太平洋沿岸を走る【JR仙石線・石巻線】
仙台駅から約30分「本塩釜駅」~鹽竈神社~
松島への玄関口、塩釜市(しおがまし)。
陸奥国(現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県)で、最も格式の高いとされる「鹽竈神社(しおがまじんじゃ)」があります。
中世では平泉の黄金文化を築いた奥州藤原氏が、江戸時代には仙台藩藩祖・伊達政宗が厚く信仰していました。
本塩釜駅から15分ほど歩くと、石造りの鳥居と202段の石段が続く表参道へ辿りつきます。
参道は全部で3か所ありますが、なかでも表参道は男坂と呼ばれ、上りきると運気がアップするとか。
主祭神の塩土老翁神しおつちおじのかみ)は、古事記た日本書紀など日本神話に登場する神様。
神話では登場人物たちに道しるべを示し、鹽竈神社の社伝によると人々に漁業や製塩法を伝えたとされています。
鹽竈神社は国内でも類をみない、”※三本殿二拝殿”という配置をしています。
主祭神の塩土老翁神は「別宮」に、「左宮」に武甕槌神(たけみかづちのかみ)、「右宮」に経津主神(ふつぬしのかみ)の二神が、伊達家の守護神として祀られています。
※三本殿二拝殿…ご神体のある「本殿」が3つ、人が参拝する「拝殿」が2つあること。
塩釜の1日観光モデルコースは、こちらの記事で紹介!
仙台駅から約30分「本塩釜駅」→定期船で約25分~浦戸諸島~
松島湾に浮かぶ「浦戸諸島(うらとしょとう)」は、日帰りで気軽に巡れる離島です。
大小さまざまな島がありますが、船が往来しているのは桂島(かつらしま)、野々島(ののしま)、寒風沢(さぶさわ)、朴島(ほおじま)の4島み。
浦戸諸島へは本塩釜駅から徒歩で約10分、「マリンゲート塩釜」から塩竈市営汽船に乗船します。
1番近い「桂島」は約25分、1番遠い「朴島」は約55分の船旅。4島すべて日帰りでめぐれます。
仙台藩にまつわる史跡、島の文化や歴史を知ることができる建造物、松島湾の景色など浦戸ならではの魅力があります!詳しくは下記記事をご覧ください。
仙台駅から約40分「松島海岸駅」~松島~
京都府の「天橋立」、広島の「厳島神社」に並び、日本三景の一つに数えられる「松島」。
『おくの細道』で知られる松尾芭蕉をはじめ、「相対性理論」で知られる理論物理学者アイン・シュタインも足を運び、古今東西の人々を魅了する地です。
観光桟橋から遊覧船が出ており、松島湾を60分ほど周遊します。
ほかにも伊達政宗が再興した古刹「瑞巌寺(ずいがんじ)」や、縁結びのお寺「円通院(えんつういん)」、政宗の生涯を伝える「みちのく伊達政宗歴史館」など、観光スポットが点在しています。
松島の観光スポットについては、こちらの記事をご覧ください。
仙台駅から約90分「石巻駅」~石巻市街~
県内で2番目に人口が多く、「マンガの街」として知られる石巻市(いしのまきし)。
『仮面ライダー』や『サイボーグ009』でお馴染み、萬画家・石ノ森章太郎の世界を体験できる「石ノ森萬画館(いしのもりまんがかん)」が街のシンボル的な存在となっています。
ほかにも市街地を一望できる「日和山(ひよりやま)公園」、宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」など、見どころは盛りだくさん!
バスを利用すれば牡鹿半島まで足を延ばせますが、運行本数が限られているため時間には要注意。
半島には石巻の捕鯨文化を学べたり食事を楽しめる「ホエールタウンおしか」、絶景スポットで知られる「おしか御番所公園」などがあります。
仙台駅から約90分「石巻駅」→定期船で約40分~田代島~
田代島は、周囲約11kmの小さな島です。島内には猫を祀る「猫神社」や、食事や島限定の土産物が買える「田代島にゃんこ共和国 島の駅」、宿泊ロッジのある「マンガアイランド」があります。
ランチを提供しているお店は限られているため、石巻駅内のコンビニなどで事前に買っておくのがオススメ。
島のいたるところに猫、ねこ、ネコ! 島民よりも猫の数が多く、その数はおよそ130匹ほど(推定)。
人に慣れた懐っこいネコや、我が道をゆく猫らしいネコもいます。
石巻駅から徒歩(約15分)もしくはミヤコーバス(約7分)を利用し、フェリー発着する「石巻中央発着所」へ。バスの場合は「中央一丁目」で下車してください(バス停から徒歩約1分)。
石巻中央発着所から乗船し、40分ほどで田代島に到着です。
仙台駅から約2時間「女川駅」→定期船で約35分~金華山~
青森県の恐山、山形県の出羽三山に並び、”奥州三大霊場”に数えられる金華山(きんかさん)。
山と付いていますが島で、島内全域が丘陵地のようになっています。
中腹には「黄金山神社(こがねやまじんじゃ)」が鎮座しており、島全体が黄金山神社の神域です。
奈良時代の国家プロジェクト”奈良の大仏”の建立に際し、金華山で採掘された金を献上したことから、黄金山神社が建てられたと伝えられています。
御祭神は貴金属や地下資源を司る二柱の神、金山毘古神(かなやまひこのかみ)と金山毘売神(かなやまひめのかみ)です。”3年連続でお参りに行くと一生お金に困らない”といわれ、全国から多くの参拝客が足を運びます。
石巻市の牡鹿半島にある鮎川港、もしくは女川港の観光桟橋(女川町離島航路ターミナル)から定期船(主に日曜日のみ)が出ています。
鮎川港へは石巻駅からミヤコーバス(鮎川線)に乗車し、「鮎川港」下車(乗車時間約80分)。
女川港の観光桟橋(女川町離島航路ターミナル)へは、女川駅から徒歩10分ほどです。
フェリーは満席だと乗船できない場合もあるため、事前予約がオススメ。
定期船は主に土日のみの運航ですが、平日は海上タクシーでアクセス可能です。
仙台駅から約2時間「女川駅」~女川駅周辺~
女川町(おながわちょう)は牡鹿半島の根本に位置する、海沿いの町。
先ほど紹介した「金華山」の玄関口であり、世界三大漁場の一つ・金華山漁場が近いところから、魚市場や市内では新鮮な魚介類をつかった海鮮丼やお刺身などが食べられます。
女川駅には「女川温泉 ゆぽっぽ」が併設されており、夜21時まで営業(第3水曜日は定休日、祝日は翌日定休)。
大人も500円で入浴できるほか、女川温泉は美人の湯といわれており、肌の角質や毛穴汚れをとりのぞいてくれる働きがあるそう。
駅から海へ向かう道には、テナント型商店街「シーパルピア女川」、「地元市場 ハマテラス」があります。
食事やショッピングが楽しめるほか、ワークショップやダイビングショップ、またイタリアの高級スポーツカー「ランボルギーニ」を段ボールでつくった「ダンボルギーニ」が展示されており、見どころは盛沢山!
また3・11東日本大震災の遺構として、駅から徒歩5分に横倒しの姿で保管されている「旧女川交番」があります。
仙台駅から約60分「涌谷駅」~涌谷町内~
日本初の産金地で知られている涌谷町(わくやちょう)。金華山の黄金山神社と同じく”奈良の大仏”の建立に際し、金を献上したと伝えられている”日本初の産金地”です。
国指定の史跡となっている「黄金山産金遺跡」には、「黄金山神社(こがねやまじんじゃ)」が鎮座しています。
ほかにも砂金採り体験ができる「天平ろまん館」や奥州三観音の一つが祀られている「箟峯寺(こんぽうじ)/奥州三十三霊場第九番札所」、美肌効果のある日帰り温泉施設「わくや天平の湯」があり、歴史好きな方やのんびり街中散策を楽しみたい方にオススメの場所。
戦国時代にこの地を支配していた大名・大崎氏の配下だった涌谷氏の居城「涌谷城(わくやじょう)」があり、県内有数の桜名所で知られています。
豊臣秀吉による奥州仕置で大崎氏が滅ぶと、涌谷氏から一時は秀吉の家臣・木村氏の居城になりました。
しかし木村氏の統治方法に不満を抱いた旧大崎氏の家臣らが、天正18年(1590)に一揆を起こします(葛西大崎一揆)。
秀吉から命じられた伊達政宗によって一揆は鎮圧され、涌谷城を含む旧大崎氏領は伊達領となったのです。
その後、伊達氏の家臣・亘理氏(わたりし)が居城し、伊達性を名乗ることを許されてからは「亘理伊達氏」として明治維新まで続きました。
現在は涌谷城の跡地には、天守閣を模した涌谷町立史料館がそびえ、亘理伊達氏に関する資料や貝塚や古墳群から発掘された出土品を展示しています。