桜以外の見どころは?
西公園には、上記以外にもさまざまな名所がありますので紹介します。
櫻岡大神宮
西公園のお花見広場のとなりに鎮座する「櫻岡大神宮(さくらがおかだいじんぐう)」。仙台藩初代藩主・伊達政宗が創建したもので、もともとは仙台市青葉区の荒巻に「伊勢堂山」と称し鎮座していました。
廃藩置県後、1872年(明治5)に大町の商人によって、元柳町(今の西公園内)に遷宮。その後、1875年(明治8)に「伊勢堂山」から「櫻岡大神宮」へと改称しています。
1926年(大正15)の仙台市電開業に合わせて、現在の地に遷宮されました。
櫻岡大神宮の社務所
御朱印や御守は、こちらの社務所でいただけます。
桜シーズン限定御朱印
この時期のみの限定御朱印。桜のデザインが美しいですね。通常の御朱印は下記記事で紹介しています。
次は隣にある甘味処に寄ってみます。
源吾茶屋
櫻岡大神宮の左側に位置する甘味処「源吾茶屋(げんごちゃや)」。地元では「げんごぢゃや」と少し訛って言う人の方が多いかもしれません。
創業は明治元年で、当時から櫻岡大神宮の門前で営業を続けているそうです。
休日には行列ができるほどの人気店で「ずんだもち」などのもち類はもちろん、ラーメンやそば、ごはん類なども提供しています。なかでも、カツカレーとカツ丼は人気メニューだとか。
続いて西公園にある名所を訪ねてみましょう。
力士「駒ヶ嶽」の碑
大関・駒ヶ嶽(こまがたけ)は、1880年~1914年に実在した宮城県遠田郡出身の元大相撲力士。源吾茶屋の脇には力士・駒ヶ嶽(こまがたけ)の偉業を称える碑があります。
豪快な取り口が人気の大関で、横綱昇進を期待されていた駒ヶ嶽。誰も名乗れないはずの四股名(しこな)の止め名、「谷風」を襲名するのではないかとまで言われていました。
しかし、お酒が原因による腸穿孔と脳溢血を発症し、33歳の若さで現役中に急死。駒ヶ嶽以降、宮城県内から大関は誕生していません。
次は伊達政宗の臥龍梅へ。
伊達政宗の臥竜梅
お花見広場内にある「臥龍梅(がりゅうばい)」は、伊達政宗が1592年 (文禄1)の文禄の役で朝鮮から持ち帰って仙台城に植えたもので、明治維新後に西公園内に移植されたと伝えられています。樹齢は約240年以上で、仙台市指定の保存樹木です。
続いて、こけし塔を見てみましょう。
こけし塔
西公園の北側に位置する「こけし塔」は、1961年(昭和36)に仙台市商工会議所が宮城県の観光広報のために設置した、鋳物のこけしです。高さ7.4mで重さ8トン、台座の高さは2.4m。
鳴子こけしを基に山形市で鋳造されました。建立に3日もかかったと言われています。
次は、隣にあるSL広場へ。
SL広場
こちらの蒸気機関車C601は、1968年(昭和43)まで東北本線や奥羽本線で運行していました。
同年に東北本線の全線電化に伴い、蒸気機関車の廃止を知った仙台市内の小学生が国鉄東北支社に保存を願う手紙を送ったことで西公園に設置されることになったそう。
この出来事がきっかけで、1969年(昭和44)に国鉄仙台鉄道管理局長と仙台市長との間で車両貸借契約を締結。その後、この西公園に設置されたそうです。
展示されているC601は、国内に現存する唯一のC60型で他の機関車は全て廃車後に解体処分となっています。
西公園の取材はここまでです。
【西公園の基本情報】
住所:
宮城県仙台市青葉区桜ケ岡公園1
アクセス:
【公共交通の場合】
仙台市地下鉄東西線「八木山動物公園」駅行き乗車-「大町西公園」駅下車、徒歩すぐ
【クルマの場合」
東北道「仙台宮城」ICより約6分
駐車場:
なし/近隣の有料駐車場をご利用ください。
季節を通して楽しめる西公園へ
今から140年以上前の1875年(明治8)に開園した西公園。仙台市内で初めてできた近代的な公園です。
現在は桜の名所として親しまれていますが、季節を通して楽しませてくれる公園です。そんな魅力的な西公園に、あなたも一度訪ねてみませんか。
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