松島」を中心とするエリアです。伊達政宗をはじめ、仙台藩藩主の居城だった「仙台城跡(青葉城)」や伊達家の菩提寺や政宗公が造営した神社・仏閣など、仙台から松島にかけて、伊達家にゆかりのある史跡が多くみられます。

① 外せないグルメNO.1「牛タン」(仙台全域)

仙台 牛タン

撮影:編集部

高タンパク質でありながら脂肪が少なく、老若男女問わず人気の「仙台牛タン」。その歴史がはじまったのは太平洋戦争終了後の昭和23年(1948年)、仙台で料理店を営んでいた「太助(現在は「味太助」)」の初代店主・佐野啓四郎氏(故)が考案しました。

 

戦後間もない仙台では、手軽に開業できる焼き鳥屋が人気でしたが、和食の職人だった佐野氏は「誰にも真似できない料理を造りたい」という想いから、牛タン料理を考案します。

 

当時の和食に「牛タン」は馴染みのない食材。人々に受け入れられるよう試行錯誤の日々が続き、現在の「仙台牛タン」が誕生したのです。

② ご当地スイーツNO.1「ずんだ」(仙台全域)

仙台ずんだ

写真提供:宮城県観光課

「ずんだ」とは、枝豆をすりつぶしたペースト状のもの。甘い味の「ずんだ餅」は仙台の代表的なスイーツです。

 

仙台藩初代藩主・伊達政宗が、出陣の際に枝豆を陣太刀(じんたち)で砕いて食した。というエピソードがあり、「じんたち」から「ずんだ」へ訛ったという説もあります(※諸説あり)。

③ 主役級の人気ぶり!「三角油揚げ」(仙台青葉区)

三角定義のあぶらあげ

撮影:編集部

仙台市街から車で1時間ほど、郊外の山中に鎮座している「定義如来 西方寺」でいただけるご当地グルメ。お寺への精進料理用の豆腐を製造している、明治23年創業「定義とうふ店」が提供しています。

 

大豆100%で作る三角油揚げは、手のひらよりも大きいビックサイズ。表面はカリッ、中身はふっくら、ボリューム感あり食べ応えもあります。

④ 白身魚がメイン「仙台づけ丼」(仙台市全域)

仙台 づけ丼

写真提供:宮城県観光課

「づけ丼」と聞くと、タレに漬け込んだマグロが載った丼ぶりを想像する方が多いと思いますが、「仙台づけ丼」は地元で獲れたヒラメ、タイ、スズキ、カレイなどの白身魚を使っています。

 

すし飯も宮城県産のお米を使用、その上に乗せるネタや味付けのタレも店舗によってさまざま。なかにはタレに隠し味として、仙台味噌を使っているところも。

⑤ 東北おふくろの味「しそ巻き(仙台全域)」

仙台しそ巻き

写真提供:宮城県観光課

「しそ巻き」は砂糖とクルミ、小麦粉を入れた仙台みそを青しそ(大葉)で巻き、油で揚げた総菜です。パリパリとした食感で、お酒のつまみにもピッタリ!

 

仙台はもちろん東北地方全域で親しまれています。伊達政宗公がつくらせた、県北部の山間にある鳴子温泉で湯治客のためにつくられた、など発祥は諸説あり。

⑥ 杜の都ならではの餃子「仙台あおば餃子」

「仙台あおば餃子」は、仙台市が市内で生産された農産物を使った新商品の開発を行い、平成22年の青葉まつりでデビューしました。仙台特産の雪菜を餃子の皮に練り込んでいるので、鮮やかな緑色をした生地が特徴です。低脂肪、低カロリーでヘルシーなので、ダイエット中でも罪悪感なくいただけます。

⑦ 仙台発祥だった「冷やし中華」

冷やし中華

写真提供:宮城県観光課

仙台市青葉区錦町にある中国料理店「龍亭(りゅうてい)」創業者である四倉義雄氏が、昭和12年(1937)に涼拌麺(りゃんばんめん)を開発したのが始まり。

 

当時の中華料理店は、夏に売上げが落ちる問題を抱えていました。そこで四倉氏は、夏でも食べられる冷たい麺料理の開発に着手。野菜を使い夏バテ予防や栄養のバランスを考慮、仕上げに食欲増進策として酸味を加えました。こうして誕生したは「冷やし中華」、今や日本の夏を象徴する料理です。

⑧ 爆売するおはぎ「主婦の店 さいちのおはぎ」(仙台市太白区 秋保温泉)

「主婦の店 さいち」は仙台市街から車で約30分、仙台の奥座敷ともいわれる秋保温泉街にあるスーパーです。名物のおはぎは1日に5,000個、最大で25,000個売れた!なんて話もある、地元民にとってもスター的な存在。

 

ふっくらとしたやわらかい食感を味わってほしいことから、賞味期限は当日。あんこの量が多く、手で持つとズッシリ重さを感じるボリュームたっぷりの一品です。

⑨ 秋~冬だけ味わえる「三陸塩竈ひがしもの」(塩竈市)

塩釜市 ひがしもの

写真提供:宮城県観光課
秋~冬場(9~12月)にかけて三陸沖東沖で漁獲され、塩竈魚市場に水揚げされるメバチマグロのうち、目利き人によって選ばれたマグロが「三陸塩竈ひがしもの」です。鮮度、色つや、脂のり、旨みなどの厳しい条件をクリアしたメバチマグロのみ、ブランド名が与えられます。
メバチマグロが水揚げされる塩竈(しおがま)市は、日本有数の寿司の激戦区。秋から冬は”ひがしもの”の寿司を食べに、県外からも多くの観光客が足を運びます。

⑩ 日本三景産の「牡蠣」(松島町)

かき鍋

写真提供:宮城県観光課

松島湾でカキの養殖が始まったのは、今からおよそ300年前。宮城県のカキ生産量は、広島県に次いで2位を誇ります。カキは一年中食べられますが一般的なマガキは冬、イワガキは夏が旬です。

 

冬の松島へ来たら、松島湾をクルージングとかき鍋を楽しめる「かき鍋クルーズ」がオススメ。土鍋には野菜とカキがたっぷりと盛り付けられ、味付けは仙台みそ仕立て。ご飯は宮城県産ササニシキと食材にもこだわっています。

三陸エリア

太平洋を望む海岸線沿いのエリアです。世界三大漁場の一つ金華山沖(きんかさん)を背景に水産業の盛んな「石巻市」。鯨の捕鯨文化の残る「牡鹿半島」、鮫(サメ)の水揚げが日本一「気仙沼市」など、海鮮好きにはたまらないエリアです。

 

① ソースはお好みで「石巻焼きそば」(石巻市)

石巻やきそば

撮影:編集部

石巻市のソウルフード「石巻やきそば」。調理前に生地を蒸して水で洗い、さらにまた蒸すという”二度蒸し”製法でつくられています。そのせいか麺はふっくらモチモチ!

 

石巻やきそばのソースは”あとがけ”するのが習わし。食す方が自分好みの量をかけます。中濃ソースより酸味の効いたソースで、サラリとした味わいです。

② パンにだってなる!「サンマ」(女川町)

女川町 サンマ

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石巻より北、太平洋沿岸に位置する女川町(おながわちょう)。水産業が盛んな町で、なかでもサンマは全国屈指の水揚げ量を誇ります。女川のサンマは9月~10月が旬。

 

サンマの刺身はもちろん、サンマのすり身を入れた「女川汁」やサンマと玉ねぎをパン生地に練りこんで焼き上げた「さんまパン」や「さんまかりんとう」なども人気。

③ 豊かな海のお宝「金華寿司」「金華丼」(石巻市)

金華寿司

撮影:編集部

黒潮と親潮がぶつかり合う金華山沖は”世界三大漁場”の一つで、なかでも石巻は全国有数の水揚げ量を誇ります。宮城米を使用したすし飯と、金華山沖で獲れた新鮮な魚介類を使った「金華寿司」や「金華丼」は外せないグルメ。

 

脂のたっぷりのったブランド魚「金華サバ」は、石巻自慢の食材。金華山沖で漁獲されたサバの中でも、石巻漁港で水揚げされた大型のサバのみ与えられる称号です。

④ 今や希少品「鯨肉寿司」(石巻市 牡鹿半島鮎川)

クジラ肉の鮨

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石巻市の「牡鹿(おしか)半島」先端部を占める鮎川(あゆかわ)地区は、100年以上の捕鯨の歴史をもつ鯨の町です名物は鯨肉をつかった握り寿司。鯨の赤身は柔らかく、噛むたびに味がしみ出てきます。

 

「さえずり」と呼ばれる鯨の舌もオススメ。濃厚でプルプルした独特の食感で、日本酒との相性はバツグンです。

⑤ 言わずと知れた高級食材「フカヒレ」(気仙沼市)

気仙沼 フカヒレ

写真提供:宮城県観光課

サメの水揚げ量を日本一を誇る気仙沼市(けせんぬまし)の名物じゃ、やはりサメのヒレである「フカヒレ」。フカヒレが高級魚といわれる所以は、優れた加工技術を有するため。気仙沼では江戸時代末期から、フカヒレやサメの加工が行われています。

 

フカヒレ料理といえば代表はフカヒレスープ、他にもフカヒレステーキ、フカヒレ姿煮、フカヒレ小籠包、フカヒレ角煮まんなど、料理はさまざま。とくに人気なのは、フカヒレの姿煮を乗せた「フカヒレ丼」。お土産用にフカヒレ丼の具もあります。

⑥ 先人の知恵が生み出したグルメ「あざら」(気仙沼市)

「あざら」は”メヌケのあら”と白菜の古漬けに酒粕(さけかす)を入れて、じっくりトロ火で煮込んだ気仙沼の郷土料理。春に白菜の処理に困った家庭で作ったのがはじまり、といわれています。現在は一般家庭ではあまり作られず、居酒屋や小料理店でいただけます。

⑦ 美容と健康にいい珍味「ホヤ」(気仙沼市)

気仙沼 ホヤ

写真提供:宮城県観光課

「ホヤ」の生産量は宮城県が全国1位で、全国に出回っている約80%が宮城県産です。低カロリーなうえビタミンやミネラルも豊富に含んでおり、美容と健康にもいい栄養食材。海のパイナップルとも呼ばれています。

 

ホヤ料理で有名なのはホヤ酢ですが、刺身にしてわさび醤油もオススメ。珍しい「ホヤピザ」や「ホヤカレー」なども、ぜひご賞味あれ!

⑧ 春夏秋冬の旬を使う「キラキラ丼」(南三陸町)

南三陸町キラキラ丼

写真提供:宮城県観光課

「キラキラ丼」とは南三陸沖で漁獲された海鮮をふんだんに乗せた、見た目も豪華な丼ぶり。春(3月~4月30日)は「春づけ丼」、夏(5月~8月31日)は「キラキラうに丼」、秋(9月~10月31日)は「キラキラ秋旨丼」、冬(11月~2月28日)は「キラキラいくら丼」と、春夏秋冬に応じた旬の食材を使っています。

県北(仙北)エリア

仙台や松島よりも北、岩手県との境目になる県北エリア。県を代表する紅葉名所「鳴子峡(なるこきょう)」や「栗駒山(くりこまやま)」など、山の恵みを感じられる自然豊かな場所です。また日本有数の温泉地「鳴子温泉郷」では、国内にある11種類の泉質のうち9種類を楽しめます。

① 農民の知恵が生み出した「はっと汁」(登米市)

つゆはっと

写真提供:宮城県観光課

「はっと」は米の代用食として、小麦を粉にして練って茹でて作った汁物です。殿様が米作りに影響が出ることを憂慮し、「はっと」を禁止(ご法度)にしたのが名前の由来ともいわれています。登米でも地域によって出汁や具材はさまざまで、それぞれが受け継がれた家庭の味となっています。

② 親子丼ならぬ「油麩丼」(登米市)

油麩丼

写真提供:宮城県観光課

「油麩丼(あぶらふどん)」は今から30年前、登米市にある老舗旅館「海老紋」の女将が考案しました。親子丼の肉の代わりに、登米市の伝統食材「油麩(小麦たんぱく質成分のグルテン)」を使っています。とろとろ卵でとじた油麩から、にじみ出る旨味はやみつき必須!

③ わさび丸々1本いただく「やくらいわさび丼」(加美町)

やくらいワサビ丼

写真提供:宮城県観光課

本わさびが丸々1本ついてくる「やくらいわさび丼」。わさびは自身ですり下ろし、ご飯にかけていただきます。

 

ミネラル豊富な湧き水を利用して栽培されたわさびは鼻にツーンとくることはなく、辛さよりも風味の強さが特徴。加美町内にある「やくらい 薬師の湯の食事処キッチン木かげ」でいただます。

④ ワイルドな郷土料理「ごろんべ鍋」(栗原市)

「ごろんべ鍋」は栗原地方に伝わる、どじょうを使った鍋料理です。昔ごろべえという人が好んで作ったことから、この名前が付けられたといわれています。お酒でどじょうを酔わせてから、根菜と酒粕で煮込むというワイルドな鍋です。

いざ、東西南北を巡る食の旅へ!

笹かま

出典:PIXTA

今回は宮城の郷土料理を24品ご紹介しました。海と山の幸が豊富な宮城県には、美味しい郷土料理がたくさん!

 

宮城といえば笹かまぼこも有名で、仙台や松島町、石巻市など沿岸部を中心に各地域に根付いた老舗店が点在しています。

 

まだまだ紹介しきれていない美食も眠っているはず。宮城の食を巡る旅に、出掛けてみませんか?

油麩丼
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stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力や地元ならではの情報をお届け致します。