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仙台「輪王寺」東北有数の庭園で知られる伊達家ゆかりの寺院

仙台城の鬼門、仙台市北山地区にある「輪王寺(りんのうじ)」。伊達氏ゆかり寺院であり、東北有数の名園としても知られています。この記事では、実際に現地を訪ねたライターが、輪王寺の見どころや、御朱印の情報を紹介します。

アイキャッチ撮影:筆者
記事中画像撮影:筆者

東北有数の名園で知られる輪王寺

輪王寺

仙台市の北山地区は、「仙台城(青葉城)」の鬼門(艮:北東)の方角にあたるため多くの寺院が密集しています。

なかでも今回は、伊達氏とともに変遷を繰り返し、東北有数の名園で知られる「輪王寺(りんのうじ)」を訪ねました。

 

輪王寺の境内の状況や日本庭園を紹介します。

 

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出版社名:地球の歩き方
出版年月:2022年03月
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輪王寺ってどんなお寺?

輪王寺

輪王寺は、仙台市青葉区北部の北山に位置する曹洞宗の寺院です。山号は金剛寳山で、ご本尊は釈迦牟尼仏。

 

創建は、室町時代にあたる1441年(嘉吉1)。

伊達氏11代当主・伊達持宗(だて もちむね)が、祖母にあたる伊達氏9代当主・伊達政宗夫人(蘭庭明玉禅尼)の菩提寺として旧伊達郡梁川町(現在の福島県伊達市)に建立しました。

伊達氏の居城が変わるごとに、輪王寺も変遷を繰り返します。現在の北山の地に移ったのが、1602年(慶長7)。仙台藩の一門格寺院でした。

 

「輪王寺」6度の変遷

伊達郡梁川(福島県伊達市)

①伊達郡西山(福島県桑折町)

②置賜郡米沢(山形県米沢市)

③奥州会津城(福島県会津若松市)

④置賜郡米沢(山形県米沢市)

⑤玉造郡岩出山(宮城県大崎市)

⑥仙台城(宮城県仙台市)

境内には、仙台藩初代藩主・伊達政宗の8男で7歳で亡くなった竹松丸(たけまつまる)と、その殉死者2名の墓や、政宗の正室・愛姫の母、会津白虎隊唯一の生存者・飯沼貞雄(いいぬま さだきち)、赤痢菌の発見者・志賀潔(しが きよし)の墓所があります。

輪王寺の境内を散策

輪王寺

今回訪ねたのは、ちょうど桜が満開となった2022年4月11日。良く晴れて、気温は23℃と絶好の花見日和となりました。

 

まずは駐車場を目指します。

輪王寺の駐車場は、本堂に近い第1駐車場と三重塔に近い第2駐車場の2カ所あり、今回は第1駐車場を利用しました。駐車場では満開の桜がお出迎え。

 

さっそく、正面入口にある山門から輪王寺の中へ入ってみましょう。

輪王寺の山門(仁王門)

輪王寺

輪王寺の山門は、1691年(元禄4)に仙台藩4代藩主・伊達綱村(だて つなむら)によって建てられたとされています。

ところが、1876年(明治9)の北山一帯で発生した大火で境内の建物は全て焼失。火災から免れ残ったのは、この山門のみ。

 

前面の左右に仁王を配し、330年以上の歴史を伝える輪王寺唯一の遺構です。

輪王寺

江戸時代中期の手法を伝える貴重な山門は、仙台市の有形文化財に指定されています。

 

では、山門をくぐって参道を歩いてみましょう。

輪王寺の参道

輪王寺

山門をくぐると、本堂まで続く輪王寺特有の長い参道が現れます。秋の紅葉シーズンはとくに美しく、地元でも人気の参道です。

輪王寺 秋

出典:PIXTA

この参道の四季折々の姿を写真に収めに来る参拝客も多いです。

輪王寺

参道の左側には、写真上の仏足石(ぶっそくせき)があります。お釈迦様の足跡を石に刻んだものだそうです。

 

参道奥の左手には、さまざまな樹木が18,000本も生い茂る「輪宮の森」があります。この森の中には「植樹マン」と「植樹ウーマン コノハ」という名の石像がありますので、ぜひ探してみてくださいね。

 

次は石段へ。

輪王寺の石段

輪王寺

段数はそれほど多くありませんが趣のある石段です。

この周辺では、ネコちゃんをよく見かけます。癒されに来る方も多いようです。

 

続いて、本堂に行ってみましょう。

輪王寺の本堂

輪王寺

本堂が見えてきました。

 

輪王寺は幕末まで伊達氏によって守られてきました。しかし、明治維新後は伊達氏の庇護を失います。さらに1876年(明治9)の北山大火で、山門以外を全て焼失。復興の手立てがなく20年以上が経過します。

 

曹洞宗の大本山である福井の「永平寺(えいへいじ)」と神奈川の「総持寺(そうじじ)」は、輪王寺の荒廃を惜しみ、復興を図るため、1903年(明治36)福定無外和尚を輪王寺の住職としました。無外和尚は、寝食を忘れてまで輪王寺の再建に力を注ぎます。

そして12年後の1915年(大正4)に、現在の本堂と庫裡を完成させたそうです。無外和尚は庭園の建設にも尽力し、晩年には現在の規模をほぼ備えた庭園を仕上げました。

 

せっかくなので、本堂の周りを散策してみることに。

本堂にある大王松

輪王寺

本堂の右手には、巨大な大王松(ダイオウショウ)がありました。

輪王寺

樹齢は120年以上で、仙台市の保存樹木に指定されています。

輪王寺の鐘楼

輪王寺

本堂の手前にある鐘楼吼月楼と大梵鐘は、1920年(大正9)に建てられました。

しかし、大梵鐘は太平洋戦争時に金属回収令により供出。その後、1958年(昭和33)人間国宝・長野垤志氏によって鋳造され現在に至ります。

輪王寺のロバさん

輪王寺

鐘楼の奥へ進むと、2頭の動物を発見! よく見てみると、なんとロバさんでした。

そう、輪王寺ではロバさんを飼育しているのです。名前は「輪輪(りんりん)」と「寺寺(じんじん)」。

とても人懐っこいロバさんでしたよ。

 

次は庭園に向かいます。

輪王寺の日本庭園

輪王寺

輪王寺には、四季折々の景色が観賞できる日本庭園があります。

庭園内を回遊できる池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)で、さまざまな角度から楽しめるようになっています。

 

庭園内はどうなっているのか、さっそく中に入ってみましょう。

庭園への入口

輪王寺

庭園は本堂の右側にあります。案内板の矢印通りに進んでください。

輪王寺

こちらが庭園の出入口。

入園時間:8:00~17:00

入園料金:300円(小学生未満無料)

輪王寺

入口は無人で、300円を入れてバーを体で押して前に進みます。

御朱印を希望される方は、左の窓から係の方に声をかけて御朱印帳を預けてください。帰りに受け取ることができます。

庭園内を散策

輪王寺

ここから庭園内に入っていきます。置き石がありますので、そのまま前へ進んで行きましょう。

輪王寺

大きな池が見えてきました。奥に見えるのは三重塔。4月の訪問でしたので、ちょうど桜が満開でした。

池と三重塔、桜のコントラストがいいですね。

輪王寺

池には鯉がたくさんいました。人馴れしているのか、すぐに近寄ってきます。しばし鯉と戯れる時間を過ごしました。

 

次は五重塔に行ってみましょう。

輪王寺の五重塔

輪王寺

この五重塔は自然石を使用したもので、戦死者供養のため1940年(昭和15)に建立されたそうです。

 

続いて三重塔へ。

輪王寺の三重塔(宝楼閣)

輪王寺

この三重塔は、開山五百年大遠忌を記念して1981年(昭和56)に建てられたものだそうです。高さは22.6m。

お祀りしているのは、仙台市の有形文化財に指定されている釈迦如来坐像。御開帳は毎月1日と15日で、この日のみ参拝できます。

 

次は蘭庭堂に行ってみましょう。

輪王寺の蘭庭堂

輪王寺

蘭庭堂は、伊達氏9代当主・伊達政宗夫人(蘭庭明玉禅尼)の御霊屋として建てられたものだそうです。

扉にある伊達家の家紋「九曜紋」と「竹に雀」が美しく輝いていました。

 

次は石庭へ。

輪王寺の石庭

輪王寺

輪王寺の庭園内にある石庭は「枯山水(かれさんすい)」と呼ばれています。

日本庭園の様式の1つで、川や池などの水を用いず、石や白砂を組み合わせて山水の趣を表した庭園のこと。四季や時間帯によって、見え方や感じ方が異なるそうです。

 

次は庭園内に咲く桜を見てみましょう。

輪王寺の桜

輪王寺

春の訪れとともに咲き乱れる輪王寺の桜たち。

輪王寺

木の数は多くありませんが、1本1本が美しい花を咲かせ、参拝者の目を楽しませてくれます。

輪王寺

輪王寺の散策はここまでです。最後に輪王寺の御朱印を紹介します。

輪王寺の御朱印

輪王寺

庭園に入る前に係の方に預けて、帰る際に受け取りました。ユニークな字体で「釈迦如来」と書かれています。

右下のお地蔵さんの赤いスタンプが可愛らしいですね。(御朱印帳は筆者の個人所有物)

 

【輪王寺の基本情報】

住所:

宮城県仙台市青葉区北山1丁目14-1

営業時間:

8:00~17:00

アクセス:

【公共交通の場合】

JR仙山線「山形」駅乗車‐「北山」駅下車、徒歩約13分

【クルマの場合】

東北道「仙台宮城」ICより約16分

駐車場:

無料/80台

輪王寺|公式

6回の引っ越しと復興した輪王寺へ

伊達氏とともに福島県から仙台の地に落ち着くまで、6回もの引っ越しをした輪王寺。歴史家はこれを「輪王寺の六遷」と呼んでいます。その後、1度は荒廃し復興も危ぶまれましたが、見事に復興を果たしました。330年以上の歴史を伝える輪王寺に、あなたも手を合わせに行ってみませんか。

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※掲載されている情報は最新のものとは限りません。現地にお越しの際には必ず施設の公式サイトもご確認ください。

輪王寺
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stingray
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札幌出身で趣味はギター。前職の転勤で仙台に移り住み、気が付いたらもう30年になります。仙台は海の幸や山の幸も美味しく、とても暮らしやすい所です。そんな仙台の魅力を地元目線でお届けいたします。

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