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仙台「日和山」を登る!標高3mの日本一低い山から望む景色

2021/11/08 更新

震災復興工事により、巨大防潮堤が完成した蒲生(がもう)地区。今回は蒲生干潟のほど近くにそびえる“日本一低い山”「日和山(ひよりやま)」を取材してきました。この記事では、現在の日和山と工事が終わって新しくなった周辺の様子をお伝えします。

アイキャッチ画像出典:撮影 筆者
記事中画像:撮影 筆者

仙台の「日和山」は日本一低い山

日和山 正面

日本全国各地にある「日和山(ひよりやま)」。宮城県には石巻市、塩竈市、仙台市、名取市に日和山があり、なかでも仙台市の日和山は標高3mの“日本一低い山”として国土地理院に認定されています。

 

ではなぜ日和山は全国に存在するのでしょうか? 日和山について少しひも解いてみましょう。

石巻市の「日和山」は、こちらの記事をご覧ください。

日和山は、なぜ全国にあるの?

日和山 江戸時代

出典:いらすとや(作成 編集部)

全国の日和山は、江戸時代前期に航路が開かれた時に設置されたと考えられています。

港のそばに丘があればそこを、低地で山がない所は土を盛り上げて丘を築き、日和山としたそうです。

 

江戸時代は現在のようなエンジンではなく、風の力で動く帆船。主に国内での帆船輸送に携わる廻船の船乗りたちが、天候をみるために日和山を利用しました。

仙台の日和山は「いつ」からあるの?

日和山のぞむ海

▲日和山からのぞむ太平洋

江戸時代から明治時代の半ばまで、蒲生(がもう)地区は貢米や塩などを塩竈(しおがま)から仙台城下町へ流通させる、舟運の重要拠点として機能していました。

しかし廃藩置県による仙台藩の消滅で、舟運は次第に衰退。その後近代化が進み、輸送手段は鉄道に代わりその役目を終えます。

 

この地区で舟運の仕事が無くなり、農業と漁業の両方を生業とする人や、新たに漁業へ参入する人が増えてきました。

次第に漁業が盛んとなり、明治42年(1909)頃に仙台の「日和山」が築かれました。

 

日和山は漁師が天候を推測し、出漁の判断をするためにつくられた※築山だったといわれています。

 ※築山…土などを盛って人工的につくられた山のこと

そもそも“日和”ってどんな意味?

日和 意味

出典:イラストAC あいださん (作成:編集部)

「日和」とは、行楽日和や洗濯日和など天気の良い日や、何かするのにちょうど良い天気のことに使う言葉ですよね。

日和の語源や由来を調べてみると、不思議なことに諸説ありましたのでご紹介します。

 

・万葉仮名説

万葉集で歌人の柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が詠んだとされる歌の一節に、「飼飯(けひ)の海の庭好(にはよ)くあらし」というのがあります。この「庭」は海の海面を意味し、万葉仮名で「日和(にわ)」とあてられました。

 

ところが後に、日和を「日が和(な)いだ(おだやか)」と解釈し、日と音訓読みではない名のり(人の名に限り慣習的に使用された読み方)で使用する「和(より)」で「日和(ひより)」と読み、海の天気から天気全般を指す用語として定着したという説があります。

 

・日和見説

日和見説は、日和見(ひよりみ)から動詞に変化した「日和る」を語源とする説。もともと日和見は天気模様をうかがうという意味で、このことから日和見は「どっちか有利な方につこうと形勢をうかがうこと」に使われるようになったそうです。

 

・日寄り説

「日寄り」を語源とする説もありました。西寄り、東寄りなど方角へ片寄る意味と同じで、日(太陽)の方向へ片寄り良い天気の意味とする「日寄り」が語源とする説があります。

いずれも天気のことを指していますが、どの説が正しいのかは不明です。

 

それでは、日和山についてはここまでにして、さっそく「日本一低い山」仙台の日和山へ行ってみましょう。

日和山までの登山ルート

日和山 階段

日和山へ行ったのが10月初旬。仙台市街地から車を25分ほど走らせ、15時20分頃に到着です。

気温は20℃くらいで天気は曇り。

 

この一帯はしばらく巨大防潮堤の工事中でしたが、令和3年(2021)3月に完成。現在は新しい駐車場や道路など、周辺環境が整備され利用しやすくなりました。

 

バスと徒歩でのアクセスも可能ですが、30分ほど歩きます(アクセスの詳細は記事末尾に掲載)。

日和山の駐車場

日和山 駐車場

真新しい白線でしっかりと区切られており、とてもきれいな駐車場です。無料で駐車可能台数は約40台。こちらに駐車して日和山の入口へ向かいます。

日和山への入口

日和山 駐車場にある登山口へ入口

赤い矢印の通り、階段を上って行きましょう。復興工事でこの階段もつくられました。

日和山 説明版

入口右側に日和山、左側には蒲生干潟(がもうひがた)の説明板が設置されていました。

東日本大震災以前の日和山(当時の標高6.05m)の写真が掲載されています。

日和山 道のり

階段を上りきると、巨大防潮堤から日和山と蒲生干潟、太平洋が広がっています。階段を下って日和山の登山口へ。

日和山とと太平洋

登山口までは舗装されていますので、道なりに進んでいきましょう。

日和山への登山口

日和山 登山口からのぞむ山頂

登山口に到着しました。とても見晴らしの良い登山口です。

日和山 標柱

いざ登山スタート!

「蒲生 日和山」と刻まれた新しい石標が設置されていました。

 

「落石注意」の木標がありますので、ご注意ください。ではさっそく山頂を目指します。

日和山の山頂

日和山 山頂

登山口からは、4歩~5歩ほどで山頂に到着!

標高3mの日和山への登頂は、さすがにあっという間ですね。

 

山頂には石が積み上げられていました。その先に蒲生干潟と太平洋がみえます。

日和山の下山口

日和山 下山口

登山口の反対側にある下山口。日本一元気の出る登山”また来てね”と書かれていました。

思わずホッコリ、元気が出てきました。また訪れたいと思います。

 

次に日和山からどんな景色がみえるのかご紹介しましょう。

日和山からみえる景色

日和山 太平洋方面

まずは、日和山を背にして東側の太平洋方面をのぞみます。手前が干潟でカモたちが泳いでいます。その奥は仙台湾・太平洋です。

日和山 太平洋

お次は、北東方面の景色です。左手には七ヶ浜半島、太平洋に浮かぶ船もみえます。

仙台港にある火力発電所

さらに北方面をみてみましょう。中央奥にみえるのが仙台港にある火力発電所です。

日和山からみる名取市方面 

次は名取市がある南方面。干潟の先には、果てしなく広がる太平洋を一望できます。

 

無事に日和山の登頂に成功しましたので、次は登頂証明書を発行してもらえるという「仙台市高砂市民センター」へ向かいました。

日和山に登ったら「登頂証明書」をもらおう!

「仙台市高砂市民センター」に向かおう

仙台市 高砂市民センター

「仙台市高砂市民センター」へは、日和山から車でおよそ8分。こちらで日和山の登頂証明書を発行しています。

所在地:〒983-0014 仙台市宮城野区高砂1丁目24番地の9

電話番号:022-258-1010

受付時間: 9:00~21:00

休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始

アクセス:JR仙石線「陸前高砂駅」下車徒歩約10分

または市営バス蒲生(6号公園住宅終点)行に乗車し、「高砂二丁目」下車徒歩約5分

写真をみせて、登頂証明書をゲット!

日和山 登山証明書日和山 ガイドブック

高砂市民センターの受付で、職員の方にスマートフォンで山頂を撮影した画面をみせると、この登頂証明書とパンフレットをいただけます。

仙台 日和山 模型

館内には、震災前の日和山の写真などが展示されています。東日本大震災前の日和山の模型も展示されていました。

日和山 昔の写真

震災前のさまざまな思い出写真や集会所の看板、ハッピなどが所狭しと展示されています。震災以前の航空写真もみることができました。

 

以上で、日和山から登頂証明書発行までの旅は終了です。最後に「日本一低い山」となった日和山の歴史をみてみましょう。

一度は消滅の報道も…「日和山」の歴史

日和山 案内板

・明治42年(1909)頃、漁師が天候を推測するため地元住民によって日和山がつくられた。

・大正2年(1913)と大正8年(1919)に日和山の土盛りが行われた。

平成4年(1992)国土地理院の職員の独自調査で日和山が日本最低峰「標高6.05 m」とされた。

・平成5年(1993)日和山が地形図に掲載されている山の中で日本最低峰となった。

・平成8年(1996)地形図に天保山が再掲載され日本最低峰となり、日和山は「元祖 日本一低い山」と名称を変更。

・平成23年(2011)3月11日、この日発生した東日本大震災の津波により山自体の形が消滅したと報道された。

・平成26年(2014)国土地理院の調査で「標高3.0m」の山と認定され、18年ぶりに「日本一低い山」となり現在にいたる。

 

長い年月をかけて日和山が守られてきたのが、よくわかりますね。

日和山は、この地区のシンボル

日和山がある蒲生地区は、平成23年(2011)に発生した東日本大震災の津波により甚大な被害を受けました。一度消滅した日和山は、地元住民によって再度つくられ「日本一低い山」に返り咲いています。

 

そんな元気がもらえるこの地区のシンボル「日和山」に、あなたも訪れてみてはいかがでしょうか。

【日和山の基本情報】

所在地:〒983-0002 宮城県仙台市宮城野区蒲生町87

アクセス:

<電車・バス>

JR仙石線「陸前高砂駅」から仙台市営バス「中野新町行」に乗車(約6分)「中野新町」で下車し徒歩約30分

<車>

仙台東部道路 仙台港I.Cより約8分

駐車場:

無料/約40台

日和山 正面
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stingray
stingray

札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力や地元ならではの情報をお届けいたします。

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