なぜ宮城名物なのか?
笹かまぼこは、明治初期の仙台で誕生したとされています。
当時仙台ではタイやヒラメの豊漁が続いており、叩き売りをしても持て余すほどだったようです。しかし輸送手段も未発達で、冷蔵設備などの保存方法もありません。
どうしたものかと頭を悩ましていたところ、とある職人が、ヒラメを用いて笹の葉型の焼きかまぼこを作りました。これが評判となり、魚屋で笹かまぼこを作るお店が増え、街中で振り売りされるなどして広まっていったようです。
なぜ「笹かまぼこ」という名前なの?
ではなぜ、名前に「笹」が付いたのでしょうか?
“笹かまぼこの名づけ親”とされている阿部蒲鉾店のHPでは、次のように紹介されています。
1935年(昭和10年)創業した当社阿部蒲鉾店において、旧仙台藩主伊達家の家紋「竹に雀」の笹にもちなみ、「笹かまぼこ」と呼ぶようになってから、旧仙台藩地域で次第に名称が統一されていきました。
「笹かまぼこ」という名前は、62万石の仙台藩を治めた、伊達家の家紋「竹に雀」に由来しており、仙台だからこそ生まれた名称ともいえます。
名称が統一されるまでは、「木の葉かまぼこ」「てのひらかまぼこ」「ベロかまぼこ」と、さまざまな呼び名があったようです。
笹かまぼこの特徴や賞味期限
笹かまぼこの特徴は、以下の通り。おかずとしてはもちろん、お酒のおつまみにも最高です。
・焼いているので、表面はキツネ色
・ふわっと軽く、プリッと歯ごたえのある食感。柔らかくて食べやすい
・そのまま食べても美味しいが、焼くと魚の香ばしい香りが強まる
賞味期限と保存方法
笹かまぼこの賞味期限はメーカーによって異なりますが、大体7日間ほどです。賞味期限は冷蔵(10℃以下)で保存された場合の日数なので、なるべく早く冷蔵庫に移しましょう。
真空包装の場合は賞味期限が長くなり、18~20日間ほど。各社異なるため、購入した笹かまぼこのパッケージを確認してください。
笹かまぼこは冷蔵庫で保管し、賞味期限以内に食べましょう。メーカー各社のHPを見てみると、冷凍庫での保存は推奨されていません。
しかしメーカーによっては、冷凍方法を紹介しているため、購入した笹かまぼこのHPをぜひ確認してください。
「笹かまぼこ」はどうやって作られているの?
ざっくり笹かまぼこの作り方を説明すると、以下のようになります。
② 焼く
③ 冷やす
字面だけみると、簡単に作れそうな印象を抱いてしまうかもしれませんが、それは大間違い!
素材選び、味付け、生地の練り込み具合、焼き加減など、一つ一つの工程が味や食感に大きく影響するそうです。
詳しくはGOGO MIYAGIライターが取材した記事があるので、ぜひ見てください!
編集部オススメ「笹かまぼこ専門店」6選
現在は仙台市に限らず、県内の太平洋沿岸地域(仙台・松島・石巻)では、笹かまぼこをはじめ、多様なかまぼこ製品を作る専門店が数多く点在しています。
この記事では、編集部オススメの「笹かまぼこ」専門店を6つピックアップしました。いずれも仙台駅構内で購入できます。
① 阿部蒲鉾店(あべかまぼこてん)
1935年に仙台で創業し、「笹かまぼこ」の名づけ親で知られる有名店です。定番の「阿部の笹かまぼこ」は、農林水産大臣賞を受賞した間違いなしの一品。プリッとした歯ごたえに、魚本来の旨みがギュッと詰まっています。噛めば噛むほど美味い!
他にも、とろ~りクリームチーズの入った「チーズボール」、季節限定のかまぼこ製品も多数取り揃えています。
また、ひょうたんの形をしたかまぼこのアメリカンドック「ひょうたん揚げ」は、仙台食べ歩きの定番です。こちらも合わせてお試しあれ!
②松島蒲鉾本舗(まつしまかまぼこほんぽ)
日本三景・松島を中心に、80年余りの歴史をもつ老舗蒲鉾店です。定番の「松島笹かまぼこ」は、肉厚でプルっとした歯ごたえが特長。
ほかにも、大豆を用いた揚かまぼこ「むう」や、スイーツ感覚のかまぼこ「どらぼこ」など、かまぼこ=お惣菜という固定概念にとらわれない変わり種も人気です。
③ かまぼこの鐘崎(かまぼこのかねざき)
化学調味料・保存料・でんぷん・卵白無添加で、“素材の味わいを生かしたかまぼこ作り”にこだわりをもつかまぼこ専門店です。
定番の「かねささ」は、不必要なものを一切使わず、魚、水、塩、天然調味料でつくられた体に優しい笹かまぼこ。肉厚で大判、ふっくら柔らくモチモチ食感はたまりません!
仙台市内に「鐘崎 笹かま館」というかまぼこミュージアムがあり、笹かまぼこの手焼き体験、揚げかま手作り体験教室、工場見学などを開催しています。仙台市営地下鉄東西線「荒井駅」からバスで7分ほど。(仙台駅からの所要時間は約40分)
④ 白謙かまぼこ店(しらけんのかまぼこてん)
国内有数の水揚げ高を誇る石巻で創業し、100年余の歴史をもつ老舗かまぼこ専門店です。
定番の「極上笹」は、プリプリっとした歯ごたえが群を抜いている笹かまぼこ。新鮮な素材にこだわり、魚本来のほんのりした甘さを残しつつ、磯の香りが漂う上品な味わい。お酒が進む逸品です。
仙台駅構内にテナント店があるので、新幹線に乗る前に手に入るのもありがたいですね。
⑤ 馬上かまぼこ店(ばじょうかまぼこてん)
大正元年創業、仙台より南に位置する亘理町に根ざしたかまぼこ専門店です。定番の「笹かまぼこ」は、百年以上作り続けているお店自慢の逸品。中はしっとり、ふっくらした食感で、柔らかい口当たりが特徴です。
また昔ながらの手焼きにこだわる「炭火焼笹かまぼこ」は、高級魚ヒラメを贅沢に使い、全工程を手作業で作るなんともレアな逸品。1日の生産は数量限定となっています。
ほかにも、旬野菜はじめ様々な素材とすり身を織り交ぜた笹かまぼこや、ビールのおつまみにピッタリの「揚げかま」、燻製した笹かまぼこにチーズとわさびを合わせた「わさびチーズ」など、豊富なかまぼこ製品も人気の理由となっています。
⑥ 松澤蒲鉾店(まつざわかまぼこてん)
明治の創業以来100年余の歴史をもつ、老舗のかまぼこ店専門店です。全国蒲鉾品評会で大日本水産会長賞を受賞した「笹百年きちじ」は、お店の看板製品。
最上級グレードのすけそうだらをベースに国産きちじのすり身を贅沢に使い、独自製法でぷりっとした弾力ある噛み応えが自慢の逸品です。
ほかにも、チーズケーキのようなスイーツかまぼこ「ふ和らん」、とろ~り半熟卵が丸ごとを包んだ「半熟ばくだん」、スモークされた牛タンと笹かまぼこが合わさった「ささタン」など、他店にないオリジナルかまぼこも見逃せません。
定番の笹かまぼこを色々なお店で食べ比べするのもよし、ひとつのお店で定番や変わり種など色々な種類を楽しむのもオススメです!
「笹かまぼこ」のいろんな食べ方!ぱぱっと簡単レシピも紹介
冷蔵庫から出してすぐに食べられるのが、笹かまぼこのいいところ。しかしもうひと手間加えると、もっと美味しくなるかもしれない!
そこでメーカーや某レシピサイトを参考に、「簡単」「家にあるもので出来る」かまぼこレシピを紹介します。
① 冷蔵庫から出して、醤油やわさびと一緒に食べる
開封した笹かまぼこを、醤油とワサビもしくはショウガを合わせて食べてみましょう。