東北有数の名園で知られる輪王寺
仙台市の北山地区は、「仙台城(青葉城)」の鬼門(艮:北東)の方角にあたるため多くの寺院が密集しています。
なかでも今回は、伊達氏とともに変遷を繰り返し、東北有数の名園で知られる「輪王寺(りんのうじ)」を訪ねました。
輪王寺の境内の状況や日本庭園を紹介します。
\東北で御朱印めぐり/
輪王寺ってどんなお寺?
輪王寺は、仙台市青葉区北部の北山に位置する曹洞宗の寺院です。山号は金剛寳山で、ご本尊は釈迦牟尼仏。
創建は、室町時代にあたる1441年(嘉吉1)。
伊達氏11代当主・伊達持宗(だて もちむね)が、祖母にあたる伊達氏9代当主・伊達政宗夫人(蘭庭明玉禅尼)の菩提寺として旧伊達郡梁川町(現在の福島県伊達市)に建立しました。
伊達氏の居城が変わるごとに、輪王寺も変遷を繰り返します。現在の北山の地に移ったのが、1602年(慶長7)。仙台藩の一門格寺院でした。
伊達郡梁川(福島県伊達市)
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①伊達郡西山(福島県桑折町)
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②置賜郡米沢(山形県米沢市)
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③奥州会津城(福島県会津若松市)
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④置賜郡米沢(山形県米沢市)
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⑤玉造郡岩出山(宮城県大崎市)
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⑥仙台城(宮城県仙台市)
境内には、仙台藩初代藩主・伊達政宗の8男で7歳で亡くなった竹松丸(たけまつまる)と、その殉死者2名の墓や、政宗の正室・愛姫の母、会津白虎隊唯一の生存者・飯沼貞雄(いいぬま さだきち)、赤痢菌の発見者・志賀潔(しが きよし)の墓所があります。
輪王寺の境内を散策
今回訪ねたのは、ちょうど桜が満開となった2022年4月11日。良く晴れて、気温は23℃と絶好の花見日和となりました。
まずは駐車場を目指します。
輪王寺の駐車場は、本堂に近い第1駐車場と三重塔に近い第2駐車場の2カ所あり、今回は第1駐車場を利用しました。駐車場では満開の桜がお出迎え。
さっそく、正面入口にある山門から輪王寺の中へ入ってみましょう。
輪王寺の山門(仁王門)
輪王寺の山門は、1691年(元禄4)に仙台藩4代藩主・伊達綱村(だて つなむら)によって建てられたとされています。
ところが、1876年(明治9)の北山一帯で発生した大火で境内の建物は全て焼失。火災から免れ残ったのは、この山門のみ。
前面の左右に仁王を配し、330年以上の歴史を伝える輪王寺唯一の遺構です。
江戸時代中期の手法を伝える貴重な山門は、仙台市の有形文化財に指定されています。
では、山門をくぐって参道を歩いてみましょう。
輪王寺の参道
山門をくぐると、本堂まで続く輪王寺特有の長い参道が現れます。秋の紅葉シーズンはとくに美しく、地元でも人気の参道です。
この参道の四季折々の姿を写真に収めに来る参拝客も多いです。